Snow Flakes(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

設楽も

 

親子じゃないです

 

と否定するのも憚られるし、どうしていいかわからずそのままになってしまった。

 

いや、厳密にいえば

 

親子なのだが。

 

 

そして

 

「はい、コハダです。」

 

大将が先に奏の前に鮨を置いてくれた。

 

その時

 

「・・似て、ますか。」

 

奏は大将に聞いてしまった。

 

設楽はハッとする。

 

「え? あ、親子じゃなかったの? てっきり・・。 顔とかじゃなくて、なんていうか入ってきた時から雰囲気がすごく似てたし。 親子って、ヘンな所が似るんだよね。 ウチの息子も顔は女房似なんだけど、足の爪を切ってる姿とか。 テレビを寝っ転がって見てる姿とかがすごくそっくりって笑われるよ。 仕草とか、そういうの。」

 

大将は笑った。

 

すると

 

「いえ・・お、親子、ですが。 ちょっとわけあって離れて暮らしていたので・・久しぶりに、」

 

設楽がそう言ったので、奏は思わずガバっと彼を見てしまった。

 

ようやく会話が弾みそうだったのに、何となくまた間ができてしまった。

 

そして食事を終えて、店を出た。

 

「ごちそうさまでした、」

 

奏は丁寧に頭を下げた。

 

「あ・・いや。 あの。 さっき・・ごめん。 なんか余計なこと、」

 

どうやら設楽も気にしていたようだった。

 

「べ、別に。 別に・・気にしてないです。」

 

慌ててそう言った。

 

すると少しほっとしたように、スーツの内ポケットから封筒を取り出した。

 

「・・明後日。 M響のコンサートがあるんだ。 よかったら・・、いや、もう追いこみで忙しいとは思うけど、行かないか。」

 

それを奏に手渡した。

 

「M響の・・」

 

「よかったら・・」

 

遠慮がちに言う設楽に

 

「設楽さんと、ですか。」

 

と聞いた。

 

「ほんと。 よかったら・・」

 

何度も『よかったら』を繰り返す彼に

 

 

カナと近づきたいって感じだもんね

 

ひなたの言葉を思い出した。

 

奏はそれをぎゅっと力を込めて握って

 

「・・ありがとうございます。 行かせて、いただきます、」

 

笑顔でそう言った。

 

 

設楽さんのぼくに対する

 

罪悪感

 

は、そうとうなもので、お母さんのことは幸せにしてあげられたって思いはあると思うけど

 

やはりぼくのことは気になって仕方がないのだろう。

 

といって手を伸ばしすぎることもできず、すごく距離感に困ってることもわかる。

 

奏は乗せてもらったタクシーの中でその封筒に入ったチケットを見つめた。

 

設楽はなんとか奏に近づきたくて・・

 

 

ひなたと奏の出会いはこのへんから→

 

奏が北都家に下宿するいきさつからさくらとの出会いはこのへんから→

 

お話が長くなっております。よろしかったら読んでやってください・・

 

 

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