Better tomorrow(15) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

休みの4日間。


びっしりと暖人は夏休みを楽しんだ。


この日の午後には東京に戻る暖人は、縁側で紙飛行機を折っていた。


詠太たちは学校のプールに行ってしまって今日はひとりだった。



「ダメだ、とばないなァ。」



庭に飛ばしてみてはまた縁側に戻って、少し直したりして。



するとスッと香織の父がやってきて、広告のチラシで飛行機を折り始めた。



「ちょっとだけ固めの紙で折るといい。」



暖人は興味津々にそれを覗き込んだ。


父が作った飛行機はスーッとまっすぐに飛んだ。



「すごい! どうやっておるの?」


丸い目をさらに丸くして喜んだ。



「いいか、こうやって・・・・」




香織はそんな二人をそっと後ろから眺めた。



ああやって


父に紙飛行機を折ってもらって


庭で飛ばして遊んだ。



男兄弟で育った父は


女の子とどうやって遊んでいいのかわからなかったのかもしれない。


庭で虫を獲ったり


カエルの卵を探しに行ったり


凧をあげたり



ハルが好きなことばっかり。



笑い顔をしているのかと思ったら


涙が頬を伝わっていたので


自分で驚いた。




お父さん


・・・ごめんね。




すすり泣く声が聞こえないように台所に隠れるように潜んだ。




「お世話になりました。 暖人も本当に楽しく過ごさせていただいて、」


樺沢は香織の家族に頭を深々と下げた。



「なんもないところだけど。 また来て下さい。 詠太もまひるとも仲良くなれて、」


叔母が笑顔で言った。


「おばさん、美由紀ちゃん・・・いつもお父さんのこと・・ありがとうございます。 これからも宜しくお願いします、」


香織はそう言って実家を後にするのは初めてだった。


「まだそんなに迷惑もかけてないぞ、」


父は不満そうだった。



「みんなで楽しくやってるから。 心配すんな、」


従弟の聡も明るく言った。



「じゃあね。 ばいばい。 またきてね、」


詠太は暖人に手を振った。


「またきてね、」


妹のまひるも真似をして手を振った。


「うん!」


暖人も嬉しそうに手を振った。



「仕事と両方で大変でしょうが。 頑張ってください、」


香織の父からそう声を掛けられた樺沢は


その短い言葉の中にたくさんの意味が含まれるような気がして



「・・・はい、」



深く頷いた。




3人はたくさんの思い出を胸に香織の実家を去ります…



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