M病院へ到着するなり、バタバタと沢山の検査が行われました。
内診、採血、採尿、レントゲン撮影、NST・・・
仰向けに寝かされている私の周囲で、4~5人の看護師さん達が忙しく動き回っています。
当直の産科医は、30代前半(?)と思われる、
I先生という女性の方でした。
若手の女医さんというだけでなんとなくホッとしたのも束の間、
彼女のすぐそばにくっついている、やはり「~ッス」口調の
オレンジ頭(ヤンキー風)のお兄さんにビクッ。
救急車に引き続き・・・というわけではないんですが
彼もまた明らかに新人・・・といいますか、研修生風。
私の内診のときも、終始I先生につきっきりで、
すぐ隣で指導を受けているのです。(←タメ口混じりで)
ちなみに、M病院には有名な医療系大学が併設されています。
これは大病院ならではのことでしょうが・・・、
おっさんとか、ガリ勉風の学生ならまだしも・・・。。
ほんっと気まずい・・・
もう、気まずさMAXでした。(←意味…わかりますよね?)
そうこうしているうちに旦那さんが病院に到着し、一緒に入院についての説明を受けることに。
先生「切迫早産ということで、もともとの帝王切開予定の11月末までの管理入院になります。
点滴で、いつまでもつかはちょっとわかりませんが・・・まあ、一緒にがんばりましょう!
あ、あと、mananiさんはICUへの入院になりますので、
そちらでの説明もよく聞かれてくださいね」
私&旦那さん「は、はいっ」
・・・・・ん?
・・・なんか今、先生、サクッとすごいこと言わなかった・・・?
私「・・・・ねえ、いま、なんかICUとか聞こえたんだけど、気のせい・・・・?」
旦那「えうっそ。聞き間違いじゃないの」
私「アハハ・・・、そうだよね~」
しかし。
勿論それは、聞き間違いなどではなかったのです。
すぐにICU担当の当直の看護師さんが私を迎えにやってきました。
え?え?ちょっと、マジで・・・・!?
ICUって・・・ICUって、アレよね!?
ドラマなどで見る、外部から完全隔離された集中治療室を思い浮かべる私。
しゅ・・・集中治療室で、50日近く管理入院ーーーー!?!?
ということは、出産するまで(多分)お風呂にも入れず
(多分)トイレはポータブルとか・・・、そ、そんな感じーーー!?
一瞬パニックになりそうになりましたが、車椅子に乗せられて着いたICUは、
妊婦さんが周囲を普通にウロウロ歩き周り、普通にお風呂に入りトイレにも行き、
10人分くらいあるベッド間の仕切りはカーテンのみ、
特に他のフロアとビッチリ隔離されているわけでもない・・・
という、
なんだかICUっぽくないICUだったのでした。
私に関しても、あまりウロウロしすぎなければ起き上がって歩いても構わない
という説明を受け、それなら前回(双子出産)の管理入院とそう変わらないな、
と一応ホッとひと安心。
入院にも点滴にも多少慣れてるし…まあ大丈夫だろう。
なんかむしろ家のことのほうが心配だなぁ。
双子はどうしてるかな…。
と、数々の検査を受け張り止めの点滴をつけ
ベッド上にいったん落ち着いたことで少々気持ちに余裕が出てきて、
家のことについて心配しはじめたときでした。
入院についての資料を手に旦那さんが戻ってきて、おもむろに言いました。
旦「今、入院についての説明いろいろ聞いてきた~。
mananiさ~、もう、双子にはしばらく会えないみたいよ。」
・・・え?
私「え?なにそれ。なんで・・・??」
旦「いや、なんかここ(ICU)って面会に制限があるらしくてさ~。
子供は面会ダメみたいなんよね。夫と両親と義両親と、あと、自分の兄弟しか
お見舞いに来ちゃダメなんだって。わりと厳しいよねえ」
私「・・・・・。
あ、そうなんだね・・・。
ふ~ん、そう・・・。。。」
・・・・・。
その後、入院資料を眺めながら説明を続ける旦那さん。
旦「あ、それとさ~、」
ふと言いかけてこちらを見た旦那さんの顔が、
強張ったのがわかりました。
それまで普通に旦那さんの説明を聞いて「ふーん」とか「へえ」とか
適当に返事をしていた私の目から、ボロボロボロボロ、
急に涙があふれて、こぼれ出したのです。
このとき本当に久しぶりに、旦那さんの「本気で驚いた顔」を見ました。
自分で言うのもなんですが、私はもともとの性質からか、
けっこう大変なことが起こっても割としらっとしている部分があるというか、
動揺したり泣いたりということがあまり無いのです。
(↑大変な時ほどなぜかしらっとしています…)
今思い出してみるとおかしいんですが、ついさっきまで
淡々とした気分でいたのに、突然泣いてしまったことに自分で驚き、
かなり動揺してしまいました。
拭っても拭っても、涙の防波堤か何かが決壊してしまったかのように
とめどなく涙があふれ出て、止まらないのです。
ギュッと目頭を押さえた手のひらの内側に、
すりよって甘えてくるときのすーちゃんの笑顔と、
玄関で見送ってくれたときのちーちゃんの心配そうな姿が浮かびました。
・・・・
もし運良く早産を止めることができてフルに入院したとしても、
たかだか1か月ちょっとです。
このたかだか1か月ちょっとのあいだ、双子に会えないということが、
自分にとってこんなにも、
身を切られるように辛いことだったなんて。
このとき初めて、そのことを思い知らされました。
考えてみれば、双子が生まれてから3年ちょっと、1日だって
彼らと離れていたことはありませんでした。
それなのに、明日からふたりの顔を見ることもできないの…。
ついにヒックヒック嗚咽を上げ始める私のベッドサイドで、
あまりに突然のことに旦那さんは何を言っていいか
わからない様子で、しばらくの間、半分口を開けたまま私を見ていました。
・・・ああ、泣いてしまった・・・。
旦那さん・・・口開いてるし。
ああ、どうしよう、この状況・・・。
私の頭は、固まってしまったこの状況をなんとか打開すべく、嗚咽を上げながらも目まぐるしく回転していました。
しかしそのとき、更に気まずいことにさきほどの看護師さんがやってきて
私が早産の不安から泣き出してしまったと思ったらしく
「あらあら~、泣いちゃったのね。怖いよね。だいじょうぶだいじょうぶ。」
と傍らに座り、笑顔で声をかけてくださいました。
私「い、いえ…はっ、ハイ。すびばせん…」
うう・・・見られちゃったよ、みっともない~。
いい歳こいて思いっきり鼻水垂れてるし。。
旦那さん、なんかフォローしてよ~・・・
もう本当に本当に、穴があったら入りたい気分でした…。
そのとき、それまで黙っていた旦那さん、とつぜん
私の頭を手のひらでポンポンしながら
旦「そうそう、manani、だいじょうぶだいじょうぶ!
ちゃんといい子で入院してたら、また双子に会えるからっっ!
だから、いい子で入院してよう!なっ」
私「・・・・・・」
なんじゃそのお子様(駄々っ子)扱いはーーー!!!!
余計はずかしいぃぃぃーーー!!!!
旦那さんはアハハと笑い、看護師さんも大笑い。
しかしこの言葉で、なんだかシリアスに泣いているのがアホらしくなってきてしまい(笑)
「とりあえず限界までマイペースでがんばってみよう」と
いつもの自分の調子を取り戻すことができました。
前回の管理入院でも点滴マックスまで頑張れたし、
自分さえ頑張っていれば、張りが止まらなくなったり、破水したり
しないかぎりはなんとかもう少し週数を伸ばせるはず。
よしっ、がんばるぞ!!!
・・・と誓ったこの一週間後、
ドタバタの出産劇になろうとは。
このときは想像もしていませんでした。
それも、・・・・前回帝王切開だったにもかかわらず、まさか
『下からのお産』になろうとは・・・・!!!!
内診、採血、採尿、レントゲン撮影、NST・・・
仰向けに寝かされている私の周囲で、4~5人の看護師さん達が忙しく動き回っています。
当直の産科医は、30代前半(?)と思われる、
I先生という女性の方でした。
若手の女医さんというだけでなんとなくホッとしたのも束の間、
彼女のすぐそばにくっついている、やはり「~ッス」口調の
オレンジ頭(ヤンキー風)のお兄さんにビクッ。
救急車に引き続き・・・というわけではないんですが
彼もまた明らかに新人・・・といいますか、研修生風。
私の内診のときも、終始I先生につきっきりで、
すぐ隣で指導を受けているのです。(←タメ口混じりで)
ちなみに、M病院には有名な医療系大学が併設されています。
これは大病院ならではのことでしょうが・・・、
おっさんとか、ガリ勉風の学生ならまだしも・・・。。
ほんっと気まずい・・・
もう、気まずさMAXでした。(←意味…わかりますよね?)
そうこうしているうちに旦那さんが病院に到着し、一緒に入院についての説明を受けることに。
先生「切迫早産ということで、もともとの帝王切開予定の11月末までの管理入院になります。
点滴で、いつまでもつかはちょっとわかりませんが・・・まあ、一緒にがんばりましょう!
あ、あと、mananiさんはICUへの入院になりますので、
そちらでの説明もよく聞かれてくださいね」
私&旦那さん「は、はいっ」
・・・・・ん?
・・・なんか今、先生、サクッとすごいこと言わなかった・・・?
私「・・・・ねえ、いま、なんかICUとか聞こえたんだけど、気のせい・・・・?」
旦那「えうっそ。聞き間違いじゃないの」
私「アハハ・・・、そうだよね~」
しかし。
勿論それは、聞き間違いなどではなかったのです。
すぐにICU担当の当直の看護師さんが私を迎えにやってきました。
え?え?ちょっと、マジで・・・・!?
ICUって・・・ICUって、アレよね!?
ドラマなどで見る、外部から完全隔離された集中治療室を思い浮かべる私。
しゅ・・・集中治療室で、50日近く管理入院ーーーー!?!?
ということは、出産するまで(多分)お風呂にも入れず
(多分)トイレはポータブルとか・・・、そ、そんな感じーーー!?
一瞬パニックになりそうになりましたが、車椅子に乗せられて着いたICUは、
妊婦さんが周囲を普通にウロウロ歩き周り、普通にお風呂に入りトイレにも行き、
10人分くらいあるベッド間の仕切りはカーテンのみ、
特に他のフロアとビッチリ隔離されているわけでもない・・・
という、
なんだかICUっぽくないICUだったのでした。
私に関しても、あまりウロウロしすぎなければ起き上がって歩いても構わない
という説明を受け、それなら前回(双子出産)の管理入院とそう変わらないな、
と一応ホッとひと安心。
入院にも点滴にも多少慣れてるし…まあ大丈夫だろう。
なんかむしろ家のことのほうが心配だなぁ。
双子はどうしてるかな…。
と、数々の検査を受け張り止めの点滴をつけ
ベッド上にいったん落ち着いたことで少々気持ちに余裕が出てきて、
家のことについて心配しはじめたときでした。
入院についての資料を手に旦那さんが戻ってきて、おもむろに言いました。
旦「今、入院についての説明いろいろ聞いてきた~。
mananiさ~、もう、双子にはしばらく会えないみたいよ。」
・・・え?
私「え?なにそれ。なんで・・・??」
旦「いや、なんかここ(ICU)って面会に制限があるらしくてさ~。
子供は面会ダメみたいなんよね。夫と両親と義両親と、あと、自分の兄弟しか
お見舞いに来ちゃダメなんだって。わりと厳しいよねえ」
私「・・・・・。
あ、そうなんだね・・・。
ふ~ん、そう・・・。。。」
・・・・・。
その後、入院資料を眺めながら説明を続ける旦那さん。
旦「あ、それとさ~、」
ふと言いかけてこちらを見た旦那さんの顔が、
強張ったのがわかりました。
それまで普通に旦那さんの説明を聞いて「ふーん」とか「へえ」とか
適当に返事をしていた私の目から、ボロボロボロボロ、
急に涙があふれて、こぼれ出したのです。
このとき本当に久しぶりに、旦那さんの「本気で驚いた顔」を見ました。
自分で言うのもなんですが、私はもともとの性質からか、
けっこう大変なことが起こっても割としらっとしている部分があるというか、
動揺したり泣いたりということがあまり無いのです。
(↑大変な時ほどなぜかしらっとしています…)
今思い出してみるとおかしいんですが、ついさっきまで
淡々とした気分でいたのに、突然泣いてしまったことに自分で驚き、
かなり動揺してしまいました。
拭っても拭っても、涙の防波堤か何かが決壊してしまったかのように
とめどなく涙があふれ出て、止まらないのです。
ギュッと目頭を押さえた手のひらの内側に、
すりよって甘えてくるときのすーちゃんの笑顔と、
玄関で見送ってくれたときのちーちゃんの心配そうな姿が浮かびました。
・・・・
もし運良く早産を止めることができてフルに入院したとしても、
たかだか1か月ちょっとです。
このたかだか1か月ちょっとのあいだ、双子に会えないということが、
自分にとってこんなにも、
身を切られるように辛いことだったなんて。
このとき初めて、そのことを思い知らされました。
考えてみれば、双子が生まれてから3年ちょっと、1日だって
彼らと離れていたことはありませんでした。
それなのに、明日からふたりの顔を見ることもできないの…。
ついにヒックヒック嗚咽を上げ始める私のベッドサイドで、
あまりに突然のことに旦那さんは何を言っていいか
わからない様子で、しばらくの間、半分口を開けたまま私を見ていました。
・・・ああ、泣いてしまった・・・。
旦那さん・・・口開いてるし。
ああ、どうしよう、この状況・・・。
私の頭は、固まってしまったこの状況をなんとか打開すべく、嗚咽を上げながらも目まぐるしく回転していました。
しかしそのとき、更に気まずいことにさきほどの看護師さんがやってきて
私が早産の不安から泣き出してしまったと思ったらしく
「あらあら~、泣いちゃったのね。怖いよね。だいじょうぶだいじょうぶ。」
と傍らに座り、笑顔で声をかけてくださいました。
私「い、いえ…はっ、ハイ。すびばせん…」
うう・・・見られちゃったよ、みっともない~。
いい歳こいて思いっきり鼻水垂れてるし。。
旦那さん、なんかフォローしてよ~・・・
もう本当に本当に、穴があったら入りたい気分でした…。
そのとき、それまで黙っていた旦那さん、とつぜん
私の頭を手のひらでポンポンしながら
旦「そうそう、manani、だいじょうぶだいじょうぶ!
ちゃんといい子で入院してたら、また双子に会えるからっっ!
だから、いい子で入院してよう!なっ」
私「・・・・・・」
なんじゃそのお子様(駄々っ子)扱いはーーー!!!!
余計はずかしいぃぃぃーーー!!!!
旦那さんはアハハと笑い、看護師さんも大笑い。
しかしこの言葉で、なんだかシリアスに泣いているのがアホらしくなってきてしまい(笑)
「とりあえず限界までマイペースでがんばってみよう」と
いつもの自分の調子を取り戻すことができました。
前回の管理入院でも点滴マックスまで頑張れたし、
自分さえ頑張っていれば、張りが止まらなくなったり、破水したり
しないかぎりはなんとかもう少し週数を伸ばせるはず。
よしっ、がんばるぞ!!!
・・・と誓ったこの一週間後、
ドタバタの出産劇になろうとは。
このときは想像もしていませんでした。
それも、・・・・前回帝王切開だったにもかかわらず、まさか
『下からのお産』になろうとは・・・・!!!!