夫(英国人)が所用やら商用やらで
数日間家を空けると、もれなく
心身が不憫な状態に陥る私です。

いや、あれは何なんでしょうね。

夫がいないぶん
確かに家はきれいになりますし
(夫がものすごく不潔、という意味ではなく)、
食事にも手を抜けるので楽は楽なのですが
(まあ普段からそれほど
凝ったものは作っておりませんが)、
そのように手を抜いた結果なのか
それとも我が家の料理の神様は
夫の頭上におわしますのか
ほぼ毎回肝心のお味が
イマイチになってしまう、という・・・

しかもそんな
イマイチご飯であるにもかかわらず、
夫不在の間、私の体重は必ず増える。

そして季節に関わらず
就寝中に寝冷えしてしまうのか
湯たんぽを使っても駄目なのです)
まず間違いなくお腹が壊れてしまう。

しかしそれでも体重は増える。

何なんだ!

何なんだこれは!

しかも今回は留守番をするこちらの住まいが
これまでのそれなりに近代的なフラットではなく
潜在的な問題を複数抱えた田舎の古家。

いざという時に警察に電話をしても
・・・現場到着に何分・・・いや、
何時間かかるのかしら、みたいな・・・

気分転換に窓を開けると
森の奥から響いてくるのは
この世の物とも思えぬ何か悲鳴

私はいったいこんな異国の地で
まったく何をやっているのか・・・

それでも今回のこの夫の出張は
私に悪くない副次的効果をもたらしました。

この10日間の間に
私と猫たちの距離は格段に縮まったのです。

前の家の持ち主から引き継いだ
猫2匹のうち、黒猫のサイドスワイプ君とは
引っ越し当初からそれなりの
友好関係を築けてはいたのですが、
夫の不在期間中に私は彼と
『夕食の後にストーブ前で睦みあう』
習慣を構築するに至りました。

まあサイドスワイプ君も
寒かったんだとは思います。

私の膝の上に彼が乗った理由は
愛情の確保ではなく
体温の保持のためだろうな、という・・・

それでもこちらがソファに座って
体から力を抜いたところに
猫が床から飛び乗ってくるのは
なかなか気分がいいものです。

いや、正直、山奥の一軒家で
一人ぼっちでお留守番は心細かったのです。

そんな私の気持ちを慮ってか
サイドスワイプ君は毎晩必ず
家に入って寝てくれるように。

それまでは1日おきくらいの割合で
外で寝たり家の中で寝たりだったんですけど。

もちろん「寒くなったから
外で寝るのが嫌になった」という可能性も
ゼロではないんですけど。

夫が出かけた翌日は
なんと寝室前の階段のところに丸まって
私が起きてくるのを
待っていてくれるサービス付き。

喜んだ私はうっかり階段を踏み外し
ものすごい音を立てて3段ほど滑落、
サイドスワイプ君は総毛を逆立てて
逃げ惑う場面となったわけですが。

こちらの膝上に乗り、
もそもそと足元を確認しつつ、
上目づかいに顔を覗き込まれると
これは正直辛抱たまらん、
という気持ちにもなる
一人と一匹の夜なのでした。


ちなみにこのサイドスワイプ君に関しては
「この子は天使のような子なの!
小鳥とか小動物を狩るような真似は
この子にはできないの、心が優しいから!」
という前の持ち主の伝言だったのですが

夫が出張に出たその日、庭先に
サイドスワイプ君が丸まっていたので
何をしているのかしらと覗きに行くと
彼は野鼠をおやつに食べているところでした

・・・猫をかぶる、という言葉の意味を
しみじみ考えた私です

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