Silent Night(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「それにしても。 暇ですね。 プロのサックス奏者なんでしょ?」

 

小和は呆れて言った。

 

「いちおう仕事も入ってます。 ちょっとだけだけど。」

 

瑠依は憮然として言った。

 

「クリスマスイヴも。 ホクトフィルのヴァイオリニストの人と一緒にライヴできることになったんだー。」

 

そしてぱあっと明るい顔になってそう言った。

 

「へー。 なんだかんだでやってるのね、」

 

「あ、チケットあげよっか。 あー、でも1枚しかないなー。」

 

瑠依はバッグを探った。

 

「え、くれるんなら1枚でもいいですよ・・」

 

「クリスマスだよ? 彼氏とデートしないの?」

 

と言われ

 

「・・それ。 全くの嫌みなしに聞いてるんですか?」

 

小和はどよんとした表情でそう言った。

 

「は? 嫌み? なんで?」

 

「くっ…。 罪のない顔をして…」

 

「あ、彼氏いなかった? ごめんごめん。」

 

「ほんっと腹立つんですけど!」

 

「いくつだっけ? 23? いちおうさあ、『いる』限定で聞かないと悪いでしょ?」

 

「その気づかい、一切いらないんで。」

 

「フツーに。 カワイイのに。 彼氏くらいいるかと思った、」

 

瑠依の何気ないその一言に

 

小和はシベリアの永久凍土よりも硬く固まってしまった。

 

「・・は・・?」

 

一応聞き返すと

 

「や。 フツーにかわいいから。 彼氏くらいいるでしょって。」

 

とまたケロっと言われた。

 

「・・あたしが???」

 

「今の会話の流れで。 そうでしょ。 ま、おれも別にそんなに女子のサンプルみてきたわけじゃないけど。」

 

瑠依はもう一つ『通りもん』をむしゃむしゃと食べ始めた。

 

「・・そんなこと。 言われたの初めてです・・」

 

小和は小さな声でそう言ってうつむいた。

 

しかし

 

「あー、あったかいお茶。 飲みたいなー」

 

全然聞こえてなかったようで、デリカシーのない催促をされた。

 

 

「あ!また来てる!しかも菓子食ってる!」

 

外出から戻ったさくらは瑠依を見て早速指摘した。

 

「ま、家でも食ったんだけどさ。 さくらちゃんが買ってきた方がいくらか美味かったよ。 ごちそーさん。」

 

いつものように憎めない笑顔で言われて

 

「・・ったく、」

 

さくらはコートを脱いでひっかけた。

 

「あーあ。 さくらちゃんにもおれのライヴ来てもらいたかったのになー、」

 

「ああ。 イヴにあるライヴ?」

 

「さすが。 ツーカーだよね…。」

 

「イミシンに言うなっ!」

 

さくらは彼の頭をひっぱたいた。

 

小和はもらったチケットをしみじみと見つめた・・

 

ん? こっちも何か動きが・・?

 

ひなたと奏の出会いはこのへんから→

 

奏が北都家に下宿するいきさつからさくらとの出会いはこのへんから→

 

お話が長くなっております。よろしかったら読んでやってください・・

 

 

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