おつかれ山っ!/(^o^)\

山行報告&コラム

猿見石山&天狗石山 2018年4月29日

2018年07月15日 | 参考にならない山行報告

待望のゴールデンウィーク。最も車中泊に適した季節である。
本来は車で寝泊まりしながら東北辺りの百名山にでも出掛けたいところだったが、家庭菜園夏野菜の準備も忙しく、余り遠出が出来ない。
やむなく登り残している南アルプス南部の山でお茶を濁す事にした。

南アルプス南部は植林地が大半を占め、雰囲気が余り良いところではないが、山頂からの展望は全く無い。だが自然豊かな地域はヤマビルの巣窟となっており…って、全く向かう気になれない場所なのであった。
まぁ、強いて言えば新緑の良いこの時期に登ってしまうのが得策だろう。

分県登山ガイド「静岡県の山」では、大井川鉄道、奥泉駅からアプト式列車に乗り、奥大井湖上駅で下車したあと歩き始める事になっているが、時刻表を調べたところ一番早い列車に乗っても歩き始めが10:17と極めて遅い。
天狗石山〜猿見石山を経たコースタイムで6時間15分となっているので奥泉駅へ下山するのは16:32になる。
道迷いなど許されない時間だった。
(現にヤマレコのレポートで、この案内通りに行った人の記事では、下山の画像が真っ暗になっていた)
何故こんな無謀なスケジュールを勧めているのか静岡県の山!
それなら逆回りにして下山後にアプト式列車で帰って来れば、何時からでも出発出来るのではないか?
ガイドでは「猿見石山までの道は作業道が多く不明瞭。逆回りは初心者向きではない」と書かれているが、私も既に登山歴21年、老後が心配な51歳である。
まぁ、迷っても引き返せば良いだけの話しなのでガイドとは逆回りで登る事にした。

前日は道の駅音戯の郷にて車中泊を楽しんだ。
こんな山奥にも関わらず結構な車が泊まっており、車中泊ブームが到来している事を予感させる。
しかしこの道の駅、トイレの大がひとつしか無いため朝などは順番待ちが激しかった。
手洗い場もひとつしか無く、歯を磨くのにも譲り合う状態。
これから寸又峡方面で車中泊を予定されている方の参考になれば幸いである。

翌朝は6:00に起床。
車を降りると、山間は新鮮な澄んだ空気に包まれていた。
ウグイスもいい調子で鳴いている。
向かいに停めたハイエースのおじさんは、外にテーブルとイスを広げ、ドリップしたコーヒーを楽しんでいた。
私は山がメインなので相変わらず缶コーヒーで過ごす。

道の駅音戯の郷


この道の駅は、大井川鉄道千頭駅と隣接している。


千頭駅より井川駅に向かう、可愛いアプト式列車が並んでいた。

アプト式列車とは、レールの間にある歯車を使い急勾配を登る列車の事。
勾配の斜度はこの大井川鉄道が日本一なんだそうだ。

6:55に道の駅を車で出発。
奥泉駅には10分余りで到着した。


バスのロータリーもある駅前の駐車場には、目を惹く縄文式公衆トイレ。


中にはお尻を拭く為の稲わらが置かれていた(ウソ、普通のトイレ)

ここに車をデポして7:20に出発。
まずは車で走って来た県道77号線で川根路橋を渡り、左の集落へと入って行く。
舗装された林道をずんずん登り、スイッチバックのような林道を更に登る。


傾斜が増した茶畑の間を行くと、九十九折の道の向こうに三宝神社の鳥居が見えた。

ひとまず「山へ入らせて頂きます…」と手を合わせて行く。

更に林道を登った所で、ようやく左手に猿見石山の案内が出て来る。

奥泉駅から30分。
車道歩きが意外に長かった。

案内板から山へと入るが、足元にはシダが生い茂り踏み跡が不明瞭。
しかし、目の前にはヤマレコで確認した大きな目印があった。


更にヤマレコで確認済みの矢印で左へと登って行く。


これを登ると明瞭な道がついており

赤ペンキを見落とさなければ迷う事はない。


とにかく植林の林をひたすら登って行く。


途中、私以上にひねくれた木。


赤ペンキは近い間隔でついているので本当に有難い。




作業道の方にはバツがしてありとても丁寧だ。


植林地がようやく終わり、雑木林で雰囲気が良くなる頃、尾根が近づいて来た。

新緑が気持ちいい!

おっ、ミツバツツジだ。

実はこの花が好きな私。

ここまで地図上にあったNHKのアンテナの箇所で休憩にしようと思っていたが、行けども行けどもアンテナは見つからず、結局1時間半以上歩いて尾根へ辿り着いてしまった。
地図では尾根を右へ進むようになっていたが、何故か左へ直角に曲がり、良く踏まれた道を進む。

傾斜が緩んだのでとても快適だ。

ミツバツツジも沢山出て来た。


もしかしたらNHKのアンテナはまだ先にあるのか?もしかしたらまだ本当の尾根には乗っていないのか?
そんな事を考えながら歩いていたら…

(あれ!?)

猿見石山到着!

「静岡県の山」のガイドでは降りのコースタイムしか載っていないので定かでないが、登山歴21年、老後が心配な51歳の私の経験では、登りは降りのほぼ倍近くかかる。
とすればおおよそ2時間と時間は合っている。

それにしても、休憩無しで歩いてしまったため非常に疲れた。
誰もいないので三角点に腰掛け一服した。




これより天狗石山まで等高線の込み入っていない尾根歩き。
益々数を増した、ミツバツツジのプロムナード。




新緑もいい!


しかし、道は全てが痩せ尾根で、うっかりつまづいたら恐ろしい事になりそうである。








危険箇所には橋が架けられている。


橋がなければ進めないような箇所も。


うっかりカメラでも落としたら、二度と回収出来ないだろう。


この辺り、同じ時期に登った人のヤマレコを見ていたら、白いイワカガミが写っていたので楽しみにしていたのだが、結局見つけられず。残念…

ガイドブックでは鉄製の橋が2箇所となっていたが、更にもうひとつ。


ようやく痩せ尾根が終わり、地図上にあった鉄塔が出て来た。


振り向けば長島ダムを一望。


遠く左奥には大無間山。


反対側には川根方面の展望も開けている。


この紫とピンクの中間にあるミツバツツジの色合いが本当に綺麗。
登りの疲れを癒してくれた。


鉄塔から進むと白倉峠の小さな看板。

ガイドブックには無かった峠だ。

再び急な登りにうんざりしながら歩いていた時、上から単独のおじさんが降りて来た。
お「いやぁ〜、今日初めて人に会いましたよ」
私も今日初めて出会った人だ。
南アルプス南部は本当に人が少ない。加えてゴールデンウィーク中の為、みんなもっと八ヶ岳とか良い山に行っているのだろう。
お「山頂までまだまだありますよ笑」
長い登りに疲れ切っていたが、このおじさんと話してから少し元気が出た。

見上げれば新緑が癒してくれる。




ふかふかのスギゴケも良い感じ。




アセビの木も沢山あったが、まだ花は咲いていなかった。


右手に反射板登場。


緩やかな広い尾根に乗ったところでコバイケイソウの群落。


と、ここで標識案内が

(天狗石山まで1分。1分!?、もう山頂やんけ!)
コースタイムで降りの倍近く掛かると踏んでいたのだが、尾根歩きだったため降りのコースタイムより25分も早い。
痩せ尾根で時間が掛かるとの配分だったのだろうか?
まぁいい。
と、言うわけで天狗石山到着!


誰もいない広い山頂を独占し、ベンチに腰掛けておにぎりを頬張った。


山頂は雑木林で新緑祭り





薄暗い植林地を抜けて来ただけに、この新緑は眩しかった。

昼食を終え、奥大井湖上駅に向けて下山を開始。
山頂付近はコバイケイソウの大群落。


奥大井湖上駅から天狗石山にかけては、ハイキングコースとなっているため良く整備されている。




七ツ峰への縦走路を外れ、左へ下降。


降り出すとすぐにヒノキの植林地へと突入。

この辺りの山は尾根以外全て植林に覆われていて、それまでのアプローチに楽しみは無さそうだ。

途中、ヤマレコで確認していたお地蔵様。

覗き込んで見ると「山岳安全」の文字があったので手を合わせていく。

尚も続く植林地。


しかし、切り株に生えた苔が良い感じ。

アートのようだ。

途中、赤ペンキで「ダム展望」と書かれた場所があったので立ち寄って行く。


木が刈り払われ、湖上を見下ろせる格好の場所があった。


ここまで列車の時刻を気にして足早に降って来たが、何とか間に合いそうな時刻になったのでマッタリとして過ごす。
実は奥泉駅へ戻る列車の時刻が、13:15を逃すと次が15:31と、2時間16分も待たなければならないのだった。

降りを再開し、ようやく林道に到着。


林道を横切り、再び降って行く。




道端にはマイズルソウが可愛い花を咲かせていた。


降り切った湖畔に無人のレイクコテージ奥大井。

長島ダム工事の際、建設省が造ったものらしい。
ガイドブックでは「ここに食料と寝袋を持参し一泊すればさらに楽しいものになるだろう」と書かれていたが、入り口やテラスに窓は無く、山小屋とは違うオープンな作りだった。
さらに楽しくなるかは疑問である。

コテージ真下に奥大井湖上駅。


出た!

ここはエンジェルパワースポットとの事。
湖上駅を文字って恋錠駅。
知る人ぞ知る恋愛の聖地だそうだ。

素敵な出会いを果たした二人、ハッピー×ベルを鳴らして鍵を掛ければ、その絆はいつまでも共に未来を歩んでいける。
さぁ、恋鍵を掛けよう!
鍵は奥泉駅、千頭駅で好評発売中!
…だそうだ。


奥大井湖上駅には駅舎が無いので、自己申告により降りた駅で精算するのかと思っていたのだが、車掌さんが常駐して切符を販売していた。

(インパクトある車掌さんからどうしても目が離せない私)

時間があるので上り方面への鉄橋を少し歩き、猿見石山から天狗石山への稜線を眺める。


おっ、列車が入って来た!

なんか、小さくて可愛い。

車内も狭く、何だか遊園地の乗り物みたいだ。


出発!

ゴールデンウィークの人出を見越し、いつもより多い11両編成だそうだ。

ひらんだ駅に停車した後、長島ダム駅に向かう途中アナウンスが流れた。
「次の長島ダム駅ではアプト式列車連結の為、7分ほど停車致します。連結作業をご覧になりたい方は一番先頭までお越しください」
特に鉄道ファンではないけれど、せっかくなので観に行く事にした。
と言うか、7分も座っているのが勿体無いので。

特に感動はなく連結無事完了。
ふたたび長島ダム駅を出発した。

出発して間も無く左手に長島ダム。

でかい!

振り返って日本一勾配のきつい箇所。


結構凄い所を走って行く。


37分の乗車で奥泉駅に到着。

いつか乗ってみたいと思っていたアプト式列車。
思いもかけず山行ついでに乗る事が出来、充実の1日だった。
計画ではもう一泊して明日、寸又峡から前黒法師岳に登る予定でいたが、一番近いコンビニまでかなり戻らなければならず、テンションが下がってしまったため帰る事に。
そして天狗つながりで居酒屋天狗に向かい、祝杯を上げたのだった。

ってか、居酒屋で呑みたかっただけなんじゃないのか?との意見もあるが、おっしゃる通りである。

(参考コースタイム)
  7:20 奥泉駅
  7:45 山宝神社
  7:50 猿見石山登山口
  8:55 尾根に乗る
  9:15 猿見石山(休10)
  9:55 鉄塔(休10)
10:10 白倉峠
11:05 天狗石山(休20)
11:45 地蔵
12:15 ダム展望地(休10)
12:40 林道
13:00 湖上駅

(同行者)無し
(立ち寄り湯)白沢温泉、もりの泉¥1000★★★☆☆


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