日経ビジネス2014年2月24日号
p82
マンダム社長 西村元延氏
問 日本の若い世代も昔に比べはるかにお洒落に気を使うようになっているように見えますが。
答 テレビをつけると我々や資生堂さんのCMが頻繁に流れていますから、外の方が見ると、男性用整髪料市場はとても盛り上がっているように映るでしょう。でも、実は違う。国内スタイリング市場は2001年頃と比べ4割近く縮小しています。特に若者向けが振るわない。少子化の影響もありますが、整髪料を使う若者自体が減っているんです。昔は大学生や高校生も7〜8割が使っていたが、直近の調査では高校生で2割弱。5人に1人しか使ってない。
問 なぜ若い人が既存の整髪料を使わなくなったのでしょう。
答 「髪形を格好良くして目立ちたい」と考える若年層が減ったからです。2000年頃は、スポーツ選手も茶髪ばかりで、『ドラゴンボール』の登場人物みたいなツンツンと髪をとがらせて作り込んだヘアスタイルをする若者が大勢いました。だから髪形をデザインできる整髪料が売れた。でも今はそんな若者は少数派です。今の若い人にとっては、髪形で個性を出すなんて格好悪いことになってしまったようです。