屍人荘の殺人
今村 昌弘 著 東京創元社 / 2017.10
神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、いわくつきの映画研究会の夏合宿に参加するため、
同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。
合宿一日目の夜、映研のメンバーたちと肝試しに出かけるが、
想像しえなかった事態に遭遇し紫湛荘に立て籠もりを余儀なくされる。
緊張と混乱の一夜が明け――。部員の一人が密室で惨殺死体となって発見される。
しかしそれは連続殺人の幕開けに過ぎなかった……!!
究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り、謎を解き明かせるか?!
奇想と本格が見事に融合する選考員大絶賛の第27回鮎川哲也賞受賞作。
このミステリーがすごい!2018年版 1位
週刊文春ミステリーベスト10 1位
2018 本格ミステリ・ベスト10 1位
デビュー作にして3冠…とのことで、さすがに気になって文庫落ちを待たずに読んでみました(笑)。
この歳になると、若い作家さんの作品はあまり読む機会ないので、正直、心配…。
読み始め、明智なる探偵もどきに魅力を感じられず、この人が主人公なんだよねー?と諦めモード…。
ところが!
面白かったです。
明智にガッカリし、ゾンビが出てきて、でも、冒頭にゾンビの謎が描かれていたので違和感を感じず(もう少し掘り下げてもよかったのでは?と思った)、紫湛荘内の殺人事件もなかなかで、トリックも謎解きもよかったと思います。
ただ、自殺の動機も、復讐の動機もイマイチ(納得できない)かなと思いました。
それと、ヘリが初日にしか飛んでいないというのはありえないと思われ、『SOS』は初日に書いて、発見されて、救出されて、事件は起らず…になってしまうか(笑)。
ついでに、フーダニット、ハウダニット、ホワイダニットはウザかった(笑)。
でもってエピローグ、ワトソンにはなれないと断っておきながらの、ワトソンになっちゃうってことのようで、それはいいんだけど、これしかなかったのかなー?と思いました。