新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

仕事が増えたのに人数は減った、もしくは変わらないと大変だろうなぁ

2015-10-04 10:46:37 | Weblog

こんばんは

 

先日の記事がなぜかアップされていなかったので、先ほどアップしました。

今日は研究室から先程帰宅しましたが、この後は買い物などに行く予定です。

 

さて、

Yahooの記事にこんなのがありました。

 

患者に恫喝される20代女性職員を見捨てた大学病院の人心荒廃

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150929-00079092-diamond-soci&p=1

ダイヤモンド・オンライン 9月29日(火)8時0分配信

明らかに異常と思われる患者に怒声を浴びせられる受付の20代女性を、誰もが見て見ぬふり。大学病院の人心荒廃は、なぜ起きたのか

 当連載は今回をもって終了する。最終回では、つい最近都内の有名私立大学の医学部付属病院で起きた「事件」を取り上げたい。

【詳細画像または表】

 受付の女性職員に「言葉による暴力・脅迫行為」をする男性がいた。男には、そのような思いはないのかもしれない。しかし、現場にいて一部始終を見ていた筆者からすると、それは「脅迫」にしか見えなかった
 
 しかも、職場にいる他の職員たちは、誰もこの女性を助けようとしなかった。なぜ、名門大学病院の中で、しかも衆人環視の中で、こんな問題が生じたのか……。それを考えていくと、この病院という大組織の中で見た光景からは、多くの企業がぶつかる問題が透けて見えてくる。

● 病院の受付に鳴り響く患者の怒号 顔面蒼白で対応する若い女性

 「だから、何度も同じことを言わせるな! 」

 9月24日、午前10時――。

 「さっきと同じことを聞くな! 」「だから、何度も同じことを言わせるな! 」

 70代前半と思える男性の低く太い声が、フロアに響く。この病院の患者だが、その声には張りがある。老人とは思えないほどに背中は広く、背筋がまっすぐに伸びている。

 ここは、大学病院の消化器内科の受付。JRの某駅から数分の場所にある私立大学の医学部だ。がんの出術や治療で「権威」と呼ばれる医師が多数在籍することで知られている。

 男性が罵声を浴びせているのは、受付の20代半ばとおぼしき女性。入職し、数年を経た感じだった。背が170センチほどと長身でスリム。目が大きく色白で、清潔な雰囲気がある。

 筆者がこの病院を訪れるようになったのは、1995年からだ。年に数回のペースで、胆嚢や胃などの検査を行なっている。十数年前までは、受付に3~4人の女性職員がいたが、ここ5~8年は常時2人になった。しかも、以前は40~50代のベテランの女性たちが多かったが、今の平均年齢は20代後半くらいと若くなっている

(中略)

人の命を預かる病院は、本来緊急のバックアップ体制を整えていないといけない。少なくとも、緊急事態に対応できない数の職員しか現場にいないような状況は、あってはならないと思う。

● 経営陣による人件費の圧縮で リスクに晒される現場の実情

 筆者はその後、この病院の職員らが加盟する労働組合の役員らに確認した。それによると、消化器内科に限らず、ここ5~8年、職員の数は明らかに減っているという。病院の経営陣が、人件費の圧縮をしたいのだそうだ。組合の役員はこうも指摘する

 「もしかして、その女性職員たちは派遣社員だったかもしれない。そうであるならば、不意の事態が起きたときに一層混乱が生じることもあり得る」

(中略)

 

今回のケースについて考えると、前提として70代と思える男性の行為は、大いに問題がある。脅迫めいたものであり、もっと厳しく咎められてよいことだ。警察に通報する人がいても、よかったはずである。そのことを踏まえ、職場のタテマエとホンネを考えたい。

 1.「少数精鋭」という言葉に
 隠された黒いホンネ

 この病院に限らず、ここ十数年、多くの企業は正社員、役員、管理職のポストを減らしている。総額人件費を減らすことが、大きな理由と考えられる。それに伴い、「少数精鋭」「プロ意識」「プロフェッショナル」といった言葉が産業界に浸透した。こうした言葉は、経営者や経済界からメディアなどを通じて、しつこいほどに繰り出されている。

 こういう空気やムードが浸透し、世の中の職場では、社員が20代前半から妙な「プロ意識」を持たされ、仕事に取り組まざるを得ない状況になっている。ところが、そうした状況の裏付けとなる「人材育成の仕掛け」ができていない。十数年前までは、若手はもう少し時間をかけて、しかも見習うべき先輩社員がいる中で、OJT (On the Job Trainingですね)を施されながら働くことができた。

 その意味では、現場の状況はリーマンショック後の2009年頃から、とりわけ厳しくなっている。一段と社員が減り、20代などの若手にしわ寄せがいく職場もある。今回の病院で起きたような問題が顕在化する理由は、この文脈で考えるのが自然ではないかと思う。

 

2.「少数精鋭」「プロ意識」
という言葉に騙されるメディア

 「少数精鋭」「プロ意識」というと、言葉の響きはいいが、これらはあくまでタテマエでしかない。組織のホンネとしては、もっと他の思惑があるはずである。本来、職員に「プロ意識を持て! 」と促すならば、職業意識を植え付けるべきである。たとえば、「私はこの事務という職業で、プロになろう」という意識を、職員が自発的に持てるような環境整備や啓発の仕組みづくりが必要だ。

 しかし労組によると、この病院では、受付の女性などは「事務部門」として採用され、定期的な人事異動や配置転換により、全く分野の違う総務や経理もさせられるのだという。つまり職員に職業意識ではなく、大学病院そのものへの就職意識を求めているのだ。職業人ではなく、「病院職員の一員であれ」と促しているわけだ

 職業意識を植え付けようとしない一方で、職員に「プロフェッショナル」を求めるのは矛盾がないだろうか。労組の役員は、「経営側は医師や看護師はともかく、病院職員に職業意識を植え付けると、人事異動や配置転換などを迅速に、柔軟にできないと危惧している」とも言う。

 このホンネとタテマエの使い分けは、多くの一般企業にも言えることである。経営側は、「職業意識を植え付けよう」「職種別組合をつくるようにしよう」などとは、一切考えていない。そんなことをすれば、経営側にとって不利になるからだ。安易な職業意識は、会社を管理する側にとって、確実にマイナスにに働く。自分たちにとって都合のいい体制を温存しつつ、人件費を削っていく目的で、「プロ意識を持て! 」と促し、発奮させているだけのことなのだ。

 そんなホンネを見抜くことができずに、一部のメディアは企業の経営者が発信する「少数精鋭」「プロ意識」「プロフェッショナル」といった言葉を無批判に受け入れ、報じている。あたかも新しい時代が訪れ、労働者はプロとして黙々と働けば認められる、といわんばかりだ。しかし残念ながら、そんな時代は来ない。もともと多くのメディアは、人事・労務の現場に明るくないこともあり、こういうレトリックで見事なまでに騙されていると言えよう。

 冒頭で述べた通り、連載「黒い職場の事件簿」は今回で終了する。最後にこの場を借りて、愛読してくれた読者諸氏に改めてお礼を申し上げたい。

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この記事に関して僕は「暴言・暴力」をやる患者さんいるよね~ということが一つ。

暴言暴力については時々問題になります。先日も僕が外来しているときに、うちの病棟ではありませんでしたが、暴言暴力に対する対応を緊急で求める放送(わからないようにしていますよ、もちろん)が流れていましたし

 

まぁ、暴言暴力に対する対応のためのスタッフがいたりします。逆にそういうスタッフが必要になることもあるということですね。

 

医師の数が増えないのに、仕事量が増えてきたため、最近は医療事務という形で病院に勤務されている方が増えたと思います。もし、この記事に書かれているように「医療事務」の仕事は増えているのに、スタッフ数が減ったり、若手ばかりになっていけば大変困るだろうなぁと思います。

そういう職場には行きたくないと、この記事を見た医師の方々がSNSでコメントされていました。

 

ちなみに医師の仕事も「パターナリズム(医師主導、医師の言うとおりに治療を受けろ)」から、「患者さん主体(医師と協力して行う)の医療」に代わってきたことで医師の説明に要する時間が爆発的に伸びました

 

僕は基本的にこの医療現場になれていますし、そういうものだと思っていますので患者さん相手に勤務しているときは、自分の時間を削るのが当たり前と思っています(本当はそれがまずい)。しかし、本当はそうではなくて「きちんとした説明」をおこない、患者さんに合わせた医療(それは社会生活だったりいろいろな希望だったり)を行うために、それが通常勤務体制でもできるようにする必要がある(システムの改築)と思っています。

 

僕の外来日で「初診」の患者さんが来ると、血液疾患の患者さんが来たら説明に30分から1時間かかります(本当の血液疾患なら・・・。先日は鉄欠乏性貧血と送られてきて、Hb 12g/dl以上(向こうの採血でも)あり、貧血がないと思っていたら『立ちくらみ』が主訴でした。まぁ、検査をする前に患者さんと家族に話をして総合内科さんに行っていただきました。患者さんをまともに診ない、こういうクリニックを減らすことも必要ですね)。そうすると患者さんを見終わるのはぎりぎり17時。もしくは運が悪いと18時くらい。

 

ちなみにカルテを説明した内容を書く暇がなく、そこからカルテを書き始め、さらに紹介患者さんの返信を書く。まともに診療したらかなり時間がかかります

ちなみに外来患者さんのカルテはほとんどは簡単な記載しかしませんし、できません。それでもそんな感じになります。

 

少なくともその医療体制をまともに構築していくのであれば、しばらくは医師の数は足りないまま続くのでしょう

 

・・・ちなみに・・・予測していた話ですがうちの大学は人数をなかなか増やせないために、増やした医大生などの分だけ教官の負担が増えているようです。まぁ、その結果が将来どういう形になるのかは予測できる気がしますが・・・予測できない人たちも多いらしいので困ったものです。医大生の質は落ちていますよ、確実に

 

と、まあいろいろ書いたところで、今日はこのあたりで。気が向いたらもう一つ質問をいただいていることを書かせていただきます。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

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