絶叫学級 | KURI of the DEAD

絶叫学級

絶叫学級

少女漫画雑誌「りぼん」で連載され高い人気を誇るいしかわえみの同名ホラー漫画を実写映画化。

【STORY】
平凡な女子高生・加奈は、読者モデルとして雑紙に取り上げられたために、学園の人気者リオとそのグループに目を付けられる。この学園には事故で亡くなった生徒が幽霊として現れ、大切なモノと引き換えに願いを叶えるという都市伝説があった。加奈はいじめられている状況を打破するために、幽霊に願いを告げるが…。

【REVIEW】
日本の夏、金鳥の夏、怪談の夏・・・。
ということで夏も終わりに近づいているが、日本の幽霊モノ作品。

聖リタ女子学院という、いかにもな名前の女子高に通う荒樹加奈。家柄・見た目・成績と、すべてにおいて平均的な加奈はクラスでも目立たない存在である。
一方、同じクラスの高見沢リオ。お嬢様なうえに容姿端麗で、雑紙のモデルも務める学園の人気者。加奈は、そんなリオのようになりたいと憧れを抱き続けているのである。

ある日加奈は、親友で美術部所属の絵莉花と美術室でたわいもない会話。そこで絵莉花から学園に伝わる都市伝説を聞く。それは、今は使われていない旧校舎の理科室に出る幽霊の話で、満月の午前0時に幽霊に願い事をすると、その願いを叶えてくれるというもの。しかしこの幽霊、願いを叶える代わりに、願い事をした人の一番大事なモノを奪ってしまうようである。

この幽霊は、12年前にこの学校の生徒だった。しかし陰湿ないじめを受け、いじめっ子グループを道連れに理科室のガスに火をつけ爆発事故を起こす。いじめっ子グループは全滅。この生徒も下半身が爆発で失われ、上半身のみの死体で見つかったようである。
そして幽霊として現れるようになったが、なぜ願いを叶えてくれるのかはわからない。
ちなみに旧校舎は事故後に何度も取り壊そうとしたらしいが、工事を始めると何かしら事故が起こるために放置している。

加奈のクラスで、いじめのターゲットとされている桐谷敦子。敦子という名前。同じ時期に『クロユリ団地』も上映されているが、、、考え過ぎか。いじめているのは学園の人気者リオを崇拝するグループ。
机にボンドで消臭剤を固定されたり、トイレの個室で上から洗剤をかけられるなど、なかなか凄惨ないじめを受けている敦子。こ、怖い、女子怖い。
敦子はこの後、転学を余儀なくされるのである。

ある日、加奈が雑紙の読者モデルとして雑紙に掲載されたことが発覚。教室でも話題の的に。しかしそれをおもしろく思わないのが、リオと彼女を崇拝するグループ。敦子が転学したために、次のいじめのターゲットとしてロックオンか。
リオグループは、加奈に放課後買い物に行かないかと誘う。リオに認められたとまんざらでもない加奈。近くにいた親友・絵莉花に対して、リオの目を気にして友達ではないと言ってしまう。あーあ。

リオに私服をコーディネートしてもらいご満悦の加奈。リオの友人の男子グループとカラオケに行く加奈。そしてリオが部屋を出たとたんに男子グループに乱暴される加奈。その場面を写真に撮られる加奈。嵌められたことにようやく気づき帰り道で号泣する加奈。これが若さか・・・。
敦子へのいじめのときもそうだが、必ずいじめの現場にリオはいない。そのあたりは狡猾で、長きに渡りいじめっ子ポジションとして君臨していることが伺える。

翌日。登校する加奈に周囲は冷たい反応。下駄箱には、乱暴された時の大量の写真が。そして上履きをパクられるという古典的手法。
エグいの大丈夫だけど、こういうの見るの辛い・・・。

一人寂しく弁当を食べる加奈。そしてその様子を遠くから見ているのが美術部顧問の女性教師・保坂まこと。かなり訳ありの様子。美術部の顧問だからか、手には大きめのカッターナイフ。カッターの刃を何度もカチカチさせている。
リオがいじめの主犯格と睨んだ保坂は、リオを問いただす。しかしそこは百戦錬磨のリオ。尻尾を掴ませることはしない。おまけに父親がこの学園に多額の寄付をしていることをチラつかせる。加奈に聞いても、報復を恐れてかいじめられていることを認めない。いじめの根深さはここにある。

そして突然場面は変わり、倉庫のような所に手足を縛られ口にガムテープを貼られている加奈。どうやら旧校舎。突然誰もいないのに拘束が解かれる。とある部屋に逃げ込む加奈。そう、例の事故があった理科室である。
そこに現れたのが、上半身は加奈と同じ制服で、下半身はなく、ヘソ出しで宙に浮いた状態の女子生徒。都市伝説の理科室の幽霊である。
加奈は冷静に例の幽霊と認識し、いじめの状況を打開するために、リオのようになりたい、誰よりもきれいで人気者になりたいと訴える。うなずく幽霊。

翌日。加奈へのいじめはなくなり、スクールカーストのトップに君臨するリオグループの一員となっていた。だがしかし、いじめのターゲットになっていたのは、疎遠となっていた絵莉花だった。加奈は絵莉花を気遣って声をかけようとするが、リオたちがそうさせない。願いが叶った代わりに親友を失ったのである。

絵莉花を徹底的にいじめ抜くべく、リオグループは加奈を使って絵莉花を旧校舎におびき出す。加奈の仲直りしたいというメールに喜んで旧校舎へ向かう絵莉花。これは切ない。そして旧校舎で待ち受けていたのはリオと手下2人。
リオたちは、美術部である絵莉花が大切にしているスケッチブックを奪い燃やす。スケッチブックの中の一枚には、美術の授業で描いたリオの顔のスケッチ。しかしその顔の半分は醜いモンスターのように描かれていた。さらに怒りを増すリオ。ついに直接手をかける。おもしろがってその様子を携帯電話で撮影して加奈にメール。ん?これは?

リミッターが外れたリオはどこからか硫酸を見つけてきて、絵莉花にぶっかけようとする。さすがの暴挙に手下2人はどん引き。
その時、教室全体が地震のように激しく揺れ出し、大きなラックがリオに向かって倒れてきてリオ下敷き。手下2人は逃亡。

一方、保坂に説得された加奈はやっと目が覚め、絵莉花が呼び出された旧校舎へ向かう。加奈が置いていった携帯に、いじめの動画がメールされているのを発見した保坂も旧校舎へ。証拠も掴んだね。

ここで、保坂が高校生の頃にいじめを受けていた回想シーン。
理科室に追い込まれいじめを受けているJK保坂。手には大きなカッターナイフ。
そこへ駆け付けたのが、現・理科室の幽霊こと秋元優美。2人は同級生だったのである。
いじめグループは優美に対して、JK保坂を窓から下に落とすように迫る。下の階の出っ張りに落ちれば、大事には至らないと確認した優美は、小さく「ずっとトモダチ」とささやいてJK保坂を突き落とす。そして、あらかじめガス栓を開いていた状態でライターに火をつけ爆発。窓辺にいた優美は、下半身のみやられたようで、上半身は窓から身を乗り出すような格好に。それを下の階の出っ張りから見ているJK保坂。
優美の上半身は、下の階の出っ張りに落下。さらにバウンドしてその下へ落下。
どうやらこれが12年前の事件の一部始終のようである。

場面変わって旧校舎。駆け付けた加奈は絵莉花を発見。絵莉花に謝罪。下敷きになったリオは苦しんでいる。そしてスケッチブックを燃やすために使用したガスバーナーが引火して爆発。加奈と絵莉花は脱出。駆け付けた保坂が理科室の中を覗くと、炎の中に理科室の幽霊。久しぶりの対面。幽霊は保坂に優しく微笑みかけるのである。

リオは、顔に一生消えないほどの火傷を負って入院中らしい。教室のリオの机には「天罰」と落書きされていた。哀れリオ、絵莉花が描いたスケッチ通りになってしまったか。

平穏な日常を取り戻した学校。絵莉花は相変わらず、美術室で絵を描いている。そこに加奈が迎えに来て一緒に帰ることに。どうやら加奈はモデルをしていて学園の人気者のようである。手下も2人。だが、一緒にいることに違和感を感じる絵莉花。
美術室に置いていった絵莉花のスケッチブックを何気なく手に取る顧問の保坂。最終ページには、なんと顔半分がモンスターのように描かれた親友・加奈が描かれていたのである。

校舎を出て帰路につく加奈グループ。しかし絵莉花は旧校舎に目を止め、急に走り出して中へ入っていく。理科室の窓にはお化けの姿が。絵莉花は一番大切なモノを捨てる代わりに、画家という夢を叶えに向かったのである。
おしまい。

もっと爽やかにやりましょうよ。
ジェイソンとかフレディとか見習いましょうよ。

最後に。
この学校の制服の靴下が薄い茶色で、微妙に合っていないのが気になった。


【MARKING】
オススメ度:★★★★★5
えげつない度:★★2
栗原類は何だったのか度:★★★★★★★7
禍々しい度:★★★★★5

【INFORMATION】
・製作年:2013年
・製作国:日本
・監督:佐藤徹也
・製作:國宇克信、渡辺直樹、岩本孝一、新坂純
・原作:いしかわえみ
・脚本:三浦有為子
・出演:川口春奈、広瀬アリス、松岡茉優、栗原類、松本花奈、小山莉奈、池田依來沙、波瑠、山本美月

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