私が伊那中学校1年生のときに「1964年東京五輪(オリンピック)」が行われました。
国全体が敗戦のコンプレックスをいくらか引きずっていましたので、日本選手の活躍に胸が熱くなりました。
そのなかで、私が目を奪われた外国選手がチェコスロバキアの体操女子、ベラ・チャスラフスカでした。
平均台と跳馬、個人総合で金メダル、団体で銀メダルを獲りました。
それはそれは優美な演技でした。
「オリンピックの名花」「体操の名花」と称えられ、日本でも一躍人気選手になりました。

国情から出場が危ぶまれた「1968年メキシコオリンピック」では、美しさに強さを増した演技を見せました。
跳馬と段違い平行棒、ゆか、個人総合で金メダル、平均台と団体で銀メダルを獲りました。
体操女子の6種目すべてでした。

体操界はチャスラフスカの引退以降、細くて軽い若い選手によるアクロバットのような演技が主流になりました。
とりわけ脚光を浴びたのがルーマニアのナディア・コマネチでした。
ちなみに、彼女はビートたけし(北野武)の一発芸になっています。

「1976年モントリオール五輪」で、段違い平行棒と平均台、個人総合で金メダル、団体で銀メダル、ゆかで銅メダルを獲りました。
段違い平行棒と平均台の演技では、近代オリンピック史上で男女を通じて初の10点満点を出しています。
(当時は14歳以上で出場できたのです。)

コマネチは「白い妖精」と称えられましたが、チャスラフスカのやわらかくて美しい演技に魅せられた私はかなりの抵抗を覚えました。
はっきりいって、不満を抱きました。
「1980年モスクワ五輪」で、平均台とゆかで金メダル、個人総合と団体で銀メダルを獲っています。

さて、フィギュアスケートのシングルは男女を問わず、高難度のジャンプ競争になっています。
とくに女子については細くて軽い、くるくる回れる選手が断然有利になりました。
現在の状況を見て、私はかつての体操界を思い出しました。
優美さはもちろん、優雅さは失われつつあります。

⇒2017年1月7日「フィギュア選手の寿命を縮める採点基準・採点方法」はこちら。

浅田真央は今シーズンに関しては練習不足により、滑りも動きも切れもよくありませんでした。
しかし、「2014年ソチ五輪」後に基本となるスケーティングが磨かれ、ステップやスピン、さらに表現もよくなりました。
彼女はいまだに進化を遂げているのです。
私は現役復帰(休養明け)後の円熟味を増した演技が好きです。

いまや伝説となったソチ五輪のフリースケーティング(FS)。
浅田真央は「8トリプル」に挑みました。
(3回転以上のジャンプを8本跳ぶということ。)
トリプルアクセル、フリップ、ループ、ルッツ、トゥループ、サルコウと6種類の3回転ジャンプを着氷させました。
(アンダーローテーションとエッジエラーはありました。)
女子では浅田真央が初めて成し遂げた快挙でした。

浅田真央はもともとジャンプに強い選手です。
今シーズンは休養をはさみつつ、けがを治してほしい。
完全に治らないとしても、負担を減らす対策は講じるはずです。

浅田真央は技術も経験も抜群ですから、世間でささやかれる「限界」や「引退」を吹き飛ばすことでしょう。
かならずや復活を遂げると私は信じています。
アスリート人生で最大の勝負となる「2017年全日本フィギュアスケート選手権」を通過し、「2018年平昌五輪」に出場します。

戦っている本人は必死ですが、私は優美に舞う姿を楽しみにしています。

◆書き加え(1月8日)

このブログのタイトルは、「浅田真央はコマネチでなくチャスラフスカになれ」。
二人を引き合いに出しても、若い世代には分からないかもしれないと思いました。
古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ古いものに浸りたがるのでございます。

ただし、私は昨年に65歳を迎えてめでたく「高齢者」になりましたが、今年はおかげさまで「准高齢者」になれそうです。
もう高齢者なんて呼ばせません。
元気を出し、浅田真央に負けないように頑張ることにしました。

◇◆◇

浅田真央に関するブログは以下のとおり。

⇒2017年1月9日「浅田真央が初詣で引いたおみくじ」はこちら。

⇒2017年1月8日「浅田真央は平昌五輪で勝とうとしている」はこちら。

⇒2017年1月6日「表現者・浅田真央としての新境地」はこちら。

⇒2017年1月3日「平昌代表へ、浅田真央の2017年が幕を開ける」はこちら。

⇒2016年12月27日「浅田真央惨敗・・・挑戦と無謀は違う」はこちら。

⇒2016年12月25日「浅田真央が勝てない理由・・・全日本フィギュア」はこちら。

⇒2016年12月23日「浅田真央が全日本フィギュア視聴率を救う」はこちら。

⇒2016年12月22日「浅田真央と宇野昌磨、二人の全日本フィギュア」はこちら。

⇒2016年12月22日「3回転を跳べない浅田真央は勝てるのか」はこちら。

⇒2016年12月20日「浅田真央は世界選手権代表へ・・・全日本選手権」はこちら。

⇒2016年12月18日「浅田真央を弾き飛ばす若手の勢い」はこちら。

⇒2016年12月15日「愛する浅田真央へ」はこちら。

⇒2016年11月18日「浅田真央ファンは指の隙間から全日本選手権を見る」はこちら。

⇒2016年11月15日「浅田真央に「頑張れ」は禁句・・・選手生命の危機」はこちら。

⇒2016年11月14日「浅田真央、全日本選手権での早まった決断」はこちら。

⇒2016年11月13日「浅田真央は世界選手権への代表切符を逃すのか」はこちら。

⇒2016年11月12日「浅田真央、いまは我慢するしかない」はこちら。

⇒2016年10月30日「浅田真央と佐藤信夫コーチの食い違い」はこちら。

⇒2016年10月28日「浅田真央は楽しむ気配が伝わってこない」はこちら。

⇒2016年10月26日「浅田真央はスタミナ切れ」はこちら。

⇒2016年10月23日「浅田真央はメンタルが弱いのか」はこちら。

⇒2016年10月22日「浅田真央と高梨沙羅の限界…五輪メンタル」はこちら。

⇒2016年10月21日「浅田真央は緊張に負け、重圧につぶれる…東大受験」はこちら。

⇒2016年10月13日「浅田真央は基本が分かっていない」はこちら。

⇒2016年10月12日「浅田真央、引退か現役かで心が揺れる」はこちら。

⇒2016年10月11日「浅田真央はGPシリーズで落ち込む」はこちら。

⇒2016年10月10日「浅田真央は井の中の蛙・・・世代交代」はこちら。

⇒2016年10月9日「浅田真央、振り付けのアイデア」はこちら。

⇒2016年10月8日『浅田真央「リチュアルダンス」世界観の演じ分け』はこちら。

⇒2016年9月22日「浅田真央、ジャパンオープン回避と視聴率」はこちら。

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