スコットランド独立の是非を問う
住民投票まであと4日。

であるにも関わらず本日は家の話。

我々の夢の引っ越し先
最終候補リストに残った
3物件は以下の通り:

1.破産の可能性のある家
(価格が高いから)

2.住めない可能性のある家
(家屋が破損しているから)

3.犯罪被害者になる可能性が高い家
(治安の悪い地域に建っているから)

何かしらこの3すくみ感。

ともあれ、
不可能と世に言われる試練に
立ち向かってこその人生の面白さ、
みたいなアレな精神
持ち主であるわが夫(英国人)は
何故か妙にイキイキとしているので
妻としてはこの状況を
喜ぶべきなのか、と・・・

「お金のことを考えなければ
『1』なんですけど、経済的限界を
真面目に考えれば『2』ですかね」
計算機片手に考え込む夫(英国人)に
「経済的限界も大事だが
能力的限界も大事だぞ。
キャンピングカーに暮らしながらの
一年通しての日曜大工生活というのは
私の想像の限界を超えた状況なのだが」
「最近のキャンピングカーは
住み心地がいいらしいですよ」
「いや、問題はそこじゃなくてだな」

そんな中、またも『2』の家を
覗きに行った我々。

「僕が考えますに、この家はまだ
しばらくは売れませんね。
そうするとますます荒廃が進みますから
売主も値段を下げてくるでしょう。
ただその場合、進んだ荒廃のぶん
修復費用も高くなるのが難点です」
「屋根が落ちるのが先か
値段が下がるのが先か・・・
冷静に考えると嫌な競争だな、それ」

こちらの家、
南向きとはいえ立地は丘の上。

見晴らしはいいものの冬は多分
寒風の直撃は避けられない立地。

ここでキャンピングカー生活か・・・

それより何より、この屋根が
完全に崩落した場合、補修費用は
間違いなく跳ね上がる・・・

そもそも風が吹くたびに
頭上を警戒しなくてはならない
日常生活ってそれはいったい・・・

「妻ちゃん、熟考中のところ
申し訳ないんですけど、
今日はこの後に別の売り家を1軒
見に行く予定になっていますよ。
そろそろ行かないと約束の時間に
遅れてしまうかもしれません」

おお、遅刻はよくないな、と
『2』の家を後にし野を越え山を越え
約束を取り付けていたお宅に
お邪魔した我々。

仲介の不動産屋さんではなく
家の持ち主ご本人が
物件を案内してくださいました。

まあ、家は、普通というか・・・

いや、ある意味普通じゃない面も
多々あったのですが、
もうこの頃になるとそんなことでは
驚かない自分がおりまして。

家と庭を案内してくださる奥様の
丁寧な説明を聞きながら
私はこの家の飼い犬と
親睦を深めることに熱中。

いや、元気で頭のいい
イタズラ犬だったんです!

一度ボールを投げてあげたのが
よくなかったのですが
「こいつ、遊んでくれる」
と私のことを認識したせいか、
もう繰り返し繰り返し
ボールだの木の枝だのを
拾って口にくわえて走り寄ってくる。

奥様の説明に耳を傾け
犬を無視していると
膝の間にそうしたボールもしくは
木の枝を押し込んでくるのですが
これが涎まみれという・・・

「あら、ごめんなさい、
その子はまだ躾が完了していなくて」
「いえいえ、いいです、可愛いですねえ」
「貴方は犬がお好きなのね、
この家は犬を飼うには最高よ」

またこちらのお宅には猫もおりまして
寝室の窓際の肘掛椅子の上では
見事な黒の大猫が昼寝をしていました。

作り付けの家具について
質疑応答をする夫と奥様を横目に
今度は黒猫との交流を図る私。

眉間から耳にかけてを
指で撫でる私を一睨みして
再び眠りの世界に入る黒猫。

「あら、貴方は猫もお好きなのね」
「そうですね、猫と犬だと犬ですが、
猫も悪くないですね、この子可愛いですね」
「・・・その子も貴方のことが好きみたいね」
「えっそうですか?嬉しいなあ」

こちらの家を辞した後、
車を運転しながらわが夫が
「さて、君は今の家についてどう思いました?」
「元気のいい犬といい感じの猫だったな!」

「家については?」
「うーむ、可もなく不可もなくというか、
広告チラシを見て想像していた通りというか、
あ、でもあれだな、広告チラシの写真よりは
実物の方が好印象だな、
写真を撮った季節がよくなかったんだろうな」

「そうですね、で、今の家で、君、
何か『よくない点』はありましたか?」
「『よくない点』?うーん、
人里離れすぎている点と
家に時代がついているから
手入れが大変そうな点と
・・・あとちょっと
家の規模が大きすぎないか?」

「僕も君と同意見です、ですが僕にとって
家が人里離れているのはむしろプラス材料、
家が古いのもそれは『いいこと』、
そして家の規模が大きいのは
これは文句なく評価すべきポイントですね」
「・・・君、今の家が気に入ったのか?」

「うーん、ちょっと考えさせてください、
気に入ったというより
『悪い点』を見つけられなかったことに
驚いているんです。
だって今までの家はどれも
一長一短があったでしょ?
今の家はマイナス要素がゼロだったので」
「へえ」

というわけで、ここにきて
我々の前にこの第4の家が
新しい候補として現れたのでした。

続く!


昨日の記事で
『明日の記事は短めに』
みたいなことを書いておりましたが
すまぬ、あれは嘘となった

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