中田市長の身に何が?首長連合さらにトーンダウン | 永田町異聞

中田市長の身に何が?首長連合さらにトーンダウン

横浜の中田市長の身に何が起こっているのだろう。


突然の辞表提出。衆院選と市長選をダブルでやったほうが10億円経費が安くつくだとか、辞任会見で説得力のない理由をいくつか並べたが、いかにも苦しい弁明だ。


あと7ヶ月を残す任期途中で、横浜という360万人都市の市長を、投げ出すのは尋常ではない。政治家が大切にすべき引き際だけに、この唐突さにはどこか、いかがわしさを感じる。


これでは、さまざまな憶測をよぶのもやむをえないだろう。誰かに何かで脅されているとか、よほどの事情が身に降りかかっているとしか、思えない。


中田市長はこれまでにも、女性スキャンダルが週刊誌で報じられたり、女性から訴訟を起こされたり、やや私生活で脇が甘いところがあるようだ。


市の行政改革などで高い評価を受ける一方、マリンタワーにからむ金銭疑惑を市議会で追及されるなど、なにかと噂の絶えない人物でもある。


読売新聞は、この不可解な辞任劇について「今秋にも首長らによる政治グループを設立すると表明しており、関係者は国政復帰をにらんだ動きとみている」と書いている。


そんなポジティブな行動にはとても見えないのだが、どうだろうか。中田市長が金持ちかどうかは知らないが、無職になって、どうやって食べていくのだろう。政治グループでは、通常、私的な収入は見込めない。


笑顔をとりつくろった会見に、どこか「逃げ」の空気を感じるのはきわめて残念だ。もちろん、筆者の気のせいかもしれない。


ただ、せっかく、地方分権をめざして声を上げた首長連合が、ますますトーンダウンしていく懸念を抱かざるを得ない。市長だからこそ、橋下知事らとの連携に意味があったはずだ。


首長連合がどこか色あせてしまったのは、橋下知事や中田市長らが、総選挙をチャンスとみて、政党のマニフェストに圧力をかけはじめたことが、一般国民から見ると、やや傲慢に映ったためではないか。


東国原知事が自民党からの出馬の条件として、マニフェストを知事会の要望に合わせるよう要求したのと基本的には同じだ。


こうしたやり方は、あまり上品とはいえない。霞ヶ関の解体と地方分権には大賛成だが、相手の弱みにつけこんだ印象はぬぐえない。


ことを急いで、政党の自主的であるべきマニフェストづくりに、あれこれ注文をつけ、自分たちの主張が盛り込まれていなければ「これはダメ」と烙印を押すのでは、駄々っ子と同じである。


橋下知事らに期待しているからこそ、あえて苦言を呈した。橋下知事はパワーゲームという言葉をよく使うようで、それもけっこうだが、駆け引きが過剰になると、東国原知事の二の舞になりかねない。


さて、橋下知事らが注目している自民党のマニフェストは31日に正式発表されるという。


筆者がひそかに関心を抱いているのは、自民党がマニフェストを発表するさい、前回総選挙の公約がどこまで実行されたかについての誠実な報告があるかどうかだ。


それがなければ、政権を担ってきた党として、責任ある態度とはいえないだろう。


公約が実行されていればこそ、新しいマニフェストの信頼性が高まる。


逆の場合は、橋下知事がのぞむような文言で地方分権の推進が書かれているとしても、お題目に終わる可能性が高い。


橋下知事は、マニフェストを見て各政党の地方分権に対する意欲を比較するというが、筆者に言わせれば、地方分権改革推進委員会の提言に対する麻生首相の消極姿勢だけを見ても、麻生自民党の本音は明白だ。


霞ヶ関を解体し、既得権を分け合う族議員を駆逐しない限り、地方分権は絵に描いた餅なのである。


要は自民党の解党的出直しができるかどうかが重要なのだが、選挙に勝てば、そんな危機感に満ちた前向きの課題はどこかへすっ飛んでいくに違いない。


自民党マニフェストに対する橋下知事のコメントは、逆に彼の見識を問われるものとなるだろう。


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