新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

県立病院の労基法違反:そういう病院は多いと思いますが・・・

2016-07-27 23:00:02 | 医療

こんばんは

 

昨日は医局の送別会を行っておりました。送別会の最中にポケモンGoをやっている後輩がいることがわかり(結構いるみたい)、ポケモン世代ではない僕は「へぇ~」と思いました。

 

ただ、思わず

「これがポケモンでなくて、ドラクエだったらやってしまうかも。スライムとか集めたいし」

といったら、

「ドラゴンクエストモンスターズとかっていうことで、出そうですよね」

という話になり、盛り上がっていました。そのうち出るのかな。きっと。

 

さて、今日はこちらの記事を紹介します。

無許可で医師、看護師が宿直勤務…県立病院が労基法違反

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160726-00050037-yomidr-soci

読売新聞(ヨミドクター) 7月26日(火)16時36分配信

 埼玉県病院局は25日、県立循環器・呼吸器病センター(熊谷市)で、労働基準監督署の許可がないまま、医師や看護師の宿直勤務が行われていると発表した。人員不足が原因で、労働基準法違反の状態が続いている

 労基法では、夜間の宿直や休日の日直勤務を行う際は、労基署の許可が必要と定めている。宿日直勤務の職員は、病室の巡回などの軽度な業務しか従事できない。

 同センターは1994年5月の開院当初に許可を得たものの、許可書を紛失。2014年2月に再申請したが、熊谷労基署が不許可とした。理由として、医師や看護師が足りず、通常勤務と宿日直勤務の境目が不明確で、心臓へのカテーテル治療などの高度な医療行為を宿日直職員が常態的に行っていると指摘された

 同局は「許可がないのは好ましい状況ではないが、医療サービスの質は低下させない。許可を受けられるよう、勤務条件の整備や、医師の増員に努めたい」としている。

 同様の労基法違反が千葉県の6病院で今月判明したことを受け、同局が県立4病院の状況を調べた。

---------------------------------------

まぁ、こんなことをいうと多くの一般の方が不安を感じられるかもしれませんが、こういう病院多いと思いますよ。僕だって毎月当直した翌日は普通に勤務していますし、僕は当直の翌日が外来のことが多いので「24時間以上働けますか?」という感じでやりますし。

 

たぶん、埼玉県は「人口当たりの医師数」がダントツに少ない県ですので、医師数を集めるというのはかなり大変なのだと思います。これがよいことだとは思いませんが、「異常な勤務体制」をしなければ、医療サービスがきちんと提供できないのでしょう。

 

そんなことを思いました。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

 

コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ラポールを形成しながらの医... | トップ | 東京都知事選挙は小池氏の勝... »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは(*^^*) (心配性)
2016-07-28 12:55:53
労基法、これもある意味 ザルのような法律ですからね(((^_^;)
私の職場も繁忙期と閑散期の勤務実積の差が激しく、繁忙期になると時間外勤務の調整に難儀しております。ただ、関係省庁に、届け出ていると言う事で認められているだけで、本当の意味での解決には なんら至っておりません。
この国のほんまにおかしなところです(怒)

さて、私事ですが、
アンフェタミン先生には 3月からの入院・闘病期間中、ブログでご相談・励ましを戴きありがとうございました。
御陰様をもちまして、今月末の31日に無事退院できる事になりました。
本当にありがとうございました。

勿論、担当医師団の先生方には感謝申し上げております。
また、本当にそれと同じほど ブログでこちらから勝手にコメントした小生に、嫌な顔をせず、親身になってお返事下さいましたアンフェタミン先生には なんと感謝申し上げてよいやら。

これからも、先生のブログはずっと応援させて頂きますので、お身体無理なされないように頑張って下さい。
本当にありがとうございました。
オプジーボの悪性リンパ腫治療効果 (sunny)
2016-07-28 14:15:27
アンフェタミン先生こんにちは。たびたび父の悪性リンパ腫についてご相談させていただいている者です。初回治療で寛解せず再燃、現在サルベージ療法RDevicを選択し2クール目です。
今何かと話題の新薬オプジーボですが、これはホジキンリンパ腫で今年度中にも保険適用になるかもというニュースを聞きましたが、非ホジキンびまん性B細胞リンパ腫にも効く可能性はありますか?アメリカではもっと色々治験がすすんでいるんでしょうか。
今回入院前にもう自家移植はできないと言われたらしく父も最後の治療になるかもと望んでおります。少しでも希望があればつないでおきたいと家族としては思っております。オプジーボの非ホジキンリンパ腫効能について何かご存知でしたらご教示いただければ幸いです。
う~ん‥ (女王様)
2016-07-31 17:51:53
そんなもん 厳密に守っていたら社会は成り立たなくなりますよねえ。

アンフェタセンセはご存じかわかりませんが 10年くらい前に開業産婦人科でナースが内診をしたとかで 違法行為で刑事事件にまでなったことがありまして。

我が神奈川県で起きたので 新聞は日々扱っていました。
お産した女性が産後弛緩で亡くなって露見したのですが 死因とナース内診に因果関係がないと認められながらのこの処分。
結果 それじゃもうやっていけない!と 出産扱う病院が一段となくなってしまいました。

違法は違法には違いないけれど、そうでもしなきゃ経営できない現状に問題があるのに。
ではナースの内診を認める方向に行かないのが いかにも日本的だなあ と。

実は私も 歯科助手として働いていたことがありまして。
衛生士と違って患者さんの口内を触れてはいけないのですが だんだん医師一人じゃこなせないのか 診療前に仮の詰め物をはずすように とか 型をとるとか…

いいのだろうか?と思いながらも 医師の指示で仕方なく日々こなしていました。
衛生士を雇うとカネがかかるし そうは集まらないからでしょうけれど ためらいは消えなかった。

呑気に 受付と器具消毒だけして 時間になったらサヨウナラ~ じゃ必要ない てのも雇う医師の考えなんでしょうけどね。
無資格の助手なら安く雇えるって考えがいかがなものかと。

それにしても。
そら恐ろしい群馬大学病院!
あれも医師一人しかいなかったとか言い訳してますが 一年間に8人も殺したら ただの殺人鬼でしょうに
それでも続けさせた 病院の杜撰さが怖い。

一般人なら大量殺人の犯人なのに 退職してどこかでメスふるっているかと思うと恐ろしいですよね。
これを医師不足で片付けるのはあまりにも軽率だと思います。

大多数の医師は 当直日勤の連続でがんばっていらっしゃる。
いろんな意味で このままでは医療崩壊は時間の問題ですね。
おめでとうございます (アンフェタミン)
2016-08-01 05:27:55
>心配性さん
おはようございます。コメントありがとうございます。

退院おめでとうございます。
あとは経過を見ることになると思いますが、何事もなく5年経過することを祈念しております。

医療現場も「診療科」によって、大きく状況は異なると思いますし、病院によっても異なると思います。
おっしゃられるように「関係省庁に届けている」からよいというものではないと思いますので、どうにかしないといけないと思っております。

また、コメントいただければと存じます。
オプシーボよりはCAR-T (アンフェタミン)
2016-08-01 05:41:52
>sunnyさん
おはようございます。コメントありがとうございます。

Salvage療法でR0Devicの2コース目に入っているということは、一定の効果があったということですのでよかったと思います。

ご質問のオプシーボですが「nivolumab non-Hodgkin lymphoma」で検索すると9件出てきて、うち1件で実際に患者さんに投与しているように思われます。
その結果はどちらかというと「Hodgkin lymphoma」の奏効率60~80%に比較して、20~40%程度という記載(ほかの癌腫:固形癌と同程度)になっております。

たぶん、どちらかというと「CAR-T(CD19に対するT細胞を作製して体内に戻す)」のほうが有望かもしれません。ただ、臨床研究がまだやっているのか、適格性は問題ないかなどは確認しておりません。

個人的にはCAR-Tの臨床研究がまだおこなわれているのであれば、そちらを念頭に入れるかなと思っております。

また、コメントいただければと存じます
産科はなかなか厳しいです (アンフェタミン)
2016-08-01 05:48:32
>女王様さん
おはようございます。コメントありがとうございます。

10年くらい前は医療訴訟などが多かった時期で、医療従事者からすればたまったものではないというような訴訟も多かったと思います。判例でも「本気か?」というようなものもありますので。

産科の医療崩壊は「大野事件」をきっかけに加速したと思いますが、様々な分野で「もうやっていけない」となったのがちょうど10年くらい前だと思います(僕の最初のblogがそのころです)。

今の医療状況だと医師数が足りていませんので、高齢の医師が働き続けたり、問題のある医師も働き場所があったりするわけです。医師免許が剥奪されなければ、必ず働き場所はあると思います。
だからなりたい職業第1位なのでしょうか(汗

医師不足はそういう問題もあるのですが、なかなか改善しないのだろうと思います。

また、コメントいただければと存じます
大野病院 (女王様)
2016-08-02 23:21:49
当事 ボールペン運動に参加させていただきました!

ちょうどネットで読んでいたら 主治医が持っていて 私の分も注文してもらい‥すぐ書けなくなって(涙)。
あの時代は 喉に串が刺さった男児が結果亡くなって、救急対応が専門医じゃないことを問題にされたりしましたね。←歩きながら串モノ食ったらアカンでしょー


スーパーローテが始まって 医局に指導医が足りなくなるとやらで、通っていた市民病院の呼吸器が医師が引き上げちゃうために休止になって。
次はこういう訴訟絡みで 周産期婦人科がなくなり小児科医師が一人だけで 隔日になり と結局は患者に迷惑がかかるし、より大学病院等に流れてしまう。

呼吸器がなくなって もう一件の市中病院に通ってますが、ここもいろんな科がパンク状態です。
外来患者が溢れかえるのは当たり前、ナースも足りなく走り回ってました。
看護助手のパートを切ったので、食事介助も配膳もベッドメイクも排泄も清拭も‥て感じで それを2交代制では 疲弊も宜なるかな。

精神崩壊か身体を壊して辞めるか。
ナイチンゲール憲章なんか まさに「奉仕」を求めてますよね。医師に尽くし患者に尽くし。
尽くすのが悪くはないけれど、その仕事を続けるためにはやはり見返りや補償を求めるのは当然でしょう。

で、群大殺人医師はどこかで医師をしている。
この方が重大問題だと思います。
意外と剥奪ってされないもんなんだなあ と。

近くの歯科医は 駅階段で盗撮して捕まって ヌケヌケと看板代えて歯科医をやっている。
小児科医は患者の幼女に猥褻行為をして送検されて コイツもまだ 親から継いだクリニックをしゃあしゃあとやってます。 幼女へっていうのが一番許せない私。

医師になったら何をしても甘い処分なのは 単に医師不足だからなのでしょうか。
医療に関わる仕事には もっともっと適性検査が要るのではないかな?

アンフェタセンセはどうですか。
今の倍のギャラを出すけど 患者数も倍以上だよ・当直も倍だよ て言われたら行きますか?
それなら昆虫博士になるわい!! でしょうか(笑)
そんな人生も悪くはないですけど、ね。
たぶん、行かないのではないでしょうか (アンフェタミン)
2016-08-14 16:51:27
>女王様さん
こんにちは、コメントありがとうございます。

新臨床研修制度によって大学病院から研修医が離れたことで、いろいろなものがうまくいかなくなりました。
それはおそらく「医師」が実際のところは不足していたこと、同じころからパターナリズムがうまくいかなくなり(医師主導の臨床)、患者さんと医師とで作り上げる医療になってきたからだと思います。

いまでもこれを行うには医師の数は足りないのですが、パターナリズム世代で「現場から離れている医師」にはわからないのだと思います。

基本的に「医師」が不足していれば「医師として不適格」な医師であっても、引き受ける場所があります。競争がない社会では努力をしなくなるものも出てきます

今の患者さんの2倍の人数を2倍の給料で診療することはお断りします。理由は1.5倍までなら僕が頑張れば対応できるかもしれませんが、2倍では「僕が満足する医療レベル」で患者さんに医療を提供できなくなると思います。どう頑張っても一人の医師で見る患者さんの数は限界があります。それ以上になれば質を悪くするしか方法がありません。

そんな風に考えています。

また、コメントいただければと存じます

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療」カテゴリの最新記事