謀 略 | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

皆さんは、〝でっち上げる〟という言葉の由来をご存知でしょうか?

中には、〝丁稚〟が関係していると思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら関係ありません。

捏造の〝捏〟を漢音で「でつ」と読み、それが動詞化して〝でっちあげる〟に変化したものだそうな。

その〝でっち上げる〟のが得意なのは、朝日新聞らマスメディアだけではありません。 
 

超大国・アメリカも、ご同様・・・その好例と言えるのが、今から53年前の今日起きた

  トンキン湾事件
 Gulf of Tonkin Incident

と言えましょう。

舞台となったのは、北ベトナム沖にあるトンキン湾。

    

南ベトナムを支援するアメリカは、1964年7月末から複数の艦艇を同湾に出して、北ベトナムに対する哨戒活動を実施していました。

そして8月2日、そのうちの一隻・駆逐艦マドックスが、同艦を南ベトナムの艦艇と勘違いした北ベトナムの魚雷艇3隻から魚雷と機関銃による攻撃を受けました。

直ちに近くにいた空母タイコンデロガ艦載機の支援を受けて反撃したマドックスは、魚雷艇1隻を沈め、残り2隻に損害を与え、南ベトナム沖に撤退。

    

                  USS Maddox, DD-731

 

これ自体は事実だったのですが、その後がいけません。

その2日後の8月4日、あらためてマドックスと駆逐艦ターナー・ジョイがトンキン湾内で哨戒活動中に、北ベトナム軍からの攻撃を確認したためジョンソン大統領が魚雷艇基地と燃料貯蔵所への攻撃を命令。

更にアメリカ議会が北ベトナムからの武力攻撃に対する一切の措置を取る権限を大統領に付与する〝トンキン湾決議〟を圧倒的多数で決議。

これがアメリカを、いわゆるベトナム戦争への泥沼へと引きずり込むキッカケとなりました。

しかし1971年6月、ニューヨーク・タイムズの記者が政府機密文書(ペンタゴン・ペーパーズ)を入手し、8月4日の2回目の攻撃については(ベトナム戦争に介入を目論んだ)アメリカ政府と軍が仕組んだでっち上げだったことをスッパ抜いたのです。

 

    

〝大義の捏造〟によって始まったベトナム戦争では、軍人・一般人合わせて800万人以上の南北ベトナム人が犠牲・行方不明となり、またアメリカ軍も5万人の戦死者を出しました。

また参戦した韓国軍兵士がベトナム人女性を凌辱し数千~数万人の私生児〝ライタイハン〟を残す問題を起こしています。

ただ一方では、日本はベトナム戦争によって東京五輪後の景気拡大や工業化が進み、アメリカ軍のベトナム撤退が間接的に沖縄の日本返還に関係していることも事実ですが・・・。

 

紛争に介入したり開戦を目論んだ時、アメリカはこういうでっち上げをします。

2003年に起きたイラク戦争も、同国が大量破壊兵器を隠し持っている証拠がある、として強引に開戦しましたが、結局それは発見されませんでした。

また暗号解読で事前に攻撃を知っていたにもかかわらず、主要艦艇を真珠湾から出港させた上で敢えて日本軍に攻撃させ日米開戦に持ち込んだ戦術も、これに類すると言えましょう。

アメリカ(やロシア・支那などの超大国)が他国を非難し軍事介入をする時、彼らが主張する名目については、眉に唾をつけた方がよいでしょう。うー

 

 

             ペタしてね

 

              人気ブログランキング