「逆転移」 リギョン展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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銀座メゾンエルメス8階 フォーラムで開催中の・・・

「逆転移」 リギョン展


“「逆転移」 リギョン展” に行ってきました。
初期から一貫して光をテーマにした作品制作を行っている韓国人アーティスト・リギョンの東京での初個展です。

会場に訪れるやいなや、靴を脱ぐよう促されました。
そして、滑りやすいので注意するよう案内されました。
よくわからないまま、靴を脱ぎます。
そして、リギョンさんの新作インスタレーション 《蛇の口づけ》 のもとへ。

蛇の口づけ


確かに、ツルッツルと床が滑ります。
アイススケートのリンク上くらいに安定感はありません (汗)

蛇の口づけ


はてさて、肝心の作品はどこに??

・・・と思っていたら、どうやら先ほどから僕を苦しめている床そのものがアート作品であるようです。

床  床


まるで螺鈿が埋め込まれたようなツルッツルの床。
この床こそが、普段は目に見えない光を可視化するための装置なのです。
外光をガラスブロックから取り入れる銀座メゾンエルメス8階 フォーラムだからこそのインスタレーション作品。
昼には太陽の光が。
夜には銀座のネオンの光が、このツルッツルの床に反射し、さまざまな表情を見せるのです。

蛇の口づけ


無いのに、ある。
あるのに、無い。
禅のような味わいのインスタレーション作品でした。


こちらの 《蛇の口づけ》 も良かったのですが、
個人的には、もう一つのインスタレーション作品 《善悪の知恵の木》 のほうが、強く印象に残りました。
こちらのインスタレーション作品も、体験するには靴を脱ぐよう指示されます。
一たび足を踏み入れるとそこには・・・

《善悪の知恵の木》


ただただ真っ白な空間が広がっていました!!

肉眼では、確かに真っ白な空間だったのですが。
写真では、どうしても緑になってしまします。

《善悪の知恵の木》


これは、肉眼で体験して頂くより仕方ありません。
一応、説明をしますと、
“床と壁、天井が緩やかに曲線でつながった真っ白な空間に、数個の高圧電球がぶら下がっている”
ただそれだけのインスタレーション作品です。
しかし、その眩しすぎる光源のせいで、空間には影が生まれません。
本当に、ただただ白い空間なのです。
今までで一度も体験したことがないその不思議な光の世界に、ただただ呆然と立ち尽くすばかりでした。
しばらく呆然と立ち竦んだ後、目がカラッカラに乾いてしまい、
さすがに目を閉じたところ、さらなる未体験の世界に遭遇することになったのです。

目を閉じても明るい!!

強烈な光のもとでは、目を閉じても黒にはならず、
蛍光黄緑一色の世界が目の前 (まぶたの裏?) に広がるのでした。
不可思議も不可思議な体験。

シンプルながら、リギョンさんのセンスも光るインスタレーション作品が味わえました。




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