W杯総括|週刊サッカーダイジェストによる
全23選手&指揮官の評価
グループリーグ3試合を戦った日本代表は、1分け2敗でグループC最下位という
結果に終わり、大会から姿を消した。
世界との差を痛感させられた今大会の日本代表の戦いぶりを、
『週刊サッカーダイジェスト』代表番はどう見たのか。
3試合を通じての選手、監督のパフォーマンスを評価する。
【写真】グループリーグで散った16か国の勇者たち
【週刊サッカーダイジェスト代表番による寸評・採点】
GK 川島永嗣 3試合(270分)・6失点/3試合平均採点:5.33
不動の守護神として3試合にフル出場。
クロスボールの処理やキャッチングで大きなミスはなかったものの、シュートに
反応しながら触れない場面も。結果的に3試合で屈辱の6失点を喫した。
西川周作 0試合(0分)・0失点/3試合平均採点:――
親善試合のザンビア戦で3失点。
以降は第2GKとしてベンチに座り続けたが、足下の技術では川島を上回っており、
「自分の攻撃的なプレースタイルを磨けば世界でもやれる」と手応えを得た。
権田修一 0試合(0分)・0失点/3試合平均採点:――
第3GKという難しい役回りだったが、日頃のトレーニングは、
「スタメンを狙う気持ちでやった」と全力で取り組んだ。
大会は未出場も「ここまでの経験を活かしたい」と今後の飛躍を誓う。
DF 内田篤人 3試合(270分)・0得点/3試合平均採点:5.33
怪我でシーズン終盤は長期離脱するも、本番では、3試合にフル出場。
クロスの精度、バリエーションには物足りなさも残ったが、思い切りの良い上がりで
エリア内まで侵入するなど、今まで以上に大胆さが際立った。
酒井宏樹 0試合(0分)・0得点/3試合平均採点:――
大会直前のザンビア戦、コスタリカ戦で内田に代わって後半の途中出場。
ただ、武器の高速クロスをはじめ、攻守両面で目立ったインパクトを残せず、
本大会でも出番が回ってこなかった。
長友佑都 3試合(270分)・0得点/3試合平均採点:5.17
1対1の攻防では、カルーやジェルビーニョ、クアドラードらと対等に渡り合う。
第1戦で本田のゴールをお膳立てしたが、以降は香川との連係が冴えず、左サイドの
攻撃は物足りなかった。
森重真人 1試合(90分)・0得点/3試合平均採点:5.50
高さ対策で初戦のコートジボワール戦にのみフル出場。
身体を投げ出してシュートをブロックするなど存在感を示すも、高速クロスへの反応が
遅れ、ボニにヘディングでの同点ゴールを許した場面はマイナス評価。
今野泰幸 2試合(180分)・0得点/3試合平均採点:5.00
ギリシャ戦では積極的にボールを運んで、左サイドの攻撃を活性化した。
しかし、コロンビア戦で試合の流れを決める痛恨のPKを献上。
その後も浮き足立って、しばらくミスが続いた。
伊野波雅彦 0試合(0分)・0得点/3試合平均採点:――
CBやSBなど複数のポジションをこなす守備のマルチロールとして、指揮官は
厚い信頼を寄せていた。
最後まで声が掛かることはなかったが、自身は「僕がやれることはやった」と振り返る。
酒井高徳 0試合(0分)・0得点/3試合平均採点:――
鹿児島キャンプで右膝を負傷してキプロス戦以降のテストマッチをすべて欠場。
6月上旬に本格復帰し、「上を脅かす存在にならないといけない」と意欲的だったが、
長友の壁は崩せなかった。
吉田麻也 3試合(270分)・0得点/3試合平均採点:5.33
第1戦では、ジェルビーニョのマークを外して決勝ゴールを許し、第3戦では、
J・ロドリゲスに翻弄された。
2試合続けてパワープレーで前線に上がる時間もあったが、特に脅威は与えられずに
終わった。
MF 遠藤保仁 2試合(81分)・0得点/3試合平均採点:5.00
「30~35分の時間を与えれば集中的にプレーできる」という監督の狙いで、第1戦と
第2戦では後半からの途中出場。
しかし、らしくない不用意なミスもあり、ゲームをコントロールしたとは言い難い。
青山敏弘 1試合(62分)・0得点/3試合平均採点:5.00
コロンビア戦に先発し、積極的に前線へのフィードを狙ってスピーディーな攻撃の
起点になった。
しかし、後半は、J・ロドリゲスの対応に追われる時間が増え始め、攻撃面で存在感を
放てなかった。
山口 蛍 3試合(208分)・0得点/3試合平均採点:5.50
現体制下で「最大の発見」と言える存在。
第1戦、第2戦ではフル出場を果たし、素早く力強い寄せは世界の舞台でも十分に
通用した。
攻撃面での貢献度を高めれば、今後は代表の中核を担う存在となるはず。
長谷部誠 3試合(189分)・0得点/3試合平均採点:5.33
怪我から復帰して間もなく、万全ではない状態ながら全試合でプレー。
中盤の攻防で後手を踏む場面が多く、持ち味の攻め上がりは少なめながら、
第3戦では縦の意識が強まり、力強い縦パスも見られた。
FW 本田圭佑 3試合(270分)・1得点/3試合平均採点:5.50
好調時よりも明らかに動きが鈍く、本調子には程遠いコンディションにあったが、
終わって見れば1ゴール・1アシストと最も得点に絡んだ。
前線で唯一、身体を張ってキープできる存在だった。
清武弘嗣 1試合(5分)・0得点/3試合平均採点:――
2列目ならどこでもこなすユーティリティ性を備えるが、プレーしたのは第3戦の
85分以降のみ。
あまりに出場時間が短く、繊細なボールタッチや正確なキックを見せる場面はなかった。
岡崎慎司 3試合(249分)・1得点/3試合平均採点:5.17
コロンビア戦では「常に狙っていた」というヘディングで同点ゴールをマーク。
守備でも献身的にボールを追って後方の負担を軽くしたものの、持ち前の裏への
飛び出しは少なく、とりわけ1、2戦目はダイナミズムに欠けた印象。
香川真司 3試合(204分)・0得点/3試合平均採点:5.00
初戦は、ミス連発で低調な出来。
第2戦では先発から外れ、途中出場も流れを変えられなかった。
コロンビア戦で両軍最多のシュート5本を放つが精度を欠き、10番の役割は
全うできなかった。
柿谷曜一朗 2試合(25分)・0得点/3試合平均採点:5.00
コートジボワール戦の終盤に投入されるも、ゲームに入っていけずにタイムアップ。
コロンビア戦では69分から出場したが、コンビネーションで崩す場面はなく、
ロスタイムにドリブルで打開したのが唯一の見せ場だった。
大久保嘉人 3試合(203分)・0得点/3試合平均採点:5.00
ギリギリで招集されながら全3試合に出場。
最も仕掛ける意識が強く、強引なドリブルやシュートで脅威を与えた。
ザッケローニ体制での蓄積がなく、連係面を合わせる時間がもっとあれば、
より良いプレーを発揮できたはず。
大迫勇也 2試合(124分)・0得点/3試合平均採点:4.75
第1戦の先発に抜擢されると、第2戦でも頭から起用された。
しかし、初の大舞台に戸惑ったのか、ポストワークや連係が冴えず、
結局、エリア付近で仕事をできないまま大会を終えた。
齋藤 学 0試合(0分)・0得点/3試合平均採点:――
トレーニングでは切れ味鋭いドリブルを披露するなど好調を維持したが、最後まで
出場の機会を与えられず。
得点が欲しい時の「切り札」として期待されたが、信頼を勝ち取れなかった。
ザッケローニ 3試合平均採点:4.50
第1戦と第2戦の終盤にパワープレーに出るなど、采配がブレた印象は否めず。
相手の出方に応じた一手を打てなかったばかりか、日本のストロングポイントも
上手く引き出せなかった。