豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

阿弥陀岳南稜で7人が滑落、3人死亡  の続報

2018年03月31日 | 山岳遭難
常識的に考えればあそこで7人がヨーロッパの氷河を歩くみたいに数珠つなぎのコンテなんかしないよね、とは思っていました。ただロープワークとかビレイって、無茶苦茶なことをやっているケースが散見されます。だからまったく無いとも言い切れないというわけで、この続報を待っていました。

滑落「7人一緒ではない」、複数のザイル裏付け
読売新聞  2018年03月31日 17時48分

引用
県警幹部によると、これまでの負傷者に対する聞き取りから、7人全員が数珠つなぎのようにザイルでつながっていたのではなく、数人ずつのグループに分かれていたことが、明らかになった。滑落現場に残っていた複数のザイルからも裏付けられたという。
引用おわり

7人もいたら2~3人パーティに分かれて行動するでしょうね。また複数のザイル、と書かれていますけど、通常なら9ミリをダブルで持っていくと思います。(もっともアルパインかじっていたのは十数年前なので最新事情はわからんです)

引用
同山岳連盟幹部によると、7人が所属する山岳会の代表者は「7人全員がザイルでつながっていたのは間違いで、2グループに分かれて登っていた」と連絡してきたという
引用おわり

ということは、3人と4人に分かれていたのでしょうか。自分の場合、2人か3人のパーティでしか経験が無いので、4人だとどういうロープワークになるのかわからんのですけど、この2グループが独立した関係であれば、通常は同時に滑落することはあり得ません。

引用
諏訪地区山岳遭難防止対策協会の高橋政男山岳救助隊長によると、登っていたという雪壁は、仮に先行グループが滑落した場合、後続のグループがよけきれない危険性が高い。そのため、同時に複数グループでは登らず、先行グループが登り切るまで雪壁の入り口で待機するのが一般的だと指摘している。
引用おわり

ここ登ったのは遙か昔なので記憶が定かではありませんが、ルンゼまで短いトラバースがあり、後続はそのトラバースの入り口で待機するようにしていたと思います。
事故当初の報道では先頭の3人がルンゼを抜けきったところで支点工作しているときに落ちたという報道があったように覚えています。この話はその後出なくなり、1本のロープにつながった7人がまとまって滑落ということにされていました。実際には先行グループがまとまって滑落したために、登り始めたばかりの後続グループが巻き込まれたのかもしれません。もっとも後続パーティは支点をとっているはずなので、巻き込まれても即滑落ということにはなりにくいと思うのですが…よくわかりませんな


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2 コメント

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詳細希望 (ニシン)
2018-04-04 10:47:15
同じルートを登ったことがあり、あの場所で7人が1本のロープ…はさすがにないだろうと思っていましたが…。
ときどきアルパインクライミングをする身としては、自身の学びとして、どういうシステムで登ろうとして、何が起こったのか詳細を知りたいと思っていますが、結局ごく近しい人へ事故報告書…みたいなものしか出ないのでしょうね。
Unknown (bongo-pete)
2018-04-06 01:58:21
ニシンさま

あの場所を実際に知っていたら、そう思うのが当然ですよね。一般的なレベルの山岳会だったら、あそこは普通にスタカットで登るだろうし、2~3人程度のパーティに分かれるだろうと思うのですよ。