狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

文科省リークと防衛省リークの違い!「自衛隊の暴走」が問題だ

2017-07-24 07:15:09 | マスコミ批判

 

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今朝(24日)のテレビ各局のワイドショーは、「稲田大臣に特別監査」(テレ朝)、「加計&稲田疑惑」(フジtv)など、依然として加計学園問題で、国民を騙す魂胆だ。

加計学園については一ヶ月前に次のように書いた。(獣医学部新設に反対したのは文科省と獣医師会だ、諮問会議が暴露2017-06-28 )

<加計学園問題の獣医学部新設をめぐるテレビワイドショーの三文芝居はそろそろ止めにしてほしい。

文科省が小出しにする好い加減なメモを、新たな書類発見などと騒ぎ立てているが、メモに書かれた萩生田補佐官が「身に覚えが無い」と断言している以上、これ以上説明責任を求めるほうがおかしい。 ましてや得たいの知れない文科省のメモを安倍首相に説明責任を求めるのはお門違いだ。

説明責任を求めるならメモを提出した文科省職員に求めるのが筋だろう。

この問題は既得利権側の獣医師会と文科省が獣医学部の新設に反対していたのが、国家特別区諮問会議の論議で論破された文科省側が、面従腹背した「文科省の反乱劇」だ。>

<事務方である文科省が政治主導の内閣府に反旗を翻すのは内閣に反旗を翻した軍部官僚が暴走した満州事変や2・26事件の轍を踏むことになる>

官僚が「面従腹背」などと政治家に反旗を翻すのは一種のクーデターということができるが、それも文科省の反乱ならまだしも、防衛省のような制服組がいる省で「面従腹背」のクーデターが起きたら、「満州事変の二の舞」などと皮肉って看過するわけには行かない。

産経新聞が、文科省の「面従腹背」と防衛省のクーデターの深刻度の違いを鋭く指摘している。


日報問題で文民統制に深刻な懸念 相次ぐリークに「これではクーデターだ」(7/21産経)
 南スーダンPKOの日報問題をめぐる混乱は、稲田朋美防衛相の統率力不足が招いた問題だが、防衛省の内部から稲田氏にとって不利な情報が発信されている形跡があり、文民統制(シビリアンコントロール)上の深刻な問題も引き起こしている。
 文民統制は、国民から選挙で選ばれた政治家が軍を指揮統制することを指す。戦前や戦中の「軍部の暴走」に対する反省が込められており、多くの自衛官は長年、厳格に原則を守り、政治的活動から距離を置くよう自らを律してきた。
 今回の問題で稲田氏は、一貫して「非公表や隠蔽を指示したり、了承したりしたことはない」と主張している。これに対し「非公表方針は稲田氏が了承していた」という正反対の情報が相次ぎ報道されている。
 防衛省内では「特別防衛監察の結果、一方的に悪者にされてしまうと反発した陸自サイドが情報をリークしている」(幹部)との見方が大勢を占める。真実がどちらであっても、結果的に政府の信頼が損なわれるのは間違いなく、「これではクーデターではないか」(政府関係者)との声すら漏れる。
 一方で、「日報」をめぐっては、問題が実態以上に誇張されてしまったきらいがある。
 陸自で見つかった日報の電子データは2月15日、個人保管の資料であるなどの理由で非公表方針が決まった。しかし、それに先立つ6日の時点で同じデータが「統合幕僚監部で発見された」と公表され、7日に一部黒塗りで公開済みだった。つまり、陸自で見つかったデータが公開されなかったからといって、国民が情報公開上の「実害」を被ったわけではない。
 防衛省に再調査を求め、統幕から日報データが発見される契機を作った自民党の河野太郎衆院議員は20日付のメールマガジンで「こうした(経緯の)説明もなく、あたかも日報を隠蔽する決定が行われたかのような報道は、間違っていないか」と疑義を呈した。
 日報問題の展開に、防衛省内では苦悩も広がる。ある陸自幹部は「組織内で傷つけあっても誰一人、得をしない。国民の信用を失い、周辺諸国を喜ばせるだけだ」と嘆く。非公表方針の決定に関わった省幹部の一人は21日、問題の経過について「全体のマネジメントが適切だったかといえばじくじたる思いはある」と沈んだ表情で語った。

                         ☆

陸自のリークで防衛大臣が更迭される件と、稲田氏が防衛大臣として資質にかける点は、文科省の件と似て非なる問題である。

確かに稲田氏は防衛大臣に相応しくないと考えるが、制服組の軍人による情報漏洩によって文民たる防衛大臣が辞職に追い込まれることがあっては、文民統制に大きな問題を残すことになる。

稲田問題の一連の経過を整理すると次のようになる。

●2016年12月2日 情報公開請求に対し防衛省が「日報は陸自で廃棄済み」として不開示を決定
●12月26日 統合幕僚監部に電子データで保管されていることが確認
●2017年1月17日 岡部俊哉陸上幕僚長陸自内でデータが保管されていると報告
●2月15日 黒江哲郎事務次官岡部陸幕長の協議で隠ぺいを決定。稲田氏が了承(稲田氏は否定)

問題は、いわゆる日報の隠ぺいは一貫して制服組の自衛隊(統幕、陸自の制服組)と背広組の防衛事務次官の独断専行によって行われてきたことだ。

仮に「報告を受けていない。了承していない」という稲田氏の主張が事実だとしても、「報告したが稲田氏は何も言わなかったので了承されたものと思った」という自衛隊幹部の言い分が事実でも、防衛大臣は単なる防衛省の操り人形であって防衛省の実質決定は制服組の自衛隊の幹部、と事務次官によって実施されたことに変わりは無い。

ちなみに自衛隊法(第2条第1項)によれば、事務次官はじめいわゆる背広組も「自衛隊」の一員である。

>防衛省の内部から稲田氏にとって不利な情報が発信されている形跡があり、文民統制(シビリアンコントロール)上の深刻な問題も引き起こしている。

稲田氏が防衛大臣として無能なら、安倍首相は防衛大臣を更迭すれば済むが、自衛隊の制服組の中に気に入らない大臣は情報リークにより更迭できるメカニズムを残したままでは、「自衛隊の暴走」に歯止めをかけるのは困難である。

 

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コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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Unknown (amai yookan)
2017-07-24 11:19:33

どこかで、これは、「自衛官によるテロ」って書いてあったが、

「文民統制に対する自衛隊の反逆行為」と受け止められてもしかたない

「安倍総理 対 自衛隊」の戦いであり、戦いに挑んだ方々も覚悟のハズだ

さもなくば一色さんによる「尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件」に似ても非なる事件となり

国民の支持は得られず・どす黒い疑念だけを残す嵌めになり・国民は、うろたえるばかりだ。

自衛隊さんは、ちゃんとケジメをつけないと、???X1000になってしまう


         
Unknown (宜野湾より)
2017-07-24 13:51:28
新田哲史@アゴラ編集長
@TetsuNitta
加計学園問題であらためて痛感したのは、この国では、霞ヶ関とマスコミ(特に朝日新聞等の左派とテレビ)を敵に回してしまうと、安倍さんのような歴代指折り強い政権でもあっという間に崩れ出す。霞ヶ関とマスコミは民意に裏付けられた正当性が制度的にあるとは言えないだけに、恐ろしい。。。


公務員の中には、自分は努力してその職に就いたが選挙で選ばれたわけでもなく、大失敗しても国民にバレて首を取られない身であることをよくわかっている優秀な人があるのは知っている。
まずそこで生き残らなければならない現実に悶々とする人がいることも知っている。
しかしながら、愚か者ほど無駄に活躍するのはどの世界でも同じで、その活躍の理由も愚かさに相応しく身の程知らずなものであることしばしば。
政権が自民党だろうが民進党だろうが、俺らの支配力を取られたり弱みを握られるなんて嫌!
しかも東大も出てないヤツに変えられるとか我慢できない!
倒閣になりふり構わず必死な姿だから、そういう気持ちが透けて見える。

そんな文官・武官のやることを持ち上げ、彼らへの支持にマスコミが熱狂するところが、70・80の爺婆やパヨクがよく言う「悪しき戦前」に似てはいないのかねぇ?
Unknown (東子)
2017-07-24 14:06:37
>自衛隊の制服組の中に気に入らない大臣は情報リークにより更迭できるメカニズム

「PKO日報問題 特別防衛監察、防衛相も対象 菅長官認識 2017年7月20日 11時37分(最終更新 7月20日 12時38分)」
https://mainichi.jp/articles/20170720/k00/00e/010/260000c


「稲田防衛相、監察聴取に隠蔽否定=原案も「稲田氏報告」記載せず-PKO日報 2017/07/21-19:56」
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017072101049&g=pol

>稲田氏が日報を非公表とする決定に関与した疑いが出てきたことで、報告書が稲田氏の責任に言及するかどうかが焦点となる。

稲田大臣を「聴取」すると聞いて、やっぱり「疑惑」ありのムード作りに励める喜んだ稲田大臣追い落としたい派の人達。
いやいや、(制服組の中の気に入らない大臣は情報リークで更迭できると考えている)防衛省関係者への切り込みだと考えてる。
「報告したが稲田氏は何も言わなかったので了承されたものと思った」を公式記録に残す算段だと考えている。


「“日報”稲田防衛相も聴取へ 処分見直しも 2017年7月21日 12:15」
http://www.news24.jp/articles/2017/07/21/04367537.html

>関係者の処分についても見直す方針。
>防衛省関係者は、「黒江事務次官と岡部陸上幕僚長の2人を懲戒処分にするしかない」と話している。

黒江事務次官と岡部陸上幕僚長の2人を懲戒処分する他方、稲田大臣に続投をさせるのでは、ないか?。


稲田大臣は、一部の制服組にとって邪魔なのだ。
だから、辞めさせたいのだ。
では、何がどうだから邪魔なのか。
そこよ、問題は。

稲田大臣が残りそうになってきたら、「任命した安倍総理が困るから」だと言って、安倍総理批判に繋げてくるマスコミ。
要は、石破氏を防衛大臣に据えるか、総理田大臣に据える。
稲田氏がどうこうというより、これが目的なんだろう。
だから、変えろ、変えろコール。

「情報リークにより更迭できるメカニズム」の破壊を思うなら、ここは資質云々より以前に「稲田氏を残せ」とすべしと考える。
Unknown (東子)
2017-07-24 14:08:31
「中国軍13機が宮古海峡通過 過去最多、領空侵犯なし 2017年3月3日」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201703/CK2017030302000129.html

>防衛省は二日、戦闘機や爆撃機などと推定される中国軍機計十三機が沖縄本島と宮古島の間の公海上空を往復飛行し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したと発表した。
>ほかに、宮古島の南東百二十~二百キロの海域で中国海軍のミサイル駆逐艦二隻、久米島の南南西九十キロの海域でフリゲート艦一隻の航行を確認した。
>十三機の内訳は、戦闘機と爆撃機と推定される機体がそれぞれ六機と早期警戒機が一機。


「中国軍艦が沖縄-宮古間通過=3隻、領海侵入なし・防衛省 2017/03/23-19:40」
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032301209&g=soc

>軍艦は中国海軍のジャンカイII級フリゲート艦2隻とフーチン級補給艦。
>23日午前9時半ごろ、護衛艦「あさぎり」が、宮古島の北東約110キロの海域を3隻が航行しているのを確認した。
>3隻は沖縄本島と宮古島の間を通過し、太平洋に抜けたという


「津軽海峡「通過権利ある」 中国国防省、日本に反論 2017.7.3 23:03」
http://www.sankei.com/world/news/170703/wor1707030053-n1.html

>中国軍艦の活動は「国際法に合致している」と指摘、日本の非難には「下心がある」と批判した。


「北朝鮮の潜水艦 日本海で約1週間活動 米軍が警戒強化 2017年7月23日 3時39分」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170723/k10011070011000.html

>北朝鮮の潜水艦が日本海でおよそ1週間にわたって活動を続けていることがアメリカ政府当局者への取材でわかり、アメリカ軍はこれまでにない特異な行動だとして警戒を強めています。


「中国、尖閣EEZで泥採取 無許可調査、大陸棚拡張の根拠に利用か 2017.7.23 08:04」
http://www.sankei.com/affairs/news/170723/afr1707230007-n1.html

>24時間態勢で無許可調査を行い、30分に1回程度の頻度で泥を採取している。
>海保の巡視船による中止要求に対し、「中国政府の許可を得て調査している」と反論したという。
>中国は東シナ海の海洋境界をめぐって日本のEEZ内まで権益を広げる思惑がある。


四方から領土を侵食されているのに、火の無いところに煙を立てて、大事なことを審議させないマスコミ、野党に腹立つのは勿論のことだが、細々ながらでも報道されている「侵食」に、危機感を、いや、危機感までもたなくとも「あれ? なんで?」と疑問にも持たない、「あんな人達」の口車に乗る国民にもっと腹が立つ。
支持政党無しが、一番多い。
支持政党無しは、「煽り」に弱い。
いつも、目新しいものを「良い」ものと考える。
マスコミは、民進党が増えるより、無党派が増える方が、嬉しいでしょう。
「煽り」易いから。

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