国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

餘部橋梁物語、その後 第9話 最終回

2016-10-13 22:01:34 | 妄想小説?
すみません、いよいよこのお話も最終回となりました。
二人は結婚して幸せに暮らしました・・・お終い。

なんて書いたら怒られそうですよね。(^^♪

ということで、余部橋梁物語その後、始めさせていただきたいと思います。

> 女将が俯きながら、「猫尾さんが嫌じゃなかったら。夫婦になりたい。」
> 猫尾にしても反対する理由もありませんが、まさかこんな展開になろうとは夢にも思いませんからアタフタするばかり。
> まぁ、そんな二人ですが、お互いの気持ちも分かったところで…これから先はどうなってくのでしょうか?
> 次回最終回の予定ですが、その結末はまだ考えていません。苦笑

ひょんなことから、お互い言い出せなかった言葉、孝の機転でその恋は急展開

ふと、猫尾が女将の店に掛けてある時計に目を見やると、7時半を指しています。
イケねぇ、今日は8時に現場だったから間に合うかな。

ちょっと焦り顔の猫尾、

女将は、顔を赤らめながら、「気をつけて、・・・あんた。」
小さな声で呟くのでした。

猫尾は聞こえましたがわざと聞こえないふりをして、

 「お、お、女将、い、い、行ってくるわ。」と叫ぶのでした。

孝が茶化して、

「似合いの二人」と叫びます。

女将も嬉しいのですが恥ずかしいものですから、孝の腕をつねります。

「痛いなぁ、浩ちゃん」

孝がちょっと睨みながら、それでも目が笑っているので本心で起こっているわけではないことは判っています。
更に孝が女将に話しかけます。

「浩ちゃん、良かったじゃあないか。素敵な旦那さんが見つかって。あの人なら真面目だしきっと浩ちゃんを幸せにしてくれるんじゃないかな。」

女将も知っていました、真面目でそのくせ生き方が下手で人の世話を焼くのは好きだけど自分のことになるととんと無頓着というか気にしなくて、いつも自分を後回しにするそんな人だということを。

猫尾は、先ほど叫んだかと思うともう自転車ですっ飛ばして姿が見えなくなっています。

孝が女将に話しかけます。

「浩ちゃん、どうせなら猫尾さんにお弁当届けてあげたら?」

孝の提案に頷く女将でした。

まさかまさかの展開、それもこれも良くも悪くも孝のおかけでした。

時間はあっという間に過ぎて気が付けば11時過ぎ、女将は猫尾のために弁当を精一杯作っていくのでした。

それを横から見て茶化す孝、

そんなに茶化すんじゃないよ、女将も嬉しそうです。

今の現場は女将も聞いていましたので、女将は弁当を風呂敷包に入れると猫尾の松現場に向かうのでした。

孝も、一緒に店を出ます。
「浩ちゃん、俺もそろそろ帰るわ、遅くなるとおっかあ心配するからなぁ。」

そういって、一緒に店を出る孝。

歩いて40分ほどでしょうか、近くは無い距離に猫尾たちの作業現場は有りました。
それを目ざとく見つけたのは親方でした。

 「お、女将、猫に会いに来たのか・・・。」

笑ながら話しかける親方に、これまた女将は赤い顔に。

それをみて、「かかか・・・」と大笑いする親方。こちらも中々豪快です。

親方が猫尾を呼び出します。

 「猫、猫はいるか・・・近くの人夫に猫尾を呼んでくるように伝えます。

猫尾にしてみればおやっさんが呼んでいると言うので取るものも取らず飛んで来たら・・・目の前に女将がいる。
びっくりしたのは猫尾の方で、

 「お、お、女将」・・・。

親方がそれを察して話します。

「女将が、お前に会いたいってよ。きっとのその包みは弁当だろう。良いなぁ愛妻弁当。」

猫尾と女将双方に恥ずかしそうに顔を赤くしています。

そんな二人を見て、結婚式の時は嫁さん連れて来るからなぁと話す孝。

親方も、そうかそうか、
それじゃ、俺が仲人になってやるから祝言あげちまえ一層たきつける親方でした。

そんな周りの応援もあって、それから半年後二人は正式に祝言を上げることとなり親方の仲人で近くの神社で結婚の儀を行うこととなりました。

猫尾の勘違いから始まったこのお話ひとまずはこれで大団円でございます。

長らくお付き合いいただきありがとうございました。


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