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昨年4月の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)資料を分析した、文部科学省の委託研究結果が発表されました。全国の小学6年生と中学3年生のおよそ800人を対象に分析したそうですが、その分析結果が世間の耳目を集めています。
家庭の収入と親の学歴を「社会的経済的背景」として、4つの階層に分けて調べたところ、階層の高い家庭の子ほど、問題の平均正答率が高いことが分かったそうです。
この結果は、教育に携わる者にとって、肌感覚で認知していたことでしたが、文科省が委託研究費を出費した今回の調査で、あらためて認識させられた事実でした。
「家庭の収入と親の学歴」というファクターで分類した上の階層では、子どもに対する学校外教育費の支出額が多くなり、必然的に学習量も確保されることとなります。
また、家庭の経済的余裕度により、「家庭風土」と形容してもよい家庭の文化的生活度・教養度や家庭内の教育力に大きな差が出ると考えられます。例えば、学習スペース、参考書・辞書・文学書などの書籍類、学習用パソコン、絵画・彫刻・陶磁器などの美術品、そうした広範囲な「家庭の学習リソース」の差異が、子どもの学力差に表れている側面も指摘できるでしょう。
今回の調査で、経済的に不利な環境にある家庭の子でも、親が本や新聞を読むように勧めていたり、朝食などの生活習慣がしっかりしていたりする場合には、学力が高くなることも指摘しています。親の家庭内教育に対する意識や、躾とも言える生活習慣の良さが、家庭の経済力を補完する重要な要素になっているということです。けれどもこの事実も、今までのさまざまな調査結果を追認しているに過ぎません。
「子どもが小さいころ、絵本の読み聞かせをした」・「博物館や美術館に連れて行く」・「ニュースや新聞記事について子どもと話す」・「子どもにいろいろな体験の機会をつくるよう意識している」など、家庭内の教育の重要性を理解した保護者の元で育った子どもの学力は高くなります。
逆に、低学力層に位置する子どもを持つ保護者に多く見られる行動は、「テレビのワイドショーやバラエティ番組をよく見る」「携帯電話でゲームをする」「パチンコ・競馬・競輪に行く」「カラオケに行く」などであることは、かつて行われた「家庭背景と子どもの学力等の関係」調査などで示されていました。
子どもの学力に重要な影響を持つと考えられる、家庭における経済的要因の負の部分を補完する要素として、生活習慣を含む子どもの生活態度に対する、教育的側面に留意した躾が考えられます。そうした日々の自助努力は、大切でしょう。
けれども、家庭の経済的余裕度→→学校外教育費の支出額が増える・家庭の文化的生活度・教養度が高まる・家庭内の教育力が増す→→子どもの学力・教養・知的好奇心などが高まる、と言った図式があらためて認識させられた分析結果でした。
私は、こうした現状を肯定的に見る側に立っているわけではありません。けれども、私的な教育機関である学習塾を経営する立場でもあります。家庭の貧富の差が、子どもの学習の機会均等を損ない、その結果が次の世代にまで影響を与えるという悪循環の連鎖を断ち切る必要があると考えています。
私は数年前に、家庭の経済力が子どもの学力に影響を与える現状を是正するために、地域の教育力を高め、また中高年の方の力を活用して、子供たちの教育全般の向上を目指すNPO法人を立ち上げました。しかし、諸般の事由により志半ばでこの事業は頓挫気味ですが、このブログ読者を含め、周囲の協力を得て前進させたいと考えています。
公的な教育機関に、より多くの予算を計上するか、または家庭で出費する教育費に対して、何らかの形で行政支援が行われるといった取り組みが必要です。教育は、各家庭の問題でもありますが、本質的には国家の根幹に関わる問題であることをもっと真剣に考える必要があります。
上の画像は、ムラサキハナナとサクラ。下の画像は、ナノハナとサクラ。
ムラサキハナナの正式名称はオオアラセイトウで、ナノハナと同様にアブラナ科の植物です。
同じ時期に咲くムラサキハナナに似た植物に、ハナダイコンがありますが、区別ができますか?
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実は昨年に私もまちづくりでの塾をつくりたいと思って考え始めていたんですが、主人の介護で中断してしまいました。
今、どのようにまちづくりに関わるか思案中です。
空回りしてしまう可能性もあるので・・・・・
ある程度の持続可能性ということを考える必要があると思うんですよね。
保険業界とか生協とか社会貢献を教育に向けてもらい、居場所を提供するとかをしてもらうとありがたいと思います。
また、koderaさんもブログをお読みになっている藤村さんが、「まちづくり」に関わっていこうとお考えなのは、とても素晴らしいことだと思います。この「まちづくり」とは、都市化や少子高齢化によって、その機能が衰えた地域社会の結びつきと密接に関係する言葉として、使っていらっしゃるのではないかと思われます。
「まち」は、安全に、快適に、かつ心豊かに過ごせる場として、機能しなければなりません。そのためにも、人と人との結びつきが重要だと思います。その点に関して、まだまだ私たちがやらなければならないことが、山積しているようです。
けれども、そうした活動に関与するとき、藤村さんがおっしゃっている「持続可能性」は、大切なことです。花火のように、ぽ~んと上がって、それでおしまいというのは問題です。
躊躇はいけませんが、熟慮は必要です。