1985年、大不況のダブリン。人生14年、どん底を迎えるコナー。父親の失業のせいで公立の荒れた学校に転校させられ、家では両親のけんかで家庭崩壊寸前。音楽狂いの兄と一緒に、隣国ロンドンのMVをテレビで見ている時だけがハッピーだ。ある日、街で見かけたラフィナの大人びた美しさにひと目で心を撃ち抜かれたコナーは、「僕のバンドのPVに出ない?」と口走る。慌ててバンドを組んだコナーは、無謀にもロンドンの音楽シーンを驚愕させるPVを撮ると決意、猛練習&曲作りの日々が始まった。
シング・ストリート 未来へのうた 2015年/アイルランド、イギリス、アメリカ/ジョン・カーニー
『はじまりのうた』のジョン・カーニー監督の半自伝的映画だそうです。
お話の舞台は80年代、うふふ、私もドンピシャリの年代なので、流れてくる懐かしい音楽にあっという間に心を掴まれました。
そして、やはり同じ年代だからこそ、コナーの純粋さを違和感なく受け入れられたのかなーと思います。
今の時代の若者に、コナーの純粋さはどう映るんだろう?と思いながら、微笑ましく、楽しく鑑賞しました。
バンド“結成”のきっかけは、本当に単純に、好きな女の子にカッコよく見られたい!という思いだけでしたが、
ちゃんとバンドを結成して、オリジナル曲も作って、彼女とMVを撮って仲良くなって…と、出来過ぎなくらい見事な青春でした。
コナーたちが作る曲がどれもその時に流行っている曲のメロディやアレンジにそっくりなのが微笑ましかったです。
でも、似ていたとしても、オリジナルで勝負するのがカッコいいぞ!と思いました。
もー、とにかく、純粋で可愛くて、コナーの溢れ出す気持ちがたまらなくなって涙が出てきました。
両親の不仲や先生の陰湿さに15歳のコナーは苦しんだと思いますが、音楽に出会えたことで、それらを乗り越えられたのだろうと思います。
音楽に向き合い、音楽を通し自分を表現し、自分を解放して、本人も気付かないうちに、様々なことを学んだのかもしれません。
と言っても、15歳で駆け落ちはどうなの?と思いますが…、駆け落ちではなくバンドを売り込みに行っただけかもしれない?と思いたい…。