テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

ピカソ-天才の秘密

2018-06-05 | ドキュメンタリー
(1956/アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督・製作、クロード・ルノワール撮影、アンリ・コルピ編集、ジョルジュ・オーリック音楽/出演:パブロ・ピカソ/78分)


(↓Twitter on 十瑠 から(一部修正あり))

クルーゾーの「ピカソ 天才の秘密」を観る。何年か越しに図書館で借りてきたDVDだ。78分。殆どがピカソの絵の作成過程を固定カメラで写したもので、期待した客観的な編集というのは少ししかなかった。絵に興味のある人には頗る面白いだろうが、素人にお薦めするには疑問が残る。
 [ 5月 31日 ]

絵の内容によってBGMがジャズからクラシック、フラメンコ・ギターと変えているのが作者の意図が一番表れている所かも知れない。ピカソが絵を描きながら試行錯誤しているのがよく分かる。但し、何を悩んでいるのかは素人には分からない。いや、本人しかわからないのかも。
 [ 5月 31日 ]

「ピカソ天才の秘密」。クルーゾーの演出でアンリ・コルピの編集ということで凝った作風を想像してたのに実際はとてもシンプル。その分、描画の過程における作者の葛藤、テクニックなどが露わになっている感じがする。感じがするというのは、やはり素人ではそこまで感じ取れないからだ。絵心が試されるな。
 [ 6月 3日 ]

*

 借りた頃に雑用が発生して、結局観たのは1回切り。頭の中で反芻してみてもなかなか2度目を観る気にならなくて、そのまま日曜日に近くの市民図書館に返却してしまいました。
 芸術作品の作成過程だけでなく、ピカソの私生活や作家活動に関するアレコレがもっと描かれてると勝手に思っていたのが間違いでした。
 絵の作成過程を裏側からカメラで撮っていて、ピカソやクルーゾー、ルノワールが出てくる場面はごく僅か。2度ほど出てくるそれらは撮影の打ち合わせ的なシーンで、フィルムの残り時間と描画の時間の擦り合わせでした。双葉さんは映画評でスリリングだと書かれてて、確かにそうだけど、僕が期待したのは別の視点だったなぁ。

 何枚も描かれる作品たちは、この映画のための新作らしいです。
 後半に出てくる海辺のリゾートの様子を独特の構図で描いた作品は、何度も上塗りされて、その度に別の絵かと思ってしまうほどの変遷を遂げる。絵の専門家にはそれこそスリリングな時間でありましょう。
 この上塗りの過程は当然キャンバスの裏からの撮影ではなく、表面の創作過程をコマ撮りしておりましたね。上塗りの作品は他にも何枚かありました。

 1956年のカンヌ国際映画祭で、審査員特別賞を獲ったそうです。





・お薦め度【★★★=絵画ファンには、一見の価値あり】 テアトル十瑠

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