豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

捜索期間は短い

2017年09月03日 | 遭難と救助について考える
毎日新聞に出ていた記事ですが、ちょっと意外な数字でした。

山岳遭難の行方不明者捜索 家族の思い受け活動 県警打ち切り後にNPO /長野
毎日新聞  2017年9月3日


引用
しかし、県警の捜索は「救助」を目的にするため、短期間にならざるを得ない。昨年「行方不明者」となった6人の捜索日数は、平均で通報から2・6日。空からは県警ヘリ、地上からは救助隊員や山岳遭難防止対策協会(遭対協)のメンバーが1日平均約13人で捜索にあたったが、発見には至らなかった。
引用おわり


行方不明者の捜索に費やした日数の平均は2.6日ということのようです。うむむ。


これは何も長野県が捜索に力を入れてないとかではなく、捜索活動がやりにくい事情があるものと思われます。そのひとつは天候で、北アルプスだとヘリコプターが飛べないことも多いから、捜索フライトができないってのもあるでしょう。また低山であればともかく、北アルプスでは地上の捜索隊を送り込むのも大変です。遭難が予想される地点まで長時間かけて歩かないといけないわけですから。結果、このようなことになってしまうのでしょう。


この2.6日という数字を見ると、いざという時に発見されるための努力って必要だなと痛感しますわ。そして、それ以上に道迷いを起こして行方不明にならないことですか。





余談ですが、この記事に出てくるアクトのお二方とは一緒の班だったことがあるどころか、いろいろお世話になったものです。


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7 コメント

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色々気になりざっくり調べました。 (社長)
2017-09-06 04:19:55
原則3日(胎内市)
概ね2日間とする(津山圏域消防組合)
出動期間は歴日2日を限度とする(南十勝消防組合)
但し上記は、状況により協議のうえ・・・とか、特別な事情があると認められた場合必要な範囲内において・・・延長出来る。と為っていました。
都道府県知事の災害派遣要請で出動
撤収は知事の撤収要請で決まる(自衛隊)
道警は不明でした。
秋口や冬場は、警察・消防が捜索し2日目で未発見なら災害派遣要請が出ています。
Unknown (bongo-pete)
2017-09-07 09:11:09
社長さま

東北などで山菜採りが行方不明になると5日程度で捜索が終わっているケースをよくニュースで見かけたのですが、実際にはもっと短いんですね。
bongo-peteさま (社長)
2017-09-07 17:48:17
調べてみて自分も意外と短期間だなと思いました。
特別な・・・とか、必要に応じて・・・は、多分ですが登山計画書なり通報者の証言で、予備日なり食料又は登山経験や年齢とかで生存の可能性?を勘案しているのでしょうか・・・。
季節や天候に左右されるのは理解出来ますが・・・
以前、旭岳を超軽装で駆け登り紅葉を撮影後、道迷いで大捜索
 8日後に発見救出された某自衛官も居ましたが10月で凍傷に為っていました。
まあ、行方不明の自衛官は色々と有るので街だろうが山岳だろうが徹底捜索になってしまいます。
概ね3日って、72時間・から来ている気もしますが良く解りませんでした。
Unknown (bongo-pete)
2017-09-07 21:21:40
>概ね3日って、72時間から来ている気もしますが良く解りませんでした

あ、それもあるかもしれませんね。よく災害現場の救助活動で言われますね。
あとは北アルプスだと通報が遅く、下山予定日から1週間とか1ヶ月後にようやく家族が相談に来るなんてこともあります。それだとさすがに日数をさくことができにくいのかもしれません。
bongo-peteさま (社長)
2017-09-08 16:15:27
下山予定の1週間後から1ヶ月後って・・・
家族等が自力で捜索し、進展が無くて届けたのでしょうか?ケースにも因ると思いますがもっと早い段階で・・・って思っちゃいますね。
確かに、長期間捜索する訳にはいかないでしょうね。
個人的な意見ですが、まあ何らかの理由で1日は下山予定が遅れるとは思うのですが、2日目に為った時点、もしくは予備日を消化した時点で捜索願い?出して良いと思うんですよね。
登山する側は勿論ですが、家族等の登山計画を聞いている側も今一度、緊張感を持たれる事を願いたいです。
Unknown (通りすがりの名無しさん)
2017-10-24 03:28:13
結構前のエントリーですが横から失礼します。

突然ですがそもそもこの「捜索日数は平均で"通報"から2.6日」という数字は信憑性があるのでしょうか?
私には実態とかけ離れているように思えます。
というのも、例えば元山岳救助隊の金邦夫氏の本には「発見されなければいつまでも捜索できないのでだいたい1週間くらいで
情報待ちになる」という趣旨の記述がありますし、東京都青梅警察署山岳救助隊の平成28年の活動記録を見ると行方不明者の
捜索には概ね4日程度(※これは発見されるまでの日数であり発見されていなければもっと日数をかけていたと思われる)
かけています。
また遭難関連の報道を見ても概ね捜索打ち切りまでは1週間~10日くらいの捜索日数はかけているように見受けられます。
上の他の方々も同様の認識だからこそ色々調べたりしたのではないでしょうか?

これだけでは何なので記事にある平成28年の行方不明者6名のうちの1人、平成28年5月3日に北アルプス七倉登山口から
入山して行方不明となったT氏の例を挙げますと、
平成28年
5月06日 下山(予定)
5月07日 帰宅(予定)
5月0x日 家族から警察へ捜索願提出
5月09日 山口県下松警察署が捜索願受理(下松警察署生活安全課公表)
5月14日 少なくともこの時点で警察調べで長野県まで対象者の車が入っていることが確認されている(ご家族のツイッター)
5月15日 車発見、タクシーで七倉登山口まで移動したことが判明(ご家族のツイッター)
5月16日 朝からヘリで捜索(報道)
5月18日 長野県警が槍ヶ岳山荘から裏銀座方面へ捜索隊を投入(槍ヶ岳山荘スタッフブログ)
となっています。
この後は情報がないのですが捜索隊が5月18日の昼前に槍ヶ岳山荘を出発して七倉登山口まで行く日数を考えますと5月20日
くらいまでは捜索は続いたのではないかと思います。

上記T氏の例だけでみても、家族からの通報の正確な日時は不明ですが、少なくとも受理から11日は捜査には費やしており、
これだけでも6名の捜査延べ日数15.6日は数字としておかしいと言えるのではないでしょうか?

そもそも2.6日というのが何を根拠にしたものかわかりませんが、最初の1日はルート特定等に費やされることを
考えるとそれだけでもおかしな数字な気がします。
まあ、だから何だと言われてしまえばそれまでですが。
Unknown (bongo-pete)
2017-10-26 01:32:09
信憑性と言われたら長野県警を疑うしかないので、自分としてはコメントのしようがありません。
ただ北アルプスの標高2500m以上の稜線ではヘリコプターでの捜索が主流であり、人数かけて何日も探すようなことはあまりしていませんよ。森林限界以上であればそのほうが効率的です。
あと槍ヶ岳の行方不明を実例で挙げていますけど、それは極端なケースです。捜索願を受理してから6日もたってようやく遭難者の車を発見していますけど、その日数まで含めて「捜索期間」と言われても、それは山の上での捜索とは違うでしょと。

>最初の1日はルート特定等に費やされることを
考えるとそれだけでもおかしな数字な気がします。

ルート特定に1日も使いませんよ。登山届等の情報があればそれを元にどこを探すか数分で決められます。別に難しいことでもなんでもない。