中小企業の資金調達 9 取引銀行に融資を断られたら 実践編 1 | 思うように資金調達ができない方へ

中小企業の資金調達 9 取引銀行に融資を断られたら 実践編 1


10月21日

今回からは取引銀行に融資を断られた時、どうするか?の

実践編を記述してまいります。

あなたの会社が融資を取引銀行から断られたとします。

まずは、次のチェックポイントをご確認ください。

   

(会社)

①財務状況

・債務超過?

 債務超過の場合:原因は慢性的な赤字?or 特別損失による赤字?

・直近3期に赤字決算があるか?

 赤字決算がある場合:慢性的な赤字?or 一時的な赤字?

・年商が過少?

 事業形態にもよるが、1億円以下は過少

・直近の決算書の現預金残高が過小?

 売上の1%以下?

・流動比率の状況

・延滞債務の有無

②直近でリース審査が通っているかどうか?

③担保になる次に該当するものがあるか?

・不動産:会社、代表者、親族など協力者含む

・株券、国債などの有価証券:会社、代表者、親族など協力者含む

・ゴルフ会員権:会社、代表者、親族など協力者含む

・入居保証金

④売掛金

 確定債権かどうか?

 支払サイトは?

 売買契約?請負契約?

 譲渡禁止条項の有無

 債権譲渡承諾の可能性?

 入金口座変更の可能性

・商品在庫

設備機器

⑦車両とその種類

⑧第三者保証人の有無

⑨信用保証協会との関係



(代表者個人)

①CICなど個人信用情報機関の情報に問題がないか?

②クレジットカードは利用できるか?

③年収は600万円以上?

④直近のクレジットカード発行やクレジットが通っているかどうか?

⑤第三者保証人の有無


実際の面談でご相談いただく場合も、これらのポイントをヒアリングさせていただいています。

もちろんケースバイケースで違うポイントの確認もさせていただくことがありますが、上記のポイントをヒアリングすれば、銀行融資以外の資金調達ができるかどうかだいたい予測できます。

      

そして、必ず拝見するのは決算資料です。

お金を借りるとき必要な決算資料とは次のものをさします。

税務申告書~貸借対照表・損益計算書・販管費明細~勘定科目明細

時々、決算資料を求めると、貸借対照表・損益計算書・販管費明細のみ提出される経営者がいますが、この段階で、忌憚なくいうと資金調達はできないと判断します。

なぜなら、融資を受けるということがどういうことかご理解されていないからです。

これは資金調達をサポートする私のようなコンサルタントだけではなく、銀行やノンバンク、あるいはあらゆるファイナンス会社も、分かっちゃいない非常識な経営者と、このことだけで一所懸命やっても無駄かもしれないと、モチベーションが相当下がります。

つまり融資やリースなどファイナンスの可能性が低くなるのです。

    

お金を借りる時に必要な決算資料とは次のものを指します。

税務申告書~貸借対照表・損益計算書・販管費明細~勘定科目明細

そして、必ずこの順番にコピーされたものがそろっていることも重要です。

抜けたり、この順番が違っていると心象が良くないので、ファイナンスに良い影響を与えません。

そして、融資を打診する時期が、決算月よりも6ヶ月以降経過している時は、直近3ヶ月以内の試算表が必要です。


今日のポイントは次の二つです。

1.銀行に頼らない資金調達のために、上記チェックポイントを確認してください。

2.ファイナンスで必要な決算資料とは、税務申告書~貸借対照表・損益計算書・販管費明細~勘定科目明細を指します。

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