新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

お互いを理解するのは難しいから報道の前に裏付けを:イノシシ生食の話より

2016-09-29 20:06:21 | 報道関係の方々への期待

こんばんは

 

いよいよ引越し間近。明日には荷物を運び出します。

 

自宅にあるパソコンがデスクトップなので、これを一度しまうとしばらく更新できなくなってしまいます。近いうちに病院でも使用していたMAC のノートパソコンを買いたいなぁと思っているところです。

 

引越しの荷物を運んだりしていたからだと思いますが、朝から腰痛と左大腿部に走るような痛みが(汗

 

もともと椎間板ヘルニアを2回やっていますので(確認したものは・・・。合間に小さいのは何回かやっています)、またか…とも思うのですが、まともに動けなくなって困っていました。常備薬もサポーターも引っ越し荷物の中…(汗

 

どうしようもないので、頑張って病院まで行き、湿布と痛み止めを処方して内服中です。

 

先程まで安静にしていたのですが、少しお風呂に入ってからよくなったので、パソコンをしまう前に記事を書いております。次は北海道で落ち着いた頃に更新します。

インターネットを開いたところ、こんな記事がありました。

 

NHK「あさイチ」“イノシシの刺身”は「保健所の勘違いで生食ダメ」 保健所は「説明うまく伝わらなかった」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160929-00000039-it_nlab-sci

ねとらぼ 9月29日(木)13時39分配信

 9月29日、NHKの番組「あさイチ」担当者から“イノシシの刺身”について、ねとらぼからの質問に回答がありました。番組内で「イノシシの生食は保健所が申請を受け付けた店でだけ提供ができる」という発言があったことについて、八重山福祉保健所に再度確認したところ「先日の回答は勘違いで、生食はせず、加熱して食べるよう指導している」とのコメントを得たそうです。9月29日の「あさイチ」放送中にも、同じ説明がされました。

【差し替えられた“猪の刺身”写真】

 “イノシシの刺身”は、9月27日放送の同番組内で西表島の郷土料理として紹介されたもの。しかし、放送後から、「保健所が野生獣の生食を認めることはありえないのでは」との指摘が視聴者から相次ぎました。

 この件について、ねとらぼでは27日の時点でNHKに「八重山福祉保健所の『イノシシの生食は保健所が申請を受け付けた店でだけ提供ができる』という説明はどのようないきさつで得られたものだったのか」と質問を送付。2日後の29日に前述の回答を得ました。

 念のため八重山福祉保健所にも確認を取ったところ、「野生獣の生食はガイドラインで禁止されているが法的な罰則がないため、メニューとして提供される可能性がある。もし生で提供している店舗を見つけた場合は、指導を行っている。以上のような説明をNHKにしたが、説明不足や認識のズレなどがあったようだ」とコメント。保健所とNHKで双方の言い分に若干のズレは感じるものの、八重山福祉保健所はNHKが番組内で出したコメントについても把握していました。

 また、もう1点送っていた質問、「公式サイトの“イノシシの刺身”の写真が別のものに差し替えられたのはなぜなのか」については、「もともと載せる予定がなかったものを手違いで掲載したものだった」との回答でした。

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記載されている通りで、イノシシなどを生で食べるとE型肝炎などに感染する可能性があります。

 

この内容は多分、一般の方でも気が付くレベルだったのでよかったのですが、医療従事者には常識でも一般的には常識でないよう話が報道されていたらと思うとドキドキします。

なんだ、生で食べてもいいのか・・・って。

 

同じように専門以外の方ではわかりにくいことってたくさんあると思います。僕も医学ではなく、化学や物理学などはわかりません・・。まだ、生物学は対応できますが。

 

このようにお互い理解するのは難しいのだなと改めて思います。保健所の方は「当たり前でわかっているはず」と思って話をしていたかと思いますし、NHKのかたは「生食を出している店があるから、保健所も容認しているのだろう」と思っていたかもしれません。先入観でしょうか。

医療現場でもすれ違いが起きることはよくあると思います。それ故、僕は最初の説明は1時間はかけるようにしています。お互いに理解したと思えるくらいまで話をするようにしています。それでもきっとすれ違いは起きているのだと思います。

 

今回は取材をして、勘違いをしてそのまま報道したということなのだと思います。もし、インターネットで「イノシシ 生食」とでも書いて調べれば、E型肝炎の話が出てきますので、頭に「?」と思いながら質問をして、すれ違いを防止することもできたのではないかと思います。もちろん、もしかすると保健所が言い間違えた可能性もあります。そんなことを言うはずはないと思っていても、たまに言い間違うことはあると思います。それでもおかしいと思えれば「質問ができる」はずです。

 

内容を理解せずに報道されて(裏付けを取らずに)、それが国民の不利益になる可能性もあると僕は思っています。報道関係の方もすごくまじめな方が大勢いることは存じておりますし(接点のある方もいらっしゃるので)、たぶん一般には「裏付け」を取って報道するようにされていることかと思います

ただ、一部の方があまり好ましくない形の報道をすると、報道全体が悪い印象になるのだろうと思います。

 

今回は大勢の方が「おかしいだろう」というような話を普通に報道したということなのだと思いますが、ぜひ一般的にどうなのかという裏付けも取って報道をしていただきたいように思います。

 

もちろん、緊急・速報というものは難しいかもしれませんが、内容がそうではないので時間はあっただろうと思います。

報道はすごい力だと思いますので、どうかより良い日本を作り上げるために正しい報道を続けていただければと存じます。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

 

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それでは、また。

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6 コメント

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リンパ腫ではないという結果でした (kojiro)
2016-09-30 12:23:25
先生、1つ前のコメントでは名前を書き忘れてすみませんでした。またご回答ありがとうございました。
セカンドオピニオン先での病理結果が出まして、濾胞性やマントルなどのリンパ腫ではありませんでした。
やはり過形成だったようです。
病理以外にもFCMや血液検査など、異常を示すものが出てないのでとりあえず半年後に経過のCTを撮るということになりました。
元のA病院も大学病院ですので、まさか診断がこれだけ覆るとは、リンパ腫の病理は難しい言われますが、信じられません。
先生にはいろいろご意見、アドバイスなどいただきまして、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
主治医には聞きそびれることも多く、また自分の情報収集では限界がありますので大変参考になりました。
先生の新天地でのご活躍を祈念しております。
少しでも多くの患者さんが先生のようないい医師に出会うことができますように。
生食 (女王様)
2016-10-02 03:42:21
腰 いっちゃいましたかー。
大丈夫ですか?
私も腰椎と頚椎に椎間板ヘルニアがあり ちょっと寝相悪かった寝起きはテキメンに来ます。
リリカちゃんがよく効くのですが あれを飲んでしまうと運転が‥ ←マイカー通勤

先天性臼蓋不全に だんだん年のせいで股関節の軟骨がなくなり CE角度が21度くらいしかないとかで(よくわかっていない) 今はまだボルタレンカプセルやら、ピキッて痛みが走るときはやっぱりリリカちゃんやらでしのいでおります。

NHKのガッテン!で 椎間板のはみ出た部分を食ってくれるのが マクロファージ とかやっていまして。
整形外科医にちょこっと マクロファージを口にしたところ
「最近、来る患者さんがやたらみんなマクロファージがどうのこうの言うんだけど??」。
NHKの影響力なのか みんなTV情報に弱いのか(笑)

膝痛はこれで治る!みたいな雑誌記事にも弱いですね。
今ハヤリの この薬は飲んだら危ない! だとか。
その先にあるのが 抗がん剤なんか使うな!という近●誠医師の論調でしょう。
話題のエビ蔵ご夫妻も 転々とし行き詰まり あの方に行き着いて 例の独自論理を信じたと雑誌で読みましたが、もはや怪しい布教活動としか…。

病になると 何でもいいから苦しみから逃げたく すがりつきたくなるものです。
セカンドオピニオンはアリとしても 3件4件5件ともなると 結果的に収拾がつかない事態になってしまいませんか?
転々としてる間に 緩和医療やQOLしか選択がなくなるのは 愚かしい。

もしかしたら 最初の医師(病院)を それだけ信用できなかったのかも知れませんけどね。
突きつけられた現実を まず疑い 逃げたくなるのはよくわかりますし。

それにしても。
イノシシ生食を 信じて嬉々として食べるのは 一体?
数年前 ユッケで死亡者が出たり 生レバー禁止になったり 今度は鶏の生食がどうこうと話題になりましたが いつから日本人は肉類を生食するようになったのかしら と不思議です。

昭和のうちの母親は ボソボソになるまでキッチリ火を通す人でしたし、食卓に生肉なんて考えられない。
ましてや豚レバーなんて 豚の生は危ないって昔は常識でしたよ。

ユッケ事件で 6歳って幼い子にユッケ?生肉? あり得ないわ~ と思いながら見ていました。
日本人の食文化やそこに纏わる常識が変わったのかなんなのか。

ユッケやレバ刺しが 飲ん兵衛のツマミなら まだギリギリわからないでもないですけどね。
子供に与えるのは無用心すぎますよね。
TVやネットがどう発言しようと、子供に安全かどうかは頭使って考えなきゃ。

愛犬がおりますが 正直犬にも生肉なんてあげませんよ。
ちゃんと鶏は湯がいて。 牛は油なしで炒めて。
たかが犬ですが、口に入れるものには慎重でいるのが 保護者の責任です。

イノシシ。
グツグツ煮込んであっても まあ食べないかなー(笑)。
わざわざイノシシを食べる理由もないですし。
…こんなことを書きながら 「でも小学校の帰り道に、花を摘んで蜜をすすったっけ」とか ミカンの葉はおいしいとか 割れたザクロを友達とつまんだりしたのを思い出しました(笑)
生肉より不衛生ですね、お馬鹿さんでした。
新生活 (pepe)
2016-10-02 06:47:01
アンフェタミン先生、ご無沙汰しております。pepeです。
先生ほんとに公私にわたってご多忙ですね。お若い!(エネルギッシュという意味です。うらやましい!)
先生がお書きになったご本、ぜひ拝読させていただきたく楽しみにしております。血液学会の抄録集のうしろに南江堂の新刊、近刊の広告がありましたが、それではないのでしょうか?書店で入手できるようになりましたら、ぜひお教えください。

当方は、移植した同僚がアスペルギルス陽性になって、バタバタしておりました。(同僚が休んだり入院したりすると、その仕事は私が引き継ぐことになるので)
本日も、神田先生がいらっしゃる浅草での医真菌学会を覗いてみようかと思っていました。
同僚のこちら(愛知)での主治医である高見先生が謎の(笑)メーリスに同僚の件を投げましたら、当の神田先生からアドバイスがあったそうで、それで解決しましたので、今回は浅草に行かなくてすみました。(私が真菌学会に行ったところでどうなるものでもない) いやそれにかこつけて、30年ぶりくらいに浅草に行ってみたかっただけです。。。今半!!!電気ブラン!!!笑

血液学会といえば、二日目朝一の演者に先生のお名前が。今回は初日木曜の午前早い時間しか行けないので、先生の口演をお聞きできず残念です。
何はともあれ、先生の新生活が順風満帆に始まりますことを祈念しております。
ブログの更新、楽しみにしております。どうぞお元気で。
良かったです (アンフェタミン)
2016-10-04 21:46:32
>kojiroさん
こんばんは。コメントありがとうございます。

リンパ腫ではなかったということで、本当に良かったと思います。
少しでもこのブログが役に立ったのであれば、嬉しいです。

また、コメントいただければと存じます
腰がまだ不調です (アンフェタミン)
2016-10-04 21:53:05
>女王様さん
こんばんは。コメントありがとうございます。

腰は今朝までかなり調子が悪かったのですが、いまは少し良くなりました。

携帯から返信しているので、長く書けないのですが、医療否定本は時折患者さんの心をとらえるので大変です。

イノシシなどを生で食べることはないですが、馬刺しは好きです。関係ないですね(^◇^;)

また、コメントいただければと存じます。
ありがとうございます (アンフェタミン)
2016-10-04 21:58:53
>pepeさん
こんばんは。コメントありがとうございます。

本に関しては年末から年始を目標に進めています。専門医にも研修医にも使えるようにしたつもりです。

移植後はよくアスペルギルス抗原が偽陽性になるので、そのあたりの話でしょうか?

学会には参加できますが、明日から前日まで仕事で家から離れます。学会準備はできないまま突入です。

また、コメントいただければと存じます

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