No.069 ~囮作戦・1~ | あの青い空の向こうへ

あの青い空の向こうへ

「新たな笑いを!」
をテーマにがんばります。

ヒガシのある小通りを、坊ちゃん刈りに丸ぶちメガネ、
そして学生服姿の昭和の優等生が歩いていた……。
と!!
「待てや!!」
その脅しとも取れる突然の声に―
昭和の優等生は立ち止まった!
「金目のもんは置いていけや!!」
優等生の前に男が現れた!
完全に行く手を遮断し、優等生を狙っている。
と!!
「ひっかかったでぇ!
 兄貴ぃ!!」
かつら・メガネを外し―
たくやが叫んだ!
「何?
 兄貴?」
男がそういぶかると――
「ようやったでぇ、たくやぁ。」
電信柱のかげからなんと―
億田が現れた!
「な、なんや!?」
男はひるんだ。
「どこの手のもんや?」
そう威圧して、億田はたくやの前へと進んだ。
「言うわけないやろ!」
「そうか。
 で、どこの手のもんや?」
「・・・言うわけないやろ!」
「そうか。
 で、どこの手のもんや?」
「言うわけないやろ!!!」
「甲賀の忍びか?」
「!!?」
男の表情に驚きが走った!


~ 続く ~

 


※囮(おとり)・・・人を誘い寄せるために使う人や物。
※坊ちゃん刈り(ぼっちゃんがり)・・・昭和に残る一大髪型。


意味はスーパー大辞林3.0より引用。