おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。
まず最初にとても大切なことを・・・
「ブランド品の場合、同色染め直し、染め変えなど色を入れた場合、持ち手を短く、内側が劣化し交換などメーカー元以外で手を加えてしまうと純正品としてみなされなくなります」
一度手を入れてしまうとメーカー元へ修理依頼しても受けてもらえなくなること、最近ではオークションなどで落札した物を染めなおして転売などされる方もいらっしゃるようですが、純正品として買い取ってはもらえません。
当店でお受けする場合、転売目的の方はお断りさせて頂いております。
ただ、メーカー元では色の修復はしてくれませんので・・・
ブランド品としてではなくお客様ご自身の財産(所有物)を当店が作る風合い、色合いに変えさせて頂きます、と言う事でご了承頂ければお受けさせえて頂きます。
その場合、メーカー元では修理等受けてはくれなくなりますのでご注意ください。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
イブサンローランのバックです。ビニール張りしたような独特の透明感と光沢があります。
最初はフィルムのようなものを表面に貼ってある?とも思いました。
フィルムが表面に貼られているバックをいくつもお受けしており、お手入れはできても染め直しなど色を入れることができないんです。
できないというのは、色は顔料(塗料)を使い表面塗装していけばとりあえずは乗りますが、フィルムなど表面に弾かれ浸透しない物に乗せると使っている時のスレなどで簡単に色が落ちてしまうんです。
少し固いところに当たるとその部分だけ簡単に剥がれ元の色が出てきてしまうんですね。
落ちないように固着を強くしようとすると、顔料は色を接着剤で貼り付けていますので、
触った感じがパリパリしたりペンキを塗ったような質感に変わったりなどなど・・・
この状態、結構あるようで・・・色を変える場合はよく説明を聞いてから依頼されることをお勧めします。
今現在、一度染められた皮革製品のやり直しはお受けしておりません・・・
同じお客様から以前、同じ素材で色違いのバックの光沢と柄を目立たなくしたいと言うご相談をお受けした物がありました。
その時、浸透力の高い染料が表面に浸透していくのを確認しており、その旨もお客さまへお伝えしてありました。
今回は色がどんどん黄ばんできてしまったから黒へ染め変えて欲しい、と言うご依頼でしたが、前回と同じイブサンローラン、同じ素材と言う事でお受けさせて頂きました。
エナメルなど光沢のあるバックってどんどん焼けたように黄ばんでいくってかなり多くあります。
表面の光沢のある樹脂が変色していくため・・・表面を少し剥がすことで多少は改善できるものはありますが元通りの色と光沢を戻すのは難しく、どこまで変色が進んでいるか、になります。
経験上、3年以上程度経っていると変色が深く浸透していて表面を少し剥がす程度では元通りの色は出てこない・・・
表面の素材自体が変化しているため、変化した部分を除去していく以外方法はないと思います。
なので、このタイプの変色を元通りに直すと言うのはお受けしておりません・・・
という事で、黒へ染め変えですが、染め変え工程も少し画像に撮りましたので当店の考え方、当店の染め変え方法などもご説明しながらご紹介させて頂きます。
表面洗浄などクリーニングをしたあと、変色した光沢面を染色している画像です。
色々と試し、フローリングにこぼしたりするとそのまま浸透して取れなくなる、浸透力の高い染料を使用。
この染料を綿生地を使い画像のように押しこむ感じで塗りこみ、光沢面に入れ込んで染めていきます。
染料は素材そのものに浸透し染まるものでたとえ黒でも透明感があります。
なので下地の光沢や風合いが残り質感に変化が出ないのが特徴かな。
光沢のある表面に染料を入れ染めると色が変わるだけで光沢そのものも残ります。
なので例えばパテントレザー(エナメル)が変色した場合、染料で染めてしまうだけで済めばエナメル独特の光沢感を残すことが出来ますので見た感じは元々黒のエナメル?って感じで染まります。
さて、ココからが当店独自の染め変え方法。
右画像は染料のみで染めた画像。光沢がそのまま残っています。
浸透力の高い染料を使い表面の光沢面を染め乾かしたあと、表面の染料をリムーバー(剥がす溶剤)で拭きとっています。
浸透していない過剰の乗っている染料を拭きとっているんです。
拭き取ることでどの程度染料で染まっているかの確認ができます。
薄ければもう一度染料拭き取りを繰り返して染めていきます。
こうして下地面を染めることで表面が傷ついても同じ黒が出てくるため、元の色がすぐに出て来ることもないんです。
過剰の乗っている不要なものがある上へまた染色をしても固着が弱くなりすぐに色が剥がれてしまう、と言う事にもなりますので、
たとえシンナー等で拭いても色が落ちないよう、手間がメチャクチャかかりますが染料で下地染めをしています^^
この後、もう一度薄く顔料を入れ色合いを均一にしながら仕上げ染めをしてきます。
染料は染める下地の状態により浸透しにくい、しやすいなどに影響されムラになります。
均一にしながら薄く顔料を入れたあと、今回はトップコートをしていきます。
染料はどんなに濃く入れても皮革独特のシボ(シワ)や銀面模様など風合い質感もそのまま残すことが出来ますので下地を出来る限り濃くし、風合いに変化が出ない程度の薄い顔料で仕上げていくことで表面の表情にあまり変化を出すこと無く染めることが出来るようになります。
そして黒への染め変え、仕上がりです^^
今回は 染料染め、顔料染め、トップコート という工程で染めていきました。
もともとが顔料染め皮革(ピグメントレザー)の場合、染料、顔料の後にもう一度染料染めをしていくこともあります。
合成皮革のような感じの風合いになってしまったり、安っぽい塗装をされた感じになったりって経験ある方多いのでは?
当店で使っている染料は浸透力がとても高いため、塗装した面へ染料染めすると表面を溶かして染み込み染料独特の透明感が出ます。
たとえまったく同じバックでも革の傷み具合や汚れ具合など全て違いますので染める方法も染、顔料の入れる量も変わり風合いの変化も変わってくるため、最後にもう一度染料を入るなど3度染めのあとトップコートをして仕上げていくものもあります。
表面トップコートがとても強く、染料が浸透しないものもあり、この場合は今回のバックのように染料を吹きつる作業をすると綺麗さっぱり取れてしまう事もありますので、その場合は固着が出来る限り強くなるよう下地を作ってから顔料で染めていく事もあります。
画像ではよくわからないかもしれませんが、途中経過 染料染め画像と仕上がり画像とでは光沢が違っているんです。
顔料で仕上げているからというだけではなく、光沢を少し抑えて欲しいと依頼も受けていましたので光沢を調節しています。
この光沢は染色段階でもある程度調節したり、仕上げ時のトップコートの光沢で調節したり、ができます。
トップコートとはマニキュアを塗って乾いた後に塗るトップコートと同じようなもの。
マニキュアのトップコートと同じように、光沢もマットなものから強い光沢のものもありますので光沢も調節していきます。
シャネル、エルメス、ボッテガなどなど、人気のあるモノはまったく同じ物をいくつもやっていますが状態が全て違います。
色だけではなく本体の革までかなり傷んでいるものもあれば洗浄だけでかなり綺麗になるもの、洗浄しても取りきれないほど汚れやシミが浸透しているものなどもありますので、こうしていけば良いという方法はないんです。
いろいろな事例をご紹介していますが、このバックはこういった工程でやりました、と言う事でやっていく工程は全て違います。
服なら涼しい時に着た、ものすごく汗になった、1~2時間着ただけ、丸一日着たなどありますよね。
同じお客様から前回と同じ服やバックをお預かりしたとしてもシミ、汚れ具合など状態が毎回違います。
これから夏物衣料をしまう時期だから簡単に水洗いできない服の汗をどう取っていくか。
ドライクリーニングでは汗は取れませんからご注意を・・・。
現物の状態を見てどうやっていくのか、今できる一番よい方法を一つ一つ考えていく・・・
これが当店の仕事です^^
◆◇◆◇◆◇ 紹介している画像は、同じような状態でお悩みの方の
◇◆◇◆◇◆
◇◆◇◆◇◆ 参考になります様に独断で掲載させて頂いております
◆◇◆◇◆◇
◆◇◆◇◆◇ 掲載に関して不都合な事がございましたら
◆◇◆◇◆◇
◇◆◇◆◇◆ お手数ですが
youyuu@or.tv までご連絡願います
◇◆◇◆◇◆
↑
おしゃれ工房You友ブログが気に入っていただけたら
クリックお願いしまぁ~す ヽ(^◇^*)/
ご相談・見積もりは無料です
*****************************************
おしゃれ工房You友 053-439-0050
〒433-8114
静岡県浜松市中区葵東 1-8-11
便利なメールフォームはこちら
メールアドレス: youyuu@or.tv (24時間受付中)
※集配サービスあり
※遠方の方には
宅配サービスも大好評
**************
お気軽にど~ぞ♪ (
*^▽^
*)ノ ********************