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「一問必答」は、「一問一答」に掛けた造語として、今回のシリーズで用います。入試問題算数の初めに出題される計算・一行題は、その学校に合格するために、ぜひ正解してほしい問題です。そうした問題の中で、特に経験的に修得すべき基礎的知識を含む問題を取り上げ、ポイントを解説します。保護者の皆さんや、受験を考えている小学校高学年の子どもが、興味を持てるように綴ります。
私は毎年、その年に出題された入試問題のほとんどに必ず目を通します。毎年出題されるスタンダードな問題・条件を複雑にした凝った問題・難問奇問に該当する問題・新傾向の問題など、様々な問題が各学校の入学試験に出題されます。
図形では、回転移動・転がり移動・対称移動など、大きな枠組みで理解していなければならない問題があります。一方、経験的に覚えておかないと、解法の糸口が見つけられない問題もあります。
今回取り上げる問題は、今年の春に出題された問題の中で、ちょっと頭に入れておいて、ぜひ正解してほしいものを取り上げます。
中学入試問題の算数で、合否を決める問題があるとすれば、それは『出来て当然の問題』と断言できます。各学校で問題レベルは異なりますが、合格するためには、そうした問題を落とさないことが大切です。そうした問題を間違える受験生は、重要事項を覚えていなかったり、ケアレスミスをしてしまうなど、日ごろの学習の質が問題になります。
前口上はそのくらいにして、今日の問題に入ります。取り上げる問題は、分数数列の和の問題です。この計算は、高校で本格的に学習する内容です。けれども、数値の規則性を理解すれば、計算の工夫の面白さがあります。この計算は、大変な手間を掛けて通分しても計算できます。しかし、それでは貴重な時間をロスしてしまいます。計算問題ですが、唯一その計算方法を覚えておく必要がある問題です。
【今春の入試問題】 (注:以下の数式は、実際の入試問題の分数表記とは異なります。)
1.成城学園中学校
1/5×6+1/6×7+1/7×8+1/8×9=
2.立教女学院中学校
1/12+1/20+19/24+1/30+1/42+1/56=
3.早稲田大学高等学院中学部
1/3+1/15+1/35+1/63+1/99=
出来れば、このシリーズで取り上げる入試問題は、以下で示した解答・解説を見ずに、まずは自力で解いてみることをお勧めします。大人には頭の体操になりますし、また受験生は、算数に対する興味や面白さが、倍増するはずです!
【解答と理解しておくべきポイント】
1番の成城学園の問題が、この計算方法を示しています。分子が1で、分母が連続する2つの整数の積となっていて、それぞれの分数の分母の数を見ると、連続しているといったことが特徴です。このように、解き方のヒントを示した出題形式の学校も多く見られます。
ところで、1/30=1/5×6=1/5-1/6 となることは理解できるでしょうか。
通分を考えると、1/5-1/6=(6-5)/5×6=1/5×6=1/30 となりますが、この逆を利用したわけです。
するとこの式は、以下のように書き換えることが出来ます。
1/5×6+1/6×7+1/7×8+1/8×9
=(1/5-1/6)+(1/6-1/7)+(1/7-1/8)+(1/8-1/9)
上の式から、最初の1/5と最後の-1/9を除いた分数は、 -1/6+1/6-1/7+1/7-1/8+1/8=0 と計算され0となってしまいます。よって、上の式を続けると、
=1/5-1/9
=4/45
この式をそのまま通分すると、分母は2520となり、大変な計算をすることになります。
2番目の立教女学院の問題は、上の解き方を利用しますが、余計な分数(下の青色の分数)が一つありますので、交換の法則で最後にまわします。
1/12+1/20+1/30+1/42+1/56+19/24
=1/3×4+1/4×5+1/5×6+1/6×7+1/7×8+19/24
=(1/3-1/4)+(1/4-1/5)+(1/5-1/6)+(1/6-1/7)+(1/7-1/8)+19/24
やはり、-1/4+1/4-1/5+1/5-1/6+1/6-1/7+1/7 の部分は0となりますから、
=1/3-1/8+19/24
=5/24+19/24
=1
では、3番目の早大学院の問題はどうでしょう。
それぞれの分数の分母を2数の積の形に表すと、1×3、3×5、5×7、7×9、9×11 となり、連続する2つの整数の積とはなりません。
また、今までと同様に考えると、1/3=1/1×3=1/1-1/3=2/3 となって、等式が成り立ちません。
そこで1/3=1/1×3=(1/1-1/3)÷2(または×1/2)と置いてみたらどうでしょう。
1/3+1/15+1/35+1/63+1/99
=(1/1-1/3+1/3-1/5+1/5-1/7+1/7-1/9+1/9-1/11)×1/2
=(1-1/11)×1/2
=10/11×1/2
=5/11
以上のように、この式の書き換えを使うと、ほぼ筆算を必要とせずに、素早く答えを出すことができる問題です。計算問題集には、必ず載っている問題ですので、まじめに計算練習をしているかどうか試す問題と言ってよいでしょう。
今回取り上げた問題は、以前にも紹介していますので、興味のある方は以下のブログをご覧ください。
マッキーが教える入試問題・算数…分数の数列の和をどう解くか
今回取り上げた計算問題は、連除法で分母の最小公倍数を求め、一般的な分数計算のように通分する方法で行うと、大変な計算となります。当然に時間がかかり過ぎ、計算ミスも多くなります。
問題中の数値の規則性を利用して解く、この方法を覚えておくと良いでしょう。今回が、このテーマの初回でしたが、引き続き今春の入試問題から、経験的に理解しておくべき典型的な問題をピックアップして、皆さんに紹介しましょう。
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受験しない子どもたちがマッキーさんのこのブログを見て「難問」を解くコツを知っておくこともいいかもしれませんね。算数や数学に興味をもってもらえそうです☆
私からの数学の得点アップのコツは・・・・・
ケアレスミスをなくすることです。
計算を早くきれいに書く習慣が大事だと思います。
また、問題を注意して読むことも必要でしょうね。
そのために呼吸を整える
そのために試験用紙にまずきれいに名前を書く
といったことをおススメします。
日頃の学習の質に問題がありますが、計算が雑だったり、ノートをチェックすると、その原因が分かります。
「試験用紙にまずきれいに名前を書く」という指摘は、特に入試ではとても良いアドバイスだと思います。
数問だけ程度の高い問題を加える。
ということにすれば、教師は問題づくりも苦労せず、生徒も勉強をするのではないでしょうか。
勉強しても良い点がとれない、というのが数学嫌いを増やしているようです。
あらかじめ提示しておくと、少しレベルの高い問題でも点数が取れますし、数学の得意な生徒もケアレスミスをしないで済むかもしれません。
提示する問題は最重要な問題にして、その場限りの勉強にならないようにしてほしいですね。
試験の点数がよいと数学が好きになる
ということにもっと着目するべきで、数学が好きなのに点数がとれないので嫌いになった、ということにならない工夫が教師側に必要だと思います。
何万回と書くわけですから、当然といえば当然のようなんですが樹木に関心を持っております。
女性の場合、結婚して姓が変わったりしますが、
私の場合も藤村に変わり、どういうわけか「島崎藤村」に
興味を持つことになりました。
名前を丁寧に書くことは、命を粗末にしないことにつながるんじゃないでしょうか。
与えられた教材を真面目にやっていれば、多くの学校ではかなりの得点が期待できます。また、定期試験対策用のプリントが渡される学校では、その問題をやっていれば、とんでもないことにはならないようになっています。高校は、義務教育ではないので、各学校のレベルに応じた学習目標をたて、指導しています。ですから、学校によって全く異なっているとも言えます。
ところで、名前はその人の人生にとって、藤村さんがおっしゃるように、とても大切な影響を与えているように感じます。
それはとても不思議なことでもあります。
「5つの続いた整数の和は5の倍数」になりました。^^