ギリシャ破綻へ…日本は?

皇紀2675年(平成27年)6月29日

 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0P70Y0……
 ▲ロイター:ユーロ圏がギリシャの支援延長を拒否、債務不履行に現実味

 六月二十六日記事で申したように、現代の戦争はサイバー空間や金融の世界で繰り広げられ、米国の調査会社ユーラシア・グループが本年初に掲げた通り「金融の兵器化」は進んでいます。

 ギリシャ(希国)問題であまりそう申しますと「第四帝国」呼ばわりされている独国がさらに悪者になってしまうので避けますが、独国民とて希国のために自分たちは増税されてでも他国を助けようとは思いません。

 前出記事のちょうど一か月前に当たる五月二十六日記事で「私の責任で申しますが、欧州連合(EU)の対希国方針は既に『債務不履行(デフォルト)させてしまえ』というもの」と申しましたが、これに対して「本当ですか?」「なんだかんだ言って希国を助けないと欧州危機が起こるでしょう」など、さまざまな方から疑問や反論をいただいていました。

 しかし、事実上独国を中心とした二十七日のEU財務相会合の結論は、もうこれ以上希国を助けられないというものでした。彼らは希国がデフォルトすることのリスクを十分承知しているものの、つまり希アレクシス・ツィプラス首相を助けるようなことはしないという意思表示だったと思えばほぼ正確です。

 希国ではいよいよ銀行業務が休止され、欧州中央銀行(ECB)理事会が昨日、希銀行に対する資金供給を増額しないと決めましたから、最近加速していた希国民の預金の流出に制限がかかるのは不可避でしょう。

 一方で緊急流動性支援(ELA)を現行水準で維持するとも決めましたから、希中央銀行と間合いを計りながら希ヤニス・バルファキス財務相が「何らかの行動」を取るのを待つのかもしれません。七月五日の国民投票結果など誰も当てにしていませんから「力づくの変更」が起きる可能性を捨てきれないのです。

 で、私たち日本国民に何の影響があるのかと申しますと、それは二十日記事で少し触れたように円高基調へ揺り戻されてしまうかもしれないことでしょう。

 希国のことは「調子に乗っていい加減な国やその国のすることに投資するとこうなる」という典型事例ですから、中共主導の亜州インフラ投資銀行(AIIB)参加の欧州各国は早くも腰が引け始めたわけです。

※ 今週より動画配信を再開します。長期に渡って休止していましたが、さらに出来るだけ多くの方へお届けしたい情報や考えを述べます。毎週月曜、水曜、金曜日の午後6時からです。お楽しみに。
※ ただし、動画配信日の午前の記事更新はありません。本日の動画配信はありません。

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『ギリシャ破綻へ…日本は?』に2件のコメント

  1. きよしこ:

    遠藤先生、動画はどこで視聴できるのでしょうか(動画共有サイトへの投稿ですか)?
    かくいう私もなのですが、コメント欄を拝見する限り、おそらく読者の中にも前回の配信休止後にこのブログを知ったという方が大勢いるように思います。できるかぎり早く、見逃すことなく視聴したいと思っているのですが・・・

    午後6時からの配信ということで、個人的には仕事が終わった後、寄り道せずにまっすぐ帰宅する理由ができたのがうれしいです。決して無理はせず、自然体で続けてくださればと思います。

  2. 遠藤 健太郎:

     いつもありがとうございます。
     YOUTUBEでの動画配信になりますが、必ずここに動画のリンクを貼りますので、是非ご視聴ください。

     なお、設置されたチャンネルは以下の三種です。
    「遠藤健太郎公式」国語版
    https://www.youtube.com/channel/UCEGpxg_qNlX0AQFwJw_BkJw
    「Kentaro Endo Official」英語版
    https://www.youtube.com/channel/UCSHwpmFYO74bTxcp8w10WwQ
    「遠藤健太郎のゴミ箱」※ 公式での不採用動画を蔵出し
    https://www.youtube.com/channel/UCbKf6a5XQRiLXOGRgGNJguA