芹沢銈介の世界展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、横浜髙島屋では、 “芹沢銈介の世界展” が開催されています。
こちらは、型絵染の人間国宝・芹沢銈介の生誕120年を記念して開催された美術展で。
《四季曼荼羅図二曲屏風》 や、

四季曼荼羅図二曲屏風  


《いろは文六曲屏風》

いろは文六曲屏風  1958 東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館蔵


《布文字春夏秋冬二曲屏風》 など、

布文字春夏秋冬二曲屏風  1965 静岡市立芹沢銈介美術館蔵


芹沢銈介の代表作の数々が約70点ほど紹介されています。
見応えたっぷりな美術展でした。
星


ノスタルジックさが前面に押し出されているので (?) 、
意識しないと、あまり気づかないのですが、実は、芹沢銈介作品のデザインは、かなり大胆。
それも、相当にアヴァンギャルドです。

例えば、こちらの 《縄のれん文のれん》

縄のれん文のれん  1955 柏市蔵


のれんにのれんの文様をデザインするって!
斬新すぎる発想に、シビれました。


また、遠目からは、カラフルな幾何学文様にしか見えない、こちらの着物。

染分いろは文字文着物


近づいて観てみると、すべてひらがなで構成されていることがわかります。
その名も、 《染分いろは文字文着物》
これまた斬新すぎる発想です。


今回の出展作品の中で、個人的にもっとも心を奪われたのが、 《伊曽保物語屏風四曲屏風》

伊曽保物語屏風四曲屏風


屏風の中に配されている円形の窓絵は・・・

伊曽保物語屏風四曲屏風


この 「うさぎとカメ」 のように、すべてイソップ物語が題材になっています。
他にも、 「牛とねずみ」 や 「キツネとぶどう」 といったお話が、
芹沢銈介によって大胆にアレンジされ、窓絵としてデザインされていました。
何とも楽しい作品です。


ちなみに。
今回の美術展には、芹沢銈介の作品だけでなく、
芹沢銈介が蒐集した世界各国の美術・工芸品も展示されています。
それらの中で特に印象的だったのが、 《城紋様蒲団地》 です。

世界各国の美術・工芸品


まるで、ドット絵。
ファミコン版のドラクエ世界地図に、
このまま登場しても、全く違和感はありません。




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