【洗い指定以外の工程に伴う保証について】

復元洗い等、洗い指定以外の工程を含む処理についてはクリーニングの保証対象外となります。
生地が耐え切れず溶けてしまったり、直せないほど変形してしまう等、
想定外の不具合が出てしまった場合は代金は頂かずご返品にはさせて頂いていますが、
弁償等の保証は一切できません。 それぞれ詳しく説明させて頂きますのでご了承願います。

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Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?

Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?

おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。

当店はビジネスシャツなど、いわゆる普通のYシャツって依頼される事がほとんど無いので・・・
今回は技術提携している「CIS」に協力を頂き、機械仕上げ工程画像を頂きましたのでご紹介^^

Yシャツをクリーニングへ依頼している方はたくさんいらっしゃると思いますが、どんな方法で仕上げているかって見たことがある方はほとんどいらっしゃらないと思います。

クリーニング店って誰もが気軽に利用しているのに、実際にどんな仕事をしているかってほんと知られていません。
TVでも取り上げられるのはシミ抜きや色直しなどの技術系ばかりですよね。

ドライクリーニングだって、どんなクリーニングか知らずに利用している方がほんとに多いです。
という事で、なぜ安価でできるの?綺麗になるの?安価なお店、高いお店との違いなどなど、
お客様から頂く疑問にもお答えしていこうということで、今回はYシャツです^^


一枚100円程度の金額を実現させるには大型水洗機+仕上げ設備で1000万円以上はかかります。
洗剤、水道代、ボイラー燃料代、人件費などコストもかかります。

何より難しいのが毎日大量のYシャツをコンスタントに集め続けること大変なのは、多い時には千枚以上あるYシャツを洗って仕上げ間違えること無くお客様にお渡しする事ですね。

洗いと仕上げの品質も悪ければお客様は離れ集め続けることができなくなりますので、1枚100円で提供しているお店はお客様の想像を超えた努力をしています。


Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?

画像はクリーニング「CIS」で実際にやっている作業風景、機械最終仕上げ、仕上がった状態。
こんな機械で仕上げています。

「CIS」のYシャツは1枚100円前後(曜日、会員価格などで変わります)

「CIS」クリーニングのYシャツ洗い方法はこんな感じでした。

① 温水洗い  
皮脂汚れは40℃以上の温水から落ちがとても良くなります。
温水にすることでより酸化剤の効果をより効率よく発揮します。

② 漂白洗い
温水、適度なアルカリ洗剤を使用することで黄ばみやくすみを取りより白くするために漂白洗浄。

③ 殺菌消臭洗い
繊維に優しい酸化剤を使用し着用中の発汗、殺菌の増殖による嫌なニオイも除去するよう殺菌消臭洗浄。

皮脂汚れは40℃以上程度から落ちが良くなるのですが、
家庭でYシャツのみを40℃以上のお湯で洗うってだけでも実際には結構大変ですよね。

家庭で洗っていて色がくすんでいく、着て温まるとなんとなくニオイがするってありませんか?
これは汚れが落ちきれていないというのが主な原因となります。白いものを白いまま使うって意外と大変なんです。

だから、クリーニング店の品質はYシャツを見ればわかるって昔から言われるんですね。
クリーニングに依頼しているのに黄ばんだってモノ直したりもしていますが、これは洗い方の問題・・・

私は「CIS」クリーニングへ知人が普通に依頼して仕上がったYシャツの現物も見ています。
ちなみに、汚れが蓄積して真っ黒になった衿や袖口などは取りきれずに残ります。

依頼時に受付で言えば社内規定内までのシミ抜き対応は無料でしてくれますので、店頭にてご相談を^^

クリーニング店の閑散期と言われる2月の寒い時期でも工場がフル稼働しているほど集荷できているのも、100円で洗って仕上げる仕事でも家庭洗いではできない品質を実現しているからだと思います。同じ100円でも集まるお店と集まらないお店の差がかなり出ていますから。

そして、洗い終わったYシャツ仕上げとなります。

「CIS」で使っているこの仕上げ機は仕上がりが良いと好評価を受けており世界中に輸出されている最新機種。
袖口や衿など、クリーニングすると縮んで締まるって経験ある方多くないですか?
縮を伸ばしながら仕上げるストレッチプレス機も導入されています。

袖口が縮んだYシャツ修復事例はここをクリック!

でも、同じ「Yシャツ」でも機械仕上げへ依頼してはダメなものもあります。
これは「CIS」に限らずどのお店でも同じです。

その辺りも踏まえて、「CIS」の仕上げ工程を画像とともに、
手作業、手仕上げのお店へ依頼したほうが良いシャツのご説明、ご紹介です^^


Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?

Yシャツは洗いあがり後、濡れた状態で仕上げていきます。
綿シャツなど。スチームアイロンでは伸びないシワは霧吹きなどで湿らせ、
アイロンで乾かしながら掛けるとシワが綺麗に伸びます。

エリや袖口は芯が入っているので、家庭で洗い上がり後に乾かしながら仕上げるのは難しいです。
ちなみに濡れた状態のYシャツをアイロンの熱(スチームなし)で綺麗に仕上げるのが静岡県のクリーニング師免許取得時の実地テストとなります。Yシャツの仕上げがアイロンの基本となります。

山型のプレス機に袖口を左画像のようにセット、次に衿を乗せてプレスしていきます。

Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?

袖口をセットすると上部分山型のコテが降りてきて、その上が右画像のような衿仕上げ部分になっています。
衿をセットすると1~2トンの圧力がかかります。

下部分は圧力がかかると左右に開く構造になっており、洗いにより縮む芯を引っ張り伸ばしながら仕上げていきます。
これをストレッチプレスと呼んでいます。

芯地も伸ばしながら、1~2トンと言う圧力を掛けて仕上げていきますので、
家庭では絶対に真似できない仕上がりとなるわけですね。

Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?

次はボディー全体仕上げ。
人型の機械にYシャツを着せ、袖部分をセットします。

ボディーは綺麗に形成できるようバキューム機能がついていますので、吸引され整えた形通りに貼り付きます。
袖口部分にはタックが付いていますので、整えながら固定セットしてスイッチオン!

Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?

全簿ボディーは熱プレスでサンドウィッチするように仕上げ、
袖は左右に伸びタック部分も真っ直ぐに、綺麗な折り目に仕上がります。

これで全体仕上げが終了となります。

Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?

Yシャツって昔は畳んで仕上げるのが当たり前でしたが、仕上がり後にこうしてハンガーに掛ければシワにならないしこのまま包装してお渡しできるので、立体仕上げが多くなりました。

畳み仕上げ希望の場合、ここからもう一手間かかるので、少し料金が高くなるわけですね。

Yシャツは大きさこそ違いはありますが、形は同じほぼ同じなのでこうした機械仕上げ化ができるようになりました。
1時間辺り一人作業で40枚~60枚程度仕上げることができるとのことです。

今回の機械ボディーはシングルタイプですが、これを2台設置、あるいはWボディーと言って人体型が2つになっているタイプなどがあり、一日に千枚以上の仕上げが可能になるのですが、毎日千枚以上のYシャツを集め続けることができるかどうかが問題。

この設備がないお店では、最終手仕上げをしていくわけですが、一枚仕上げるのに5~10分程度はかかるため、1時間あたり10枚前後程度しか仕上げられないので、大手のような金額ではできないんですね。

Yシャツは自分でも洗えるからクリーニングに出す必要はない!と言われる方もいらっしゃいますが、温水、漂白、殺菌消臭、糊付け工程だけでも、同じレベルの洗濯はなかなかできないでしょう。

仕上げに一番差がでる部分は袖口と衿です。
この部分は芯が入れられていて、背広を着ていても見える(出る)部分。

この部分だけは手アイロンでは綺麗に仕上がらないため、個人店でもプレス機による機械仕上げをしています。
今回は「CIS」の洗いと仕上げのご紹介でしたが、Yシャツはこうして洗われ、仕上げられています。

一つ注意していただきたいのは、一般的な丈夫に作られているYシャツは問題ないのですが、
高額なYシャツはデリケートな撚り(より・糸をねじり合わせて束ねる)や細い高級綿が使われているシャツです。

Yシャツと一言で言っても2,000円~3000円程度のものから高級シャツになると10万円を超えるものもあります。

Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?

例えばこちらはアルマーニ、麻シャツです。
家庭で洗ったら縮んでこんな感じになってしまったというご相談でしたが、とても糸が細く真っ白な麻。

この時点で形はYシャツですが、数万円はするシャツなので・・・Yシャツと同じ扱いにはできません。
糸が細くデリケートな生地の場合、先にご紹介した人体型プレスなどで仕上げられると、
生地が引っ張られるため裂けたり縫い目から切れたりすることがあります。

機械は一定の力がかかるため、生地に合わせて加減したりするのは人の手で仕上げるしか無いんです。


Yシャツクリーニング、金額の違いと仕事の違いは?

こちらはちょっと衿の形が変わりますがエルメスシャツ。生地の織りもちょっと凝っています。

高級シャツはYシャツと同じ方法で洗わないほうが良い、ソフトな洗いをしたほうが良い、ということは間違いないのですが、ソフトにすればするほど汚れ落ちは悪くなるんです。

左画像の衿、Wカフス(折り曲げて使う)を見て頂くと着用時の黒い汚れが見えます。
ソフト洗いや別洗いでクリーニングに依頼する際、染み抜きされずにソフト洗いのみだと、汚れはそのまま残ります。

これは他の衣類でも同じく、ソフト洗いはエリや袖口などの汚れはシミ抜きなど手を掛けてもらわない限り落ちずに残ってしまうんです。

カフスに見える金具は取り外し不可、エルメスロゴ入りの貝ボタンかな。

当店の場合、1点手洗い、手仕上げご希望の場合は1500円~、
色のくすみ、変色など取る場合は復元洗い(ブランド品は+100%)をしていきます。

どちらも、ちょっとしたスーツが買えるくらいの購入金額になると思いますが、時折やることは同じでしょ、っと100円クリーニングに出される方もいらっしゃいますが同じではなく、作業時間的には何十倍も手間と時間がかかります。

安価な金額での洗いは、一般的なビジネスYシャツを想定して設定していますので、デリケート素材には適しません。
色柄物も同じく、色褪せや色落ちが出てしまう位、強い洗いをしています。

洗いの中で落ちにくい衿、袖口などの皮脂汚れも落とすような強い洗いをして行きます。

なので、こうした高級シャツを通常のYシャツ洗いをしてしまうと縮み変形が出てしまったり、生地がものすごく早く摩耗した、透けたって状態になってしまっても不思議ではないんです。

普通に買えば数千円、1万円するものを100均で同じようなものを買って比べたら品質が悪いって言うのと同じ。
金額と品質はある程度は比例していきますから・・・

通常Yシャツが100円でも、別扱いなど1点手作業が入ると金額が2倍、3倍になると思います。
また、女性物のYシャツタイプのブラウスも100円では受けてくれません。

女性物は小さくYシャツ用人体プレス機にかからないんですね。このプレス機にかからないものは手間が何倍もかかってしまうため、通常はブラウス扱いになり、金額もブラウス価格になるのが通常です。

Yシャツ100円って忙しい主婦に時間を買って頂き生活に余裕を、て社会貢献も踏まえたサービスですね。
安いだけではなく、家庭ではできない品質を実現するために高額な設備をしても利益が出るよう努力しています。

ただ、私見ですが、効率を上げる、利益も出していく事は事業者にとって当たり前の事ですが、金額が高ければ安心感が持てるといった感じで、仕事の内容ではなく心理的な営業方法で集めているお店もかなり出てきていると言う感じがします。

中にはクリーニングに依頼したままの状態で宅配で届くモノもあるのですが、
代金等をお聞きすると当店の見積もり金額より高かったりするものもあります(滝汗)

信頼できるお店はどんなお店?って見分けることが難しい時代となってきていますから、
実際に店頭へ持込み、困ったことなど相談してみると良いでしょう。

技術がなければ説明もできませんし曖昧な答えになり、技術のあるお店は実際に色々なことを手がけていますのでわかりやすく納得できる説明が帰ってくると思います^^






 
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