引っ越しにあたり家電製品を
一通り揃えなくては
ならなくなった我々です。

これまでずっと
家具付きの部屋を
借りていたもので・・・

主なところでは冷蔵庫と洗濯機。

「洗濯機は乾燥機能も
ついている物を希望したいのだが」
私の願いに夫(英国人)は
「洗濯乾燥機というやつですね。
ふーむ、ただの洗濯機に比べて
かなり値段は高いようですね」

あら・・・本当ですね。

「ちなみに冷蔵庫というのも
思った以上に高額な家電なんだな」

「しかも一見したところでは
どの冷蔵庫も同じように見える
ところが恐ろしいですね。
製品ごとに色々機能の差別化を
図ってはいるようですけれども」

ああ、それにしても私は
日本の電気街、もしくは
大型家電量販店が懐かしい・・・

我々が田舎住まいをしているせいも
あるのかもしれませんが
お店に並んでいる洗濯機・冷蔵庫の
基本的な数が少なすぎる・・・

カタログは各種
取り揃えてあるんですけど。

「購入前に実物を
直接見たいというのは
私の我が儘なのだろうか」

「まあ洗濯機や冷蔵庫というのは
サイズや能力が一番大事で
それらは数値で示せますからね」

しかしそれなりに大型で
機能的にも優れている
冷蔵庫と洗濯機を
同時に購入するというのは
財政的にかなり
腰に来るものがありまして
「最新型冷蔵庫を買ったとしても
しばらく食事は水と塩でいこうな」

「新生活の立ち上げって大変ですね」

あと、どうせこれだけのお金を出すのなら
長く気持ちよく使える製品を
選びに選び抜いて手に入れたいところ
冷蔵庫も洗濯機も基本的には
新居に引っ越したその当日から
使いたいものなため、買うなら買うで
早く製品を選ばなくてはいけない、という・・・

藪の中の花


カタログと電卓とカレンダーを前に
ため息をついておりましたところ
引っ越し先の家の
現・持ち主夫妻から電話がありまして
「もしもし?貴方たちが
持ち込む荷物に関してちょっと
お尋ねしたいんだけど、
貴方たち冷蔵庫は持っているの?」

「いえ、これから買うつもりです」

「あのね、私たちが今使っている冷蔵庫、
もしよろしければなんだけど、
貴方たちにお譲りできるのよ。
私たちが引っ越す先の台所には
うまく合わないサイズなものだから・・・
ちょっと古いけどちゃんと動いているし、
よかったら置いていきましょうか?」

「それはとても助かります!」

「あとね、洗濯機もうちには2台あって、
1台は乾燥機能もついていて
1台は洗濯機能だけなんだけど、
これも2台持って行っても
新居に場所がないから
よければ洗濯機能だけの方を
1台残していけるんだけど・・・」

「ぜひ!残して行ってくださいませ!」

「先に言っておくけど冷蔵庫も洗濯機も
私たちがこれまで使っていたものだから
新品同様というわけにはいかないのよ?」

構いませんとも!

正直、本当に助かります!

お礼の言葉を述べて電話を切って
「いや、妻ちゃん、これは
嬉しい申し出ですね。
古かろうが使用済みであろうが
しばらく使える状態なら問題なしです!
たとえ壊れかけであっても
完全に壊れる前に
新しい製品を探す猶予は生まれますし!」

「うむ、あの人たちは本当に
いい人たちだな。
優しいというか気遣いがあるよな」

夫婦そろって深く頷いていたところ
ふと夫が顔をあげ
「いや・・・妻ちゃん、待ってください。
僕たち、あの家の購入希望を出した際
彼らの示した『売却希望金額』に
多少の金額を上乗せしたものを
『購入金額』として示しましたよね?」

「うん、示したな」

「僕たち、上乗せしすぎましたかね?」

だってそうとでも考えなくちゃ!
家の売買にともなって
こんな優しい申し出は
普通なされないものですよ!
というのが夫の主張です。

あら、君っておもしろいところで
性悪説を信じるのね。

それはうがち過ぎ、彼らのこの申し出は
そんな理由には基づいていないわ、
彼らは生まれついてのいい人たち、
私たちにも親切にせずにはいられないの、
だってほら、我々はある意味
彼らの愛する猫とニワトリを
将来的に人質にとるにとるようなものだし・・・
というのが私の推論です。

何故我々は『世の中には
他人のためについ世話を焼いてしまう
心の清い人が存在する』という
事実から目を背ける傾向があるのか。

ともあれ、新居の家電は
これで何とかなる見通しとなったのです。


新居には庭がついていますので
洗濯ものは憧れの
『外干し』ができる予定です

うん・・・冬場は日照時間が
6時間ちょっとになるけどね・・・

英国は冬が湿気の本番だけどね・・・

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