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planned ESD

食道学会でplanned ESDの発表してきたんですわ

ESDの亜全周切除は大多数の施設でオッケー

でも全周切除は結構いろいろ大変で

ステロイドの局注、ステロイドの内服12〜18週間

あるいは試験的な治療として細胞シートの培養
(患者の口腔粘膜を採取、施設に空輸、培養、シートを空輸、貼り付け)
という長い工程を要する

などがあるけど、ほんとにそんなことする必要あるか?

全周ESDの半数は6ヶ月以上の拡張術を必要とする、、
などと聞くとやっぱり全周のESDはやってもいいけど
あとが大変かなあ

拡張術がおちついた段階で追加治療が必要です
といわれても、根治的な治療を患者さんが受ける
気になるかな、きっと必要ですといわれても拒否するのでは、、、

と思うわけで

そこでケン三郎の考案したplannned ESD

まず最深部とともに、一番浅いと思われる縦一列を選ぶ

ただし全周の距離が長いもの、smを疑うものは適応外。

その縦一列をのこし、亜全周ESD+ケナコルト局注+場合によって内服

病理結果をまつ。

sm2

あるいは MM sm1 かつ 脈管侵襲陽性 INFc 低分化SCCなどの
転移リスクのあるものはそこで一度お話しをする

あなたこのまま内視鏡続けても4割の確率で転移しますよ

がんは残ってますからなんらかの治療をうけなきゃいけません

内視鏡治療の継続は
お勧めではありません、

手術かケモラジかどっちにしますか?

と内視鏡治療を続けちゃいけないであろう群を選別し

深達度が浅いものは積極的に時間をおいてのこったEP部分をEMRやらAPCやら
あるいはESDでとっちゃう


この方針で周在性が4分の3周性以上の22例に治療。

うち2例は脈管陽性で手術へまわり

のこりの20例中5例は計画的にのこした部分をER
ぎりぎり切除したけど水平断端は+または不明の15例中3例はその後局所再発し、ER/APCで治療。

で結果的には拡張回数の中央値たったの1回。

ただし全周ESDに結果的になった2例は20回以上の拡張を有する難知性狭窄となり
ケナコルト、内服なしの6例中2例に難知性狭窄あり。

一部残してもあとですげえこまったかというと、
最初の深達度がLPMまでの病変なら水平断端陽性でも
あとからていねいにチェックすれば全然問題なし


いきなり全周ESDしてあとは狭窄するかしないかわからない
と不安な気持ちで過ごすより

一条残せばそこまで狭窄をきたすことはないし
最終的に食道がんを軽い負担で治すという観点からすれば

計画的ESD全然オッケー

もちろん、標準治療ではないですけど
こんな治療も一つの選択肢でいいんじゃないすか


という論文を今日から書き始めるんですわ

一括切除ありき、のESDは素晴らしい治療

その治療をうまくEMRAPC、狭窄への対応と総動員で計画的に
組み合わせるときっといい治療になる気がするんですわ


ふ〜今日でとりあえず前半戦の学会発表は
ひと段落。


さあやることたくさん山積み、がんばるぞ〜


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2016-07-05 22:27 | 内視鏡治療 | Comments(1)
Commented at 2016-07-05 23:44 x
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