さて、銚子・犬吠埼へと向かうにはちと手前に過ぎるかと思われる佐倉の
国立歴史民俗博物館 に立ち寄った後、本来の目的地を目指して移動を開始したわけです。


が、これがなかなかに大変な道のりであったのですなあ。
ちなみに東関東自動車道経由で銚子へ向かうとすると、このようなルートになります。

佐倉から銚子への東関道経由ルート


見るからに遠回りしてる気がするところかと。
しかも、高速道路は山型を描くルートを上り詰めた地点までで、その先は一般道ですし。
そこで、今回は下のような一般道のみを辿るルートにしたのですね。

佐倉から銚子への一般道経由ルート


速度は上げられませんが、ほぼ一直線に銚子へ向かっていますので、
予想される所要時間も高速利用と大きな差はない…はずでしたが、
途中休憩をしたせいもありますけれど2時間半超掛かってしまいました。
千葉県の懐深さ恐るべし、銚子は遠いのであるなあと思ったわけでして。


佐倉から銚子への鉄道ルート


仮に鉄道利用で銚子へ行こうとすると、こんなルートを通ることになりまして、
下側に迂回しているのが総武本線経由、上を大回りするの成田線経由ですが、
いずれ劣らぬ遠回り感ではないでしょうか。


かつては今にも増して賑わった漁港であると同時に海上物流の要衝であったと思われる銚子に
鉄道を延伸するよう目論むのは自然なことにですけれど、物流のことを考えれば
上から二つ目の図に見るような直線ルートを引いたらよさそうなのにそうはしなかったのですなあ。


これは銚子を通る物流がいかに利根川 に頼っていたかを示しているように思えるところです。
つまり、利根川沿いに舟運 の中継地としての河岸が点在しているものの、
内陸部の村々を結ぶ動脈のような道があまり発達しなかったのではないかと想像するわけです。


従って、途中に何もないところに鉄道を通すよりもわりと大きな町を結んでルーティングすると、
上の図のように佐倉から成東へ下りてきて海に近い町々をつないで銚子へ向かうとなったのかも。


ただ、佐倉から反対側(千葉駅寄り)もまた南に下がるルートで、
総武本線のでこぼこ感を一層強めておりますが、こちらも佐倉に寄らずに
ストレートに西へ向かったほうが銚子には近かったはず。


ところがそうならなかったのは佐倉が陸軍の駐屯地になっており、
ただでさえ利根川水運と鉄道との競合を懸念する向きが多かったときに
鉄道敷設を目論む側としては陸軍を味方につけておきたかったからでもあるようです。


成田空港が開業し立ての頃、都心からのアクセスの悪さが嘆かれておりましたけれど、
いつのまにか成田スカイアクセス線なる新線が敷かれると、
日暮里・成田空港間が最短36分と一気に時間短縮が進んだですね。


そうした恩恵にも預かれず、鉄道は遠回り、
高速道路は潮来、鹿島から茨城空港方面へと向かう予定で近づいてくることのない銚子。
交通の利便性が高まっていく中で、いささか置いてけぼりになっているような気もします。


とまあ、そんな銚子に向けて車は一般道をひた走って行ったわけですが、
ドライバーにも途中休憩は必要でしょう、ほぼ中間地点と思しき「道の駅多古あじさい館」で小休止。

晩飯には宿で宴会料理が待っていますから、ここはひとつ、アイスクリームでも。
多古オリジナルという紅ほっぺアイス、いちご味でありますよ。



多古オリジナル 紅ほっぺアイス


かような寄り道の故でもありますが、犬吠埼の宿に到着したときにはとっぷりと日も暮れており、
大海原は暗く沈み、外海だけに打ち寄せる波の音ばかりが響いてくるのみ。

部屋から見える犬吠埼灯台が放つ光芒だけが際立っていたのでありました。


犬吠埼灯台の明かり

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