哲学の科学

science of philosophy

エゴイズムな人々(3)

2017-12-02 | yy60エゴイズムな人々



ちなみに実際問題、この法とモラルがうまくできていないと国家はうまくいきません。法の作り方にしても、政治家がよく考えて理想の社会を目指す体制を作ればよいとする理想主義、現状維持を原則に時代に合わせて逐次改善すればよしとする保守主義がせめぎあいます。
保守主義では、社会のモラルはエリートが理論で考え出すものではなく、歴史と伝統の中に蓄積されたカルチャーから自然に発生したものでなくてはならない(一七三九年 デイヴィッド・ヒューム「人間本性論 A Treatise of Human Nature」)とされます。現代の経済先進国は、だいたいこのような(社会民主主義と称するものも含めて)保守主義を軸としています。
先進国でも昨今、環境破壊や移民急増や軍事的脅威などの危機意識から右派的あるいは左派的極端理論を主張する政治勢力が台頭する現象がありますが、これも復古現状維持の欲求がポピュリズムとして反動的に表現されたものとみることができます。ある意味、デモクラシーつまり大衆による支配がますます徹底してくるにつれエリートの理想論が駆逐されてくる、という現代の政治風景でしょう。

ミクロスコピックな個人のエゴイズムをどのように認知するか?という問題は、モラルや社会制度、法律システムの根幹にあります。
人間は誰も、自分がしたいことをしたい。他人に邪魔されずにしたいことができる状態でいたい。自由と言う。好き勝手とも言います。
結婚の自由。職業の自由。離婚の自由。結婚しない自由。働かない自由。結社の自由。政府批判の自由。暴走の自由。
スピーカー大音響の自由。放浪の自由。資産所有の自由。銃砲所有の自由。破産の自由。ゴミ放棄の自由。蒸発の自由。自殺ほう助の自由。などなど。我が国はどの程度自由か?









自然科学ランキング
コメント    この記事についてブログを書く
« エゴイズムな人々(2) | トップ | エゴイズムな人々(4) »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

文献