カテゴリ:Daily Life
最近、ある中学校の校長先生が全校集会で、
「女性にとって最も大切なことは、子どもを2人以上産むことです」 と発言したというニュースがありましたよね。 「仕事でキャリアを積むこと以上に価値があります」と。 その校長、「一部だけ抜粋して報道され、誤解されている」と反論していましたが、「間違ったことは言っていない」と言っていた。 一体どれだけの女性が気分を害したことか。 私のように、30代独身子どもなしの女性をはじめ、日本全国で嫌な思いをした人がたくさんいるはず。 私はここしばらく、これからのキャリアについて考えていて、もう子どもを産むことはないかもしれないな、と思っていた。 今までの人生で、特に子どもが欲しいと思ったことはないけど、でもやはり女性には出産できる年齢にリミットがある。 私は過去にプロポーズされた時、もうすぐ30っていう歳でも、30代になってからも、まだまだやりたいことがあった。 結婚しなかったのは自分で決めたこと。 でも近い将来、妊娠・出産の選択肢すらない年齢になると思ったら、なんともいえない感情を抱いていた。 そのタイミングで、あのニュース。 傷ついたよ、私は。 独身女性だけじゃない。 子どもが欲しくてもできずに不妊治療している方、夫や家族などに妊娠を期待されプレッシャーを感じている人、流産経験のある方なども、あの発言を聞いて胸を痛めていたと思う。 妊娠・出産に問題を抱えている友人が、このニュースを知らずに過ごしていますように、と思った。 報道によると、不妊の方についても話していたようで。 「子どもに恵まれない人、結婚しない人も、里親になって育てることはできます。」 とにかく女性は、子どもを二人育てた後で、大学に行けばいいらしい。 晩婚、未婚が多い看護師の世界。 子どもがいない女性がたくさん働いている。 患者さんや療養者のQOLを考え、自分のQOLを犠牲にして昼夜働いて、向上心を持って勉強して、毎日一生懸命なのに、彼女たちの人生を否定している発言のようにも感じた。 少し前にあった、このブログへの書き込み、読んだ人いるかしら。 「海外にいらっしゃるようですね。あなたはうらやましいくらいの才能をお持ちです。今あなたがするべきことは、日本に帰国してあなたの遺伝子を残すことです。」 とかなんとか。 余計なお世話です。 バカは相手にしないこと、と自分に言い聞かせ、しばらくその書き込みを放置していた。 でも、それを見て、私以外にも不快な思いをする人がいるかもしれないと思い、削除した。 私が睡眠削って勉強して、年単位で計画立てて、目標に向かって地道に知識と経験を蓄積し、真面目に働いているというのに、そんな風に考える人もいるんだ。 さて、一体どれだけの人が、あの校長の発言を問題視したかも気になります。 私にはドーンッと衝撃の大きなニュースでしたが、きっと特に疑問もなく、あんまり気にならない人もたくさん存在しているのでしょう。 リプロダクティブ・ヘルス/ライツとか、開発途上国のジェンダーの問題などを勉強した私には驚きでしたが、男女ともに、世間ではそういうトピックと無縁の人は多いでしょうから。 多くの人が良い教育を受け、たくさんの女性が社会で活躍している現代の日本においても、まだまだこんなもんなんだと、がっかりしました。 あのような教育者のせいで、子どもたちがジェンダーの不平等に鈍感な人間になりませんように。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.03.15 21:38:06
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