と、たんまりフランクフルト街歩きをしているうちに、いつしか夕刻となってきて…。
日の入りが遅いので、とてもそんなふうには見えないですけれど。


マイン河畔から三王教会を望む


フランクフルト大聖堂 に続いては、マイン川の対岸にある教会へ。
写真に見えているのがその「Dreikönigskirche(三王教会)」ですが、
ここへは教会を見に行くのではなくして、「聴きに」行ったのでありますよ。

これまた「Museumsuferfest 」の一環たる「Olgelmeile」というイベントなのでして。


「Olgel」はオルガン、「meile」は距離のマイルのこと。
日本人に馴染む言い方をするならば、オルガン・マラソン?
否、オルガン・スタンプラリーてなところですかね。


Olgelmeileの地図

1時間ごとに始まるオルガン・コンサートを、会場たる教会6ヵ所を渡り歩きながら
聴いていき、最後には大聖堂にたどりつくというもの(スタンプは押さないですが)。


三王教会のステンドグラス


で、その連続コンサートの最初の会場が三王教会であったわけでして、
これまた例のバッヂを付けてないと入れないものの、いやあ大層な混み具合。
Klang im Kloster 」よりずっと収容力のある教会堂内がいっぱいになってました。
やはりオルガンは人気なのですなあ。


三王教会のパイプオルガン


ここではマックス・レーガーのソナタが演奏されましたですが、
余韻も何も終わった途端に次の教会へと移動を開始する人びと。
日本と同じくこの系統の音楽愛好者は高齢者が多いのですけれど、
皆もう我先へと出口へ殺到するのですなあ。


何しろ三王教会の混み具合から考えても、

また次の会場たる「Deutschordenskirche(ドイツ騎士団教会)」で
すでに待ち受ける人がいることから考えても、

聴衆は増えることはあっても減ることは無さそうとは誰しも思いつくことでしょうから。


ドイツ騎士団教会の会堂内


案の定、三王教会に上回る混みようで立ち見者続出状態に。
こうした状況で、わずかな隙間に「そこ、座れるわね!」とぐいぐい迫ってくる年配女性の存在とは
洋の東西を問わずなのですなあ。苦笑が漏れた瞬間といいますか。


ドイツ騎士団教会のパイプオルガン


一人分ですので何とか座席を確保して、
先のレーガーとは打って変わった16~17世紀イタリアのオルガン音楽に浸ったわけですけれど、
このときの演奏が思いの外、長くやってくれたのでありますよ。


そうなると、先ほどの終わった途端にの現象は一層酷い状況を呈してくる。

個性の違うオルガンを聴いてまわるというイベント自体は楽しいものの、
本気でマラソンやるつもりかとせかせか移動していく様子にはどうもついて行けず、
というより付いて行く気にならず、チェックポイント2ヵ所目で早々にリタイヤを決め込んだのでした。


ちょうど晩飯どきにもなってくることですして、
ドイツ騎士団教会のあるマイン対岸(旧市街から見て)はザクセンハウゼンと呼ばれるエリアで、
フランクフルト名物(らしい)アップルワインを飲ませる店が多いと聞き及んでいたものですから。
ゲーテ時代の地図?でいうと、このあたりですね。


ゲーテ時代の地図?に見るザクセンハウゼン


その名の通りにザクセン人(サクソン人)の入植地みたいな歴史的背景があるようですが、
先に読んだ「女教皇ヨハンナ 」では、その時代背景となる9世紀頃、

ザクセン人はキリスト教化が遅れた蛮族と見られていたことが書かれてありました。


そうした場所で傾けるアップルワインとは、葡萄で作る正真正銘のワインに比べて
一段も二段も格下の飲み物とされていたのかも…てな想像をしてしまったり。


ザクセンハウゼンの街角


今では古い佇まいを見せる飲食店が立ち並んでいます。
時間が早い(旅先でも習慣を変えずに、夜更かしすることがないもので…)ため、
賑わいはありませんけれど。


とまれ、有名店と思しき店でそのアップルワインを飲んでみたわけですが、
先日「名物にうまいものあり 」と言った矢先ながら、「うむぅ…」という代物であったような。


フランクフルト名物アップルワイン


周りの人たちは大きなフラスコからがぶがぶ飲んでるふうでしたけれど、
甘さ、酸っぱさ、味わいのどれも中途半端な感じでしたですなあ。

てなことをしているうちに、ゆるゆる暮れ行くフランクフルトの宵の口でありました。


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