Snow Flakes(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「あ、おかえり。 どうやった?」

 

帰ると南がテレビを見ながらお茶を飲んでいた。

 

「遅くなってすみませんでした・・。 おいしいお寿司屋さんでした、」

 

奏は静かにほほ笑んだ。

 

「そう。 よかったね。」

 

「でもやっぱり・・。 どこかぎこちなくなってしまって。 何を話していいのかもわかんなくて、」

 

奏はそこのテーブルの椅子に座った。

 

「そりゃしゃあないやん。 血のつながりだって時間の隔たりがあったらそれはなかなか埋まらないよ。 けっこう・・同じようなタイプだしね、」

 

南は笑った。

 

「え? ぼくと?」

 

「うん。 設楽さんのことはあんま知らないけど。 けっこう神経質そうで、人の気配を気にしそうというか。 わりと心で悶々と考えがちっぽいとか。 そんな感じ、」

 

確かに・・

 

奏は認めざるを得なかった。

 

「ま、別にべったりならなくてもいいし。 彼がこうして時間がある時に会いたいって言えば・・まあ会ってあげていいんじゃない? もちろん自分のそういう罪悪感をこれでチャラにしようとか思ってへんと思うけど、もう・・本能としてね。 奏のことは放っておけないと思うよ、」

 

誰かにそう言ってもらうと

 

少し心が軽くなる。

 

「あ・・このことは。 篠宮先生には言わないで下さいね、」

 

そして慌ててそう言った。

 

「わかってるって。 そうそうそうやって人を気にしすぎるところとかさ、」

 

南は笑った。

 

「・・・じゃあ・・少しだけピアノ弾いてきます・・」

 

やや図星をさされて、奏は気まずそうに部屋を出た。

 

 

「概要はまとまりましたね。 そのツアーに関しては、どうですか。」

 

「そんなにたくさんじゃないけど・・。50名ほどの枠は確保できそう。 サニー・ツーリストの人もけっこう乗り気で。 博多の商工会議所の人たちも歓迎してくれてるし。」

 

「これをモデルケースにして。 スペシャルな企画のコンサートには取り入れたらどうでしょうか。 今、国内旅行ブームでもありますし、プラスアルファの魅力があるっていいですよね、」

 

さくらは仕事でホクトまで来ていた。

 

斯波と葦切と3人で廊下を歩いていると、

 

「あ、どお? 順調? 仕事、」

 

南が通りかかった。

 

「あ、こんにちわ。 ええ、おかげさまで。 みなさんに助けられてやってます、」

 

さくらは笑顔で答えた。

 

その時、

 

「あ、そだ。」

 

斯波はクリアファイルから何かを取り出した。

 

「これ。 もらったんだけど。 よかったら行って下さい。」

 

葦切とさくらに1枚ずつチケットを手渡した。

 

「・・M響・・?」

 

「M響のコンサートです。 こうやってライバル関係の楽団もお互い招待し合っていろいろやってます。 おれは千葉の会場の時にもう行ったんで。 他のオケ、見るとけっこう勉強になるから。」

 

「・・あ、ありがとうございます、」

 

さくらはぺこんとお辞儀をした。

 

「いいんですか、他に事業部で若い人に行ってもらったほうが。」

 

葦切は遠慮したが、

 

「他のヤツらにはその時々でチケット回してるから。 葦切さんがここに来てからはまだ回してなかったので。都合がつけば行って下さい、」

 

斯波はいつものようにボソボソとそう言った。

 

奏はまだまだ設楽に対して『父親』という気持ちが持てないようです。 そして偶然が偶然を呼び・・?

 

ひなたと奏の出会いはこのへんから→

 

奏が北都家に下宿するいきさつからさくらとの出会いはこのへんから→

 

お話が長くなっております。よろしかったら読んでやってください・・

 

 

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

 


人気ブログランキング

↑↑↑↑↑

読んでいただいてありがとうございました。よろしかったらポチお願いします!