ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

ムーンライト

2018-03-06 | 映画 マ行


名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校では“オカマ”と呼ばれ、いじめっ子たちから標的にされる日々。その言葉の意味すらわからないシャロンにとって、同級生のケビンだけが唯一の友達だった。高校生になっても何も変わらない日常の中で、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケビンは初めてお互いの心に触れることに。

ムーンライト 2016年/アメリカ/バリー・ジェンキンス





へー、これが作品賞なんだなーと、正直なところ、意外でした。
フアンはどうしてこれほどまでにシャロンをかまうんだろう?ととても気になったのですが、
自分と似たような境遇だったというだけでは説得力がなかったように感じました。
その後のシャロンを見た時に、フアンの影響はそこに通じるのかーと、これだけが作られたもののように感じてしまいました。

でも、それ以外はかなり引き込まれて、シャロンの未来はどうなるんだろう?と気になって仕方ありませんでした。
子供時代から学校ではずっといじめられて、家に帰れば母親は薬物中毒、わずかでも安らげるとしたらケヴィンであり、フアンとテレサだったのだと思います。

シャロンを拒絶しなかったケヴィンと、シャロンを優しく導いてくれたフアンとテレサ。
でも、ケヴィンがきっかけで少年院に行くことになり、そして、フアンと同じ売人になるしかなかったことは、なんとも皮肉なことだと思いました。

体を鍛えて強面の見た目を作り上げたけど、気持ちが安らぐ場所はもうなくて…。
このままの人生なのかと思ったら、思いがけずケヴィンから連絡があり、そして、再会。
ケヴィンの前では強面の見た目から、ふと、少年時代のシャロンの表情を見せるところがとてもよかったと思います。
そして、ようやく安らげる場所を見つけられたと思われるラストに思わずホッとしました。

シャロンの母親役のナオミ・ハリスがよかったです。
母親失格の無責任さと、泣いて詫びて愛してるといえば許してもらえると思っている浅はかさを見事に表現していたと思います。
シャロンを演じた3人も、しっかりとシャロンの内面を引き継いでいて素晴らしかったと思いました。

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