カテゴリ:読書
「金沢藩士猪山家文書」という武家文書に、精巧な「家計簿」が例を見ない完全な姿で遺されていた。 国史研究史上、初めての発見と言ってよい。 タイム・カプセルの蓋を開けてみれば、金融破綻、地価下落、リストラ、教育問題…など、猪山家は現代の我々が直面する問題を全て経験ずみだった! 活き活きと復元された武士の暮らしを通じて、江戸時代に対する通念が覆され、全く違った「日本の近代」が見えてくる。 【目次】(「BOOK」データベースより) 第1章 加賀百万石の算盤係/第2章 猪山家の経済状態/ 第3章 武士の子ども時代/第4章 葬儀、結婚、そして幕末の動乱へ/ 第5章 文明開化のなかの「士族」/第6章 猪山家の経済的選択 ■時代小説■がマイブーム。 映画で見た■武士の家計簿■の原作を読んだ。 幕末から明治時代にかけての直之と成之のやり繰りが時代の背景とともに描かれていて興味深い。 小山市進(いちのしん)・・・やす之(やすゆき)・・・信之 ・・・直之・・・成之の5代に渡る猪山家の物語。 「へぇ~!!へぇ~!!」の連続だったので、箇条書きにしてみる。 ★「加賀藩御算用者」は、世襲ではなく、試験で召し抱えられた。 ★東大の赤門は、藩主の婚礼に際して建てられた祝いの門で、その段取りをしたのが、三代目の信之だった。 ★武士の家禄(給料)は、200年以上も前の先祖の働きに対してのものだった。 いくら頑張って働いても、現状の給料はよくならないという矛盾があった。 ★直之は家財道具を処分し、借金の返済にあてることを決断。 家財道具なら何でも売る。 古くても何でも売り買いできるのが■江戸のリサイクル社会。■ 直之は「薬缶」も売るが、72000円って高価!! ★両替について。 江戸時代の日本は金銀の二つの通貨圏があった。 東日本は「金遣い」、西日本は「銀遣い」。 領主から拝領するのは、金貨の小判だが金沢は銀遣い。 日頃使うのは銭。 金銀銭の三種類があるので、両替が必要だった。 ★明治4年7月14日、廃藩置県で「金沢藩」が消滅、 翌8月「金沢県」となった。 県政にあったのは、薩摩出身者だった。 主役は、「加賀藩御算用者」の5人だけれど、家族、親戚も出てくるので、大河ドラマにすれば面白いだろうと思う。 ■金沢にし茶屋街■ にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.08.20 00:45:55
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