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ネット上で感情的でクレーマー的な主張を撒き散らす者達が使用する共通語彙の一つとして、「絶対」という言葉があります。「絶対許されない。」「~は絶対ありえねー。」など、絶対という言葉が極めて安易に使われます。
非論理的かつ感情的な主張の対極にあり、厳然と存在する「絶対」という語彙を多用することにより、反論に対する防御姿勢をとっているとも言えます。非論理的で感情が先行する主張は、他の考えを熟慮できる余裕は無く、故に非妥協的で、果ては相手を誹謗中傷することも厭わない結果となっているようです。
教育関連の話題さえも同様です。例えば、「5箱あって、それぞれに10個のクッキーが入っている。クッキーの総数は?」という設問を例に挙げ、「私は5が10個分と自然に思い浮かぶ。」という考えを述べて、自分の考えを主張している者がいます。答えを出すだけなら、5×10で50だなと大人が考えることは勝手です。しかし、自分が思いついた5箱×10個=50個という支離滅裂な式を、これから考える力を身につけようとする小学校低学年に対する学習指導にも使うべきだという安直な考えは、大きな間違いです。
この人物は、「答えが合えば式のたて方はどうでもよい」と主張していますが、学校や塾のプロ教師が、常に研究し試行錯誤している教科指導の努力を、いとも単簡に否定しています。自分の考えを式に書き表すことが、子どもが論理的に考える力を深め、算数の学習目的でもあることを、理解していない主張と言えるでしょう。常に匿名で自分の主張を述べているので、どういった人物か不明ですが、言動に責任を持つ意識は希薄なようです。少なくとも、子どもに対する学習指導経験が無いことは、確かです。
進学塾では稀ですが、公立小中学校の指導経験を踏まえて、私は次のような例を挙げて、論理的に式を立てることができない子どもの問題点を、指摘することがあります。「100円のお菓子を2つ買った時の代金は?」という問に対して、100+2=102円という答えや、時には100÷2=50円という答えが返ってくることがあります。
本当ですか? それは本当です! このように、与えられた数値を、しっかりと理解しないまま反射的に答えを出そうとする解き方を、「100円のお菓子2個で102円方式」と私は呼んでいます。このように日常扱うレベルの計算さえも、物事を論理的に考えることをしない子どもは、ミスをしてしまいます。公立小中学校の教師であれば、「102円方式」の解き方を、実感を持って納得できるでしょう。日常的に取り扱う数値感覚が身についていない子どもに対しては、情景図や模式図等を使い、手順を追って指導する教師の努力と忍耐が必要です。
さて、以上のような問題点をクリアし、子どもの算数学習を、効果的に指導するためのテクニックを簡単に教えましょう。まずは、問題の条件を整理することを指導します。これは、なにも入試問題解法だけではなく、上記の問題レベルさえも場合によっては必要です。
100円と書かれたお菓子を2つ、実際に情景図としてノートに書きます。その図を見ながら、どうしたら代金を出すことができるか、考えさせます。下手な指導者は、直ぐに式を書かせて、100+2=102円ですか?……違うんじゃないの! では100-2=98円ですか?……違うね! じゃあ100÷2=50円ですか?………このような指導法は、答えが合えばそれで良しとする、最初に指摘した者と同様の指導法といえるでしょう。
「102円方式」の子どもには、情景図を参考に、「100円のお菓子をまず1つ買うと100円。その後でもうひとつ買えば、また100円。だから、100+100=200円となり、100円が2つ分だから、100×2=200円という式を書いて求めることができるよ。」……こんな風に指導する必要があります。
また、条件を整理すること無く、「~ですか。じゃあ~ですか。それとも~ですか……」方式で答えを「当てよう」としている子どもに対して、注意を喚起するために「102円方式」を持ち出すことがあります。
問題のレベルが上がると、どういったジャンルの問題で、どのように条件を整理する問題かを、まず考えさせます。全ての解法は、既に経験したものから類推して導き出すので、全く発想が湧かない場合、その問題を離れて、知識として持つべき基本からやり直すべきです。
条件を整理→→各種図を書く→→この後に、その考えを式に定着させます。式をいい加減に書いて、答えが合っているかどうかだけが気になる子どもがいます。多くの問題を解いても、学力がアップしない子どもの、これは共通したスタンスです。
問題を解く行為は、答えを出すことが目的ではなく、そうした問題の解き方を経験し、活用できる知識を修得することが大切だと考えてください。自分が書いた式を説明させることは、考え方を反復することで知識を定着させる良い方法です。
簡単にヒントを与えないこと。解くきっかけを、子ども自らが考える、また解く気力を身につけさせることが大切です。もっと言えば、教える者が、子どもの考えることの障害とならないことが必要です。「え~と、1kmは、何メートルだっけ?」・「1kmは、1000mでしょ!」、「えーと、円の面積を求める公式は…?」・「半径×半径×円周率でしょ!」……。
これでは、算数の学習指導になりません。手取り足取り教えて、「先生(お父さんorお母さん)の教え方、よく分かる~!」などと子どもに言われていい気になっていると、実は全然成果が上がっていない指導だったということは、稀ではありません。
算数の指導は、子どもが論理的に、かつ持続的に考えることを、どれだけ支援できたのか、そこが最も大切です。
上の画像は、この時期に咲いているヒマワリ・トケイソウ・ワルナスビの花です。
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さらに重要なのは、入社試験で良い会社が正しい小論文を課すのも、論旨が論理的な説明がなされている人を二次試験で面接したっからです。評価ポイントはほとんど同じかも。良い小論文問題でまず受験者の未来が見えます。
従って、正しい算数を良い塾長に習った生徒さんの未来は明るいということでしょう。
論理的でない感情的な発言をする大人が増えたような気がしています。少しでもお役に立ちたいと期待している今日この頃です。
今後ともよろしくお願いいたします。
親も忙しくてなかなか子どもの言い分に耳を傾けることが
できなかったりします。
私が子どものころは、学校の先生方は時間に余裕があって、意見がいろいろ出て学級会というものが楽しかったような気がします。
ネット空間で子どもの自由な意見がくみとれるようにすることはできないものでしょうか。
自分の意見をしっかり述べ、他の人の意見を聴く
ということが大事そうです。