画家の眼がとらえた美 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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昨年7月に秋田県立美術館で始まった展覧会を皮切りに、
大阪、広島と巡回していたホキ美術館の名品展が、先日、佐賀県立美術館にて終了。
半年以上ぶりに、ホキ美術館の名品の数々が千葉のホームへと戻ってきました。
そんな久しぶりの通常運転モードのホキ美術館では、
11月21日まで、“画家の眼がとらえた美” という展覧会が開催されています。

背中美人を描かせたら右に出る者はいない森本草介さんや、

森本 草介 光の方へ
森本草介 《光の方へ》 2004年


ヨーロッパの古典的な風景画を得意とする写実絵画界のビジーフォー (←?) 青木敏郎さん、

オーベルニュ
青木敏郎 《オーベルニュの教会》 2000年


ここ最近は、作品がガスマスクづいている石黒賢一郎さんをはじめ、

ガスマスク
石黒賢一郎 《ガスマスク使用生活(子供編)》 2017年


ホキ美術館でも特に人気の高い8人の画家の作品数点ずつを、
それぞれがどのような観点で描いているか、解説パネルを交えながら紹介した展覧会です。
星星


2か月に1回くらいのペースで訪れているホキ美術館のヘビーユーザーの僕ですが。
改めて、画家の個性に注目して観てみると、
やはり八人八色、八人八様の個性に気づかされて新鮮に映りました。

個人的に発見だったのは、野田弘志さんの風景画をじーっと眺めていたら・・・

野田弘志 摩周湖・夏天
野田弘志 《摩周湖・夏天》 1999年


抽象画のように見えてきたこと。

抽象画
(注:画像はイメージです)


これまで、“写真のような写実絵画” という前提で、この絵を観ていたような気がしますが。
もしかしたら、モンドリアンの抽象画のように構図と色彩を計算して描いた絵画なのかもしれません。
そんなことを考えていたら、野田さんの他の風景画も抽象画のように見えてきました。

野田
野田弘志 《天谿・梓川》 2002年


ちなみに、“画家の眼がとらえた美” の会場はギャラリー1ですが、
小回廊のギャラリー4では、現在、女性像の小品10点が展示されています。
五味文彦さんの最新作は、そちらで紹介されていました。

YOUKO Ⅳ
五味文彦 《YOUKO Ⅳ》 2017年


当たり前ですが、めちゃめちゃ巧かったです。
特に、首の後ろにネックレスの紐が軽く食い込んでいる部分の表現がスゴかったです。
あと、手の組み方。
それと、服の微妙なしわ。
あまりにリアルなので、不気味の谷現象が起きたほどです。


そうそう、同じくギャラリー4に、渡抜亮さんの 《絵画の窓》 も飾ってありました。

渡抜亮《絵画の窓》
渡抜亮 《絵画の窓》 2011年


一瞬、マジでギャラリー内に壁があって、
マジで女性がこっちに来ようとしているのかと錯覚してしまいました。
プチドッキリ体験です。
もう少しで、無様に腰を抜かすところでした。
これからホキ美術館を訪れる皆さま、十分にお気を付けくださいませ。




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