ゴッドハンドorこっくりさん「活動の成立に目を向けすぎると(1)」

いつもお世話になっているHamuさんのブログより

活動の成立に目を向けすぎると(1)
06こっくりさんAAC1(VOCA)

肢体不自由特別支援学校にいると,なかなか子どもの活動が成立できず先生方は苦労します。
すると,

活動が成立すること

に目が向いてしまいがち。
そうなるとどうか?
授業の成立を結果に求めてしまいます。

特に多いのが創作活動など,物作りの場面。
例えば,ミキサーにスイッチを付けるようにして子どもたちに活動参加できるようにしたのはいいのだけど,スイッチを子どもがなかなか押さないと先生方はイライラして子どもの手を取ってスイッチを押そうとしてしまいます。
活動の見通しがもてない,またはこれがどんな結果になるかならないか分からないような,初期段階なら教員が代わりに押したり,プロンプトとして手を添えてあげることもありかもしれません。
しかし,常時そうであってはならない。
私は,そういったときに自戒を込めて

ゴッドハンド
こっくりさん

と言っています。
まるで,神の手が子どもの手を動かしているように,またはこっくりさんが動かしているようにスイッチを押す。
そんなことになっては,子どもの評価をすることはできません。
教員が
「かっちゃん,クッキー作って凄いね」
なんていって,子どもを褒めているようで実は自分がやったことを自分で褒めていることになる。
まるでマッチポンプです。
こういったときに,そうならないための方法としては,

・いかに教員が待ってあげられるか。

・また,失敗を許容できるか

です。
そして,提示として多くの子どもたちとの共通の学習場面で他の子どもが楽しんでいる様子を見せてあげられるか。

「こんなに楽しいのなら自分もやりたい」

そんな思いを子どもの中から引き出してあげなければいつまでたっても受け身の活動になると思います。
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上記の話は「ごきげんなペンキ塗り」で検索してみて下さい。

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コメント

  1. marimo より:

    重度重複障害児の保護者です。
    我が子が通う特別支援学校に、BDアダプターを付けたおもちゃとスイッチ(フロッピーディスクケースを加工したもの)を貸し出しました。
    担任から活動でそれを使用したと聞き、クラスで最も重度のお子さんも楽しめただろうか、スイッチを押せたのかと気になって尋ねたところ
    「私が手を添えて一緒にスイッチを押したから大丈夫ですよ!」
    という返事。それはちっとも大丈夫ではない…
    こちらも慌てて、棒スイッチ等の準備も出来るから必要なものは遠慮なく言って欲しいと伝えましたが、そもそも先生のほうには「子どもの状態によってスイッチを選択する」という発想がない様子で。
    スイッチで遊べるおもちゃを学校に貸し出した結果、より重度な子どもが不幸になっただけじゃないのかと自己嫌悪に陥っている今日この頃です。

  2. kinta より:

    marimoさん
    コメントありがとうございます。
    そういったこともよくあるので,この記事を書きました。
    プリントアウトして先生にご紹介ください。
    ただ,自己嫌悪にならないでくださいね。
    「これで1歩進んだ」
    「何もなかったことから出来る可能性が広がった」
    ととらえるといいですよ。