新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

エボラ感染拡大と23名派遣の話:誰を派遣するのだろうか・・・(汗

2014-09-27 21:05:23 | 医療

こんばんは

 

今日は午前中に医局に行ってから、午後からは妻の実家でまた子供と過ごしていました。今日は一日泣いてばかりで大変だったのですが、抱っこし続けていたのでさすがに腕が疲れました。

体重も5kgになり、片手で支え続けるのは結構大変になってきました。

 

まぁ、順調に育っているということでうれしい限りですが

 

今日一番びっくりしたのは昼過ぎの噴火ですが、自然には勝てませんね。こういったものは本当にどうしようもないですが、エボラ出血熱のような感染症も制御するのは難しいでしょう。相手が変わりますからね。

ここも現地の動物(サルとか)に接触しないのが一番なんでしょうけど、今後そういう風になっていくのか、それとも変わらないのか。そんなことを思っています。

 

エボラ熱死者3千人超 拡大止まらず、支援急務 

http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014092701000794.html

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は26日、西アフリカで感染拡大が続いているエボラ出血熱による死者(疑い例を含む)が23日までに3千人を超えたと発表した。9月5日に死者2千人を超えてから、わずか3週間足らずで千人増加した。

 把握できていない未報告例が多数あると指摘されており、過去に例を見ないエボラ熱流行は拡大の一途をたどっている。米政府が米軍3千人の投入方針を表明、日本も医療チーム派遣を検討しているが、国際社会による一層の支援強化が急務になっている。

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エボラ対応策、専門家23人の派遣を用意…外相

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140923-OYT1T50071.html

2014年09月23日 20時27分

 【ニューヨーク=加藤理一郎】岸田外相は22日夕(日本時間23日朝)、ロックフェラー財団主催の会合で講演し、西アフリカで感染が広がるエボラ出血熱への対応策として、医師や感染症研究者などの専門家を最大で23人派遣する用意があると表明した。

 実際の派遣人数と期間は、世界保健機関(WHO)と協議して決定する。岸田氏は「今回のアウトブレイク(大量感染)に対処するため、団結した対応が必要だ」と語り、積極的に貢献する考えを強調した。

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日本から医療チームを派遣って、エボラの専門家ってそんなに大勢いませんよね。先日、23人派遣するというような話が出ましたが・・・どこから派遣するのやらと・・・(汗

 

正直僕も「福島」の支援は国内の話ですし、大丈夫だと思いましたし・・・、けど・・・エボラに関しては嫌ですけどね。

 

患者さんを診察しながら「自分は感染していないだろうか」と常に考えながら支援を続ける必要がありますので。特に何か予測外のことが起きたときはパニックになりかねないですよね。「死ぬ覚悟」を持って臨むしかないわけですが、子供ができた手前今の僕にはその覚悟がないですね。「死ぬ覚悟」というのは常に「死」を考えながら生きていますので、死ぬ覚悟がないとは思っていませんが・・・・好き好んでそういう環境に行きたいとは思いません。

 

震災の時に国のため、国民のために自衛官・警察官…多くの人々が頑張っていたと思いますが、それでも福島に派遣されたひとが逃走するような事案がニュースで報道されたと思います。今回はそれよりも状況が悪いので、普通は逃げますよ。そこに派遣された場合は「日本へ帰国できない」可能性まで考える必要がありますし・・・。それを考えると誰が国の命令だからと言って・・・だれがいくのかなぁと…思います。チームでいったところで、一人がパニックになればチーム自体も崩れるでしょうし、人選はかなり慎重にやらないといけませんしねぇ・・・

 

あとは、このニュースの薬に期待したいところですね。

 

エボラ出血熱で日本の薬が“救世主”に?その効能のヒミツとは…

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140923-00010003-bjournal-bus_all&p=2

Business Journal 9月23日(火)23時28分配信

 

 西アフリカでのエボラ出血熱の大流行はまったく衰えを見せない。世界保健機関(WHO)によると、疑い例も含めると5000人近くが感染し、2400人を超える人々が死亡した.

 現在、開発中のエボラウイルスの治療薬やワクチンは複数種類あり、既に患者に投与された治療薬としては、アメリカのマップ・バイオファーマシューティカルが、カナダ公衆衛生庁、アメリカ政府と共同開発中のZMapp(ジーマップ)がる。この治療薬は通称・抗体医薬品と呼ばれるモノクローナル抗体からできている。

 人間の体の中には、体内に侵入してきた異物を排除する免疫という機能があるのは周知の通り。異物を排除するため、免疫に関係するB細胞が、ウイルスなどに感染した細胞に特有の目印に結合する抗体を作る。この抗体がただ1種類でB細胞から作る場合、その抗体をモノクローナル抗体と呼ぶ。ジーマップはエボラウイルスに作用する3種類のモノクローナル抗体を含んだもので、タバコの葉になるナス科タバコ属の多年草・ニコチアナの細胞を使って抗体を産生する。タバコの葉を使うのは抗体産生のスピードが早く、大量生産にも向いているからだ。

 ZMappは今年1月に発見されたばかり。カナダ公衆衛生庁によってエボラウイルスに感染させたサルで有効と確認されたものの、ヒトでの投与実績はまだなかった。今回、医療支援のため現地を訪れて感染したアメリカ人医師2人とスペイン人司祭1人に試験的に投与され、アメリカ人医師は症状が改善したものの、スペイン人司祭はそのまま死亡している。その後、感染が流行しているリベリアでリベリア人とナイジェリア人の医師3人に投与されたが、このうちの1人も既に死亡した。

 まだ試験的なことや、タバコの葉を使ったとしても通常の化学物質のような大量生産ができないことも影響して、マップ・バイオファーマシューティカルは既に在庫は尽きていることを明らかにしている。

●インフルエンザ治療薬がなぜエボラ出血熱に効くのか?


 いま最も注目を集めているのが富士フイルムグループの医薬品子会社・富山化学工業が開発した抗インフルエンザ薬・アビガンだ。なぜインフルエンザの治療薬がエボラ出血熱に効くのか―。
 
 一般にウイルスはその複製に必要な遺伝子情報が組み込まれたDNAあるいはRNAをタンパク質の膜で包んだだけの極めて簡単な構造を持つ。このウイルスがヒトに感染すると、ヒトの細胞に寄生して自分のDNAやRNAをそこに送り込み、遺伝情報と必要なタンパク質を複製して新たなウイルスが作られる。これが繰り返されて体内でのウイルス量が増えると、病原性を持つ場合はさまざまな症状が出現する。

 インフルエンザはRNAがタンパク質の膜で包まれたものなのだが、アビガンはヒトに感染したインフルエンザウイルスのRNA複製に必要な酵素・RNAポリメラーゼの働きを抑えてウイルスの増殖を抑制する働きがある。エボラウイルスはインフルエンザと同じようにその遺伝子情報を持ったRNAをタンパク質の膜で包んだものであり、動物実験ではアビガンが効果を示すことが知られている。このためヒトでもエボラウイルスに効果を示す可能性があると考えられている。

●FDAがアビガンをエボラ出血熱の治療薬として承認へ


 同時にこの薬が注目される理由は効果以外にもある。アビガンは通常の錠剤で大量生産が比較的容易な点だ。前述のようにマップ・バイオファーマシューティカルのZMappは大量生産に向かない。だから、わずか10人に満たない患者に投与した時点で在庫切れとなっているのだ。これでは今回のような爆発的な感染では対応できない。また、患者の体液を介して感染しやすいエボラ出血熱の場合、錠剤の方が医療従事者の感染リスクを大幅に減らせるというメリットもある

 富士フイルムの米国でのパートナー企業メディベクター(ボストン)がこの治験薬をエボラ出血熱感染者の治療に使えるよう申請する意向で、米食品医薬品局(FDA)と協議していると発表している。承認されれば、エボラ出血熱の感染者治療で米当局が承認する初の医薬品の一つとなる見通しだ。

 しかし、薬である以上、副作用は必ずある。アビガンの催奇性があるため妊婦や妊娠の可能性のある女性への投与や男女とも男性の服用後の7日間程度の避妊の必要がある。FDAが緊急承認したとしても、現実的にはその効果や副作用は未知数の部分があるのも事実。

 すでに富士フイルムは、2万人分のアビガンの在庫を保有すると言われ、菅義偉官房長官もWHOや医療従事者の要請により、超法規的提供の用意があると表明している。今回のエボラパニック鎮静化のカギを握るのは、もしかしたら日本かもしれない。

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この薬がある程度予防効果がありそうというのであれば、派遣される人たちも少し安心できるかもしれませんねぇ。内服している限り、少数のウイルスが入っても大丈夫だと信じて精神的な安定をはかる。まぁ、一人目の患者が出た時点で精神的な安定は崩れるでしょうし、臨床研究もされていない段階の薬を使用するというのは、それも勇気がいるわけですが。

あ、けど・・・こういうので大丈夫と思って行うべき対応(基本的な現在やっているような感染防御対策)をしなくなるような人間が出そうだなあ・・・。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また。

 

 

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