未来のミライ(2018年) | 勝手に映画紹介!?

未来のミライ(2018年)


【鑑賞日:2018年7月20日】

朝からカンカン照りで暑かったけど…チャリンコで映画館へ!本日公開初日、細田守の新作「未来のミライ」をシネプレックスの1000円ポッキリ会員デーで見てきた。CLUB-SPICEの“6ポイントで映画1本無料”も貯まってるんだけど…最近は金曜が公開初日の映画が増えて、なかなか使う機会がない。1000円で見れるのに、“無料”を使うのは勿体ないと…。じゃあ、わざわざ初日に見なくてもとか思われそうだけど、本作に限っては…やっぱり“学生が夏休みに入る前”に見ておいた方がいいかと…たぶん、今日が終業式だってところが多いんじゃないかな?

とある一軒家…自由奔放に育っている甘えん坊の男の子“くんちゃん”のもとへ、突然…生まれたばかりの妹がやってきた。それまで優しかった“おかあさん”は妹にかまってばかりで、全然“くんちゃん”の相手をしてくれない。独立して自宅で仕事をするようになった“おとうさん”が“おかあさん”を手伝い、“くんちゃん”の面倒も必死にみようとするが…“くんちゃん”はそれもなかなか受け入れられない。やがて“未来”と名付けられた妹に八つ当たりをする機会が増える“くんちゃん”…そんなある日、“くんちゃん”の事を“お兄ちゃん”と呼ぶ不思議な少女が現れ…。

「未来のミライ」の感想を語る前に…もう、ネットで情報が色々と出始めてるので、ご存じの方も多いと思いますが、遂に「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の特報が解禁になりまして…オイラの劇場でも、本編上映前の予告編の初っ端に映像が流れました…自分が「未来のミライ」を見に行っているということすら忘れて、“キターーーーーーッ!”ってテンションあがりまくり、それまで感じていた“暑さ、ダルさ”もどこかに消したとんだかのように思えたんだけど…最後の方に表示される“2020年公開”という文字に…まだ2年あるのかと、現実に戻されるのでした(笑)

人間、40を超えると…冗談抜きで“後先の事を考える”ようにもなるわけで、無事に映画の公開まで生きてるだろうかとか思ってしまう。いつ重い病気にかかるかもしれないし、事件や事故、災害にだって巻き込まれるかもしれない…あと2年長いな。“新エヴァ”の完結を見届けるまでは、何が何でも死にたくないな(笑)あっ、でも…“ちゃんと作ってたんだ”という妙な安心感のようなものを得られまして…今年と来年の“暑い夏”もなんとか乗り越えてやろうじゃないかという気にさせるのも確かです(2020年の秋以降の公開だと、もう1回夏が増える可能性も)。

と、まぁ…今度は“エヴァ”の話を横に置いておいて、見てきた「未来のミライ」です。「サマー・ウォーズ」以来、2度目の起用となる大御所・山下達郎が主題歌を担当。きっと監督も初対面よりも頼みやすかったのか…惜しげもなく、オープニングから山下達郎をガンガン流しまくる。そうなんです、オープニングもエンディングも山下達郎なんです。それだけでやたら贅沢な感じがしますね…。ついでに、キャストもいつものように人気の役者さんとか歌手がたくさん出てるんですけど…中には声優業に向かない人も交じってまして、その点に関しては微妙さが拭えない。

その微妙な中に“普段は応援している好きな俳優、女優”もいるだけに個人攻撃は控えます…ただ、普通にアニメ系のプロの声優さんを使ってほしいなって思うのでした。えーと内容の方ですが、「未来のミライ」ってタイトルだけ見ちゃうと、「ママは小学4年生」のパクリかなって、年季の入ったアニメファンほど思ったに違いない。ガンダムでお馴染みのサンライズが手掛けた、通称“ママ4”という傑作アニメがありまして…未来からやって来た自分の娘を小学4年生の女の子が育てるみたいな感じの話なんですけど、そこに出てくる赤ん坊もみらいちゃんなんですよ。

だから予告の段階から“ミライちゃん”を連呼しまくってたので…どうしても“ママ4”のイメージとダブってしかたがなかったんですけど、話の内容はだいぶ、というかまったく違いまして、未来からやってくるのは主人公の4歳児“くんちゃん”の成長した妹だった。でも、大げさに“未来のミライ”というタイトルを付けたわりに、ミライちゃんがクローズアップされる話でもない。映画タイトルとしての語呂は確かにいいけどな。主人公は前述の通り“くんちゃん”の方で…妹ができて、急に周囲の態度が変わった事に、子供ながらに敏感に察知、最初は戸惑いと拒絶を繰り返す。

子育てしている家庭だったらどこでも見られるに違いない日常の風景…そこに、夢か幻か、それとも妄想なのか?はっきりした設定を提示しているわけではないんだけど…“くんちゃん”が数々の非日常体験をする姿を加え、両親や妹との接し方を学んでいくという成長譚になっている。前半はそれこそ日常の延長のようなシーンも多く、まるで“ドリフのコント”を見ているような印象も多い。そういう細かいエピソードの積み重ねで物語を構成。そして“未来のミライちゃん”を含む、非日常で接した人たちは、“くんちゃん”に縁のある人物ではないかと…わかってくる。

そうだな、イメージ的には日常を描くテレビシリーズと非日常を描く劇場版の「クレヨンしんちゃん」がごちゃ混ぜになってしまったみたいな感じかな?クライマックスに登場する“家出、迷子”の話なんかをもっと膨らませて、ファンタジー色を前面に出してもいいんじゃないかなって思うんだけど…映画としてはなんとなく物足りないところもある。「おおかみこどもの雨と雪」ほど露骨ではなかったものの“性”を感じさせる描写がさりげなく出てきたり、子供にも“死”を悟らせようとするホラー的な演出など、細かい部分でけっこういいシーンがあるんだけどな。

簡単に言っちゃえば“くんちゃん”が一番大切なものは何かを悟るお話であるわけで…最後の現実への帰還なんかを見ていると、「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」で最後にラムちゃんの名前を大声で叫んで、現実に戻ってこれた諸星あたるの姿とオイラは重なった。なんだ“ママ4”じゃなくて”うる星”だったのか(笑)そう、未来から家族からやってくる話といえば…もう一つ、ファンの間で“裏うる星”と呼ばれている押井守の「御先祖様万々歳」なんかもあったりして、もしかしたらこれは細田版の「御先祖様万々歳」なのかななんて結論を出し、話をシメる。


監督:細田守
出演:上白石萌歌 黒木華 星野源 麻生久美子 吉原光夫 宮崎美子 役所広司 福山雅治


【原作小説はこちら】
未来のミライ (角川文庫)







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