「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの教育:両国の大江戸博物館見学

2016年08月28日 | その他

 

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 上野の科学博物館を訪ねた4日後の8月16日、今度は両国の大江戸博物館へ出かけました。博物館へ行きたいという小学2年生の希望で、佐倉の国立民族学博物館へ行くことを初めに考えました。けれども、駅に掲示されていた大江戸博物館の特別展示「大妖怪展」を思い出し、連れていくことにしました。

 「土偶から妖怪ウオッチまで」というサブタイトルを、2年生はしっかりと覚えていて、大江戸博物館へ行くことに賛成しました。ただ、多くは子どものための展示ではなく、日本画や浮世絵の世界だろうと思いましたが、どの程度妖怪ウオッチ的な子ども用展示があるのかは、疑問でした。

 結論から言えば、大人用のたいへんマニアックな絵画を中心とした展示でした。最後の一室に、申し訳程度に土偶と妖怪ウオッチに登場するキャラクターの人形が飾ってあるだけでした。

 日本には八百万の神々がいらっしゃるということですが、こうした国では、その数に引けを取らない妖怪や悪魔的な存在を創出することになります。宗教的な恐ろしい存在や、自然を畏怖する心から生まれたものや、最近ではとても滑稽で身近な存在として親しまれているものまでいます。

 このような存在を、絵画や版画やあるいは立体として表現してきた美術的な作品群が日本にはあります。そうした作品からチョイスして展示したのが、今回の特別展でした。

 今回の展示の多くは、子どもには難しい絵画ですので、2年生のために音声ガイダンスレシーバーを借りて、ヘッドフォンを着けて鑑賞させました。けれども、後から感想を聞くと、解説はさっぱりわからなかったという反応でした。2年生としては語彙も豊富で理解力もあるのですが、さすがにオタク美術品の解説は難しかったようです。

 私は、子どものペースに合わすことなく、私なりにこのオタク文化とも言えるちょっと奇怪な文化を楽しみました。ただ、子ども向け展示もあるようなタイトルからすれば、「看板に偽りあり」と評価されても仕方の無い特別展でした。



 ただ、大江戸博物館は特別展がだめでも、常設展示だけでも十分に楽しむことができます。大江戸博物館は、若干のリニューアルがあり、以前よりは興味を持てる展示が増えました。しかし、入場者には、外国人や子どもが多いので、今よりもいっそう体験型展示を増やすべきでしょう。体験型展示をキーワードに、運営側は意識改革をして展示方法を見直してほしいと思います。

 ただし、古典芸能を観賞できるスペースが無くなり、そこにあった椅子が分散され、休憩スペースが増えたといった印象を受けます。見世物の企画や出演者交渉などの手間も中止の理由でしょう。しかし、古典芸能の観賞も、体験型展示の一方法でしたので、復活を望みたいと思います。





 館内いたるところに設置された縮尺模型展示(ジオラマ)は、江戸時代の建造物や人々の生活を鳥瞰的に眺めることができます。いわば、タイムマシーンを使って、その時代にさかのぼり、上空から実際に見ているようなものです。

 ジオラマは、細かい資料などの文字説明よりも説得力がありますが、費用をかけた設置物を入館者に受動的に鑑賞させるだけでは、博物館の本来持っている役割を果たしているとは言えません。






 今回リニューアルして改善されたことは、江戸時代の生活を仮体験できる展示物が増えたことです。これは、館内の外国からの観光客にも好評なようですし、子どもたちにも興味を持たせています。もっとこうした展示を、思い切って増やすことを、私は提案したいと思います。





 多くの入館者が、物を運ぶ籠付きの天秤千両箱を、実際に持ってその重さを体験していました。費用をかけずに、江戸時代の生活に興味を持ち理解してもらうためには、こうした体験型展示が重要なキーワードと言えます。

 人力車や昔の自転車は、実際に乗ることができ、子どもだけではなく大人もそれらに乗って楽しんでいました。仔細に入館者の行動や反応を分析すれば、おのずと思い切った展示方法の変更の必要性が理解できるはずです。未だに旧態依然とした展示を続けている博物館は、運営上怠慢だといえます。

 小学2年生にとっては、特別展示「大妖怪展」は外れでしたが、常設展示はリニューアルされて、以前よりも楽しめた見学になりました。





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