ヒガシのある小通りを、坊ちゃん刈りに丸ぶちメガネ、
そして学生服姿の昭和の優等生が歩いていた……。
と!!
「待てや!!」
その脅しとも取れる突然の声に―
昭和の優等生は立ち止まった!
「金目のもんは置いていけや!!」
優等生の前に男が現れた!
完全に行く手を遮断し、優等生を狙っている。
と!!
「ひっかかったでぇ!
兄貴ぃ!!」
かつら・メガネを外し―
たくやが叫んだ!
「何?
兄貴?」
男がそういぶかると――
「ようやったでぇ、たくやぁ。」
電信柱のかげからなんと―
億田が現れた!
「な、なんや!?」
男はひるんだ。
「どこの手のもんや?」
そう威圧して、億田はたくやの前へと進んだ。
「言うわけないやろ!」
「そうか。
で、どこの手のもんや?」
「・・・言うわけないやろ!」
「そうか。
で、どこの手のもんや?」
「言うわけないやろ!!!」
「甲賀の忍びか?」
「!!?」
男の表情に驚きが走った!
~ 続く ~
※囮(おとり)・・・人を誘い寄せるために使う人や物。
※坊ちゃん刈り(ぼっちゃんがり)・・・昭和に残る一大髪型。
意味はスーパー大辞林3.0より引用。