9月11日
今日は、缶ビールの話をしましょう。
これは非常に大事な話です。
ゆめゆめ他人事などと思わないように。
それと、この話は決して笑い話ではありませんからね。
誰にでも起こり得る恐怖とでも申しましょうか。
缶ビールとどんな関係があるのか・・・とお思いでしょう。
それがあるのです。
大いにあるんですよこれが。
※ ※ ※ ※ ※
俺は冷蔵庫を開けた。
あっ!・・・と思ったね。
ビールがない!
気づかなかった。
俺はビールには目がない。
毎日飲む。
飲まずにはいられない。
飲まないと死んでしまう。
そう言ってもいい。
そのビールが・・・ない。
俺は妻に言った。
「おいおい、勘弁してくれよ。ビールがないじゃないか!」
妻
「ゴメン、忘れてた。今日は忙しいから買ってきてよ」
仕方ない。
俺が飲むものだ。
忙しいのに買って来てくれとは言えん。
俺は近くのイオンで買ってくることにした。
歩いては行けない。
あああ~~面倒くさいなぁ~~
しかし、ビールのためだ。我慢しよう。
妻
「あ、それと・・ついでに納豆とキャベツと大根、あと焼酎も買ってきてもらえる?」
焼酎も俺が毎日飲んでいるものだ。
そろそろ、なくなるらしい。
まあいいか。
ビールのついでに買えばいい。
俺はそれぞれの代金を貰い、買い物に出かけた。
イオンに到着。
「えと・・・納豆にキャベツ・・・あと何だっけかな??」
紙に書いてくりゃよかったよ。
俺はブツブツ言いながら、買い物を続ける。
「確か・・・大根だったな。・・・あとは・・・」
そうだそうだ。
焼酎だ、焼酎だ。
これを忘れちゃイカンね。
ヒヒヒ。
何とも下卑た笑いを浮かべながら、焼酎を買った。
甲乙混和の芋焼酎「こくいも」
これがまた、安いわりに美味い。
何とも言えずに美味いのよ、これがまたね。
レジの女性に変な眼で見られたかも知れんな。
まあまあいいじゃないか。
晩酌は至福の時間だ。
他人の眼などどうでもいい。
さあ、帰ろう。
家に戻り、俺は買ってきたモノとレシートを妻に渡した。
???
怪訝な表情で妻は俺に言った。
「あれ?ビールは買って来なかったの?」
( ゚ ▽ ゚ ;)
( ゚ ▽ ゚ ;)
( ゚ ▽ ゚ ;)
ビールを買いに行って・・・
ビールのついでに買い物を頼まれて・・・
その・・
ついでの
商品だけ
買って
帰って来る!
俺は一体何を買いに行ったのだろう。
※ ※ ※ ※ ※
これは単なる物忘れですかね?
いや違う。
キャベツを忘れたとか大根を忘れたならいいですよ。
忘れたのはビールですよ、ビール。
あんなに嬉々として買いに出かけたのに
そのビールだけ買わずに帰って来るというこの行為。
キャベツとか大根を忘れたのならば、物忘れで済む。
しかし、ビールを忘れたのは物忘れではすまない。
これは完全に認知症だ。