夫(英国人)の膝の上で
だらしなく仰向けになり
涎を垂らすのが日課となっている
白黒猫サンストリーカー君。

ふいーす


誇り高き黒猫サイドスワイプ君としては
そんな兄弟猫の姿が
恥ずかしくてならないらしく
・・・もしくはそんな甘え姿に
密かな嫉妬を感じるものらしく、
白黒猫が涎を垂らし始めると
黒猫はたいていの場合
明後日の方向を見て
兄弟猫の痴態に気づかぬふりをするか
ドアのそばに佇んで
「私を出て行かせてください」
という意思を態度で示すか、
いや、猫の関係性って面白いですね。

退出希望です


しかし白黒猫君は思い起こせば
我々が新居にやって来てから7週間
いっさいの媚を見せず
凛々しく雄々しく
我々に対し敵対的な態度を
貫き通したものなのですが
「あの輝ける自尊心を君は
いったいどこに置き忘れてきたのだ」

私の言葉などどこ吹く風で
サンストリーカー君は今日も
不器用な足取りで夫の膝ににじり上り
大の字に仰向けになっているのです。

本当に君、出会ったころは
格好良かった(過去形)のにねえ・・・

サンストリーカー君は
サンストリーカー君なりに
今でもその往年の格好よさを
維持しているつもりでは
あるのかもしれないのですが、
この間は粋に尻尾をピンと立てて
階段を小気味よく降りようとして
白黒時代の喜劇映画のコントのように
勢いよく段を踏み外し落下していき。

その前は己のその恵まれた体が
単なる『ウドの大木』の実例ではないことを
証明しようとしてか
全速力で家の端から端まで走ろうとして
私のPCのケーブルと電話の延長コードに
頭から突っ込み大惨劇を展開し。

「そういえばボイラーの上に
飛び乗ろうとして足を滑らせ
床に転がり落ちたこともあったな。
この子は目か平衡感覚か
・・・もしくは頭が悪いのだろうか」

(その後獣医さんにより
私のこの懸念は否定されました、
安心していいのでしょうか)

「僕が一番好きなのはですね、
この冬、猫2匹がそれぞれ
窓から家の中に入ってこようとして、
黒猫サイドスワイプはいつもの通りの
優雅な身のこなしで助走なしに
一跳びで窓の桟に座り込んだんですが
白黒猫サンストリーカーは地面から
窓の桟を見上げてずっと首を傾げていて。
僕もそのまましばらく窓を開けて
彼が入ってくるのを待っていたのですが、
彼はどうも窓の高さに怖気づいたみたいで。
だから仕方なくサンストリーカーに
声をかけて窓を閉めたら、
そのちょうど同じ時に
あっちも心を決めたらしくて
ぱっと飛び上がってきたんです。
でもまさにその寸前に僕が
窓を閉めてしまったのと
彼の跳躍が少し足りなかったのとで、
彼、窓枠のところに前足でぶら下がって、
宙ぶらりになってしまったんですよ。
そして窓ガラス越しに驚愕と非難の眼差しで
僕を見つめてきたんですよ。
もちろん後ろ足はバタバタさせていましたよ。
サンストリーカー君には笑いの才能が有りますね」

笑いの才能というか、
狙ったように間が悪いというか。

そんな彼は本日は
窓の外につるされた鳥の餌場に
わらわらと群がる小鳥たちに
本能を刺激されたのか、
姿勢を低くしてそっと餌場に近づき、
息を詰め機会をうかがい、
ここだというタイミングで
鳥の背中目指して
見事なジャンプを見せたのですが
・・・なあ、サンストリーカー、
君と鳥の餌場の間に
窓ガラスが存在することを
どうして君はそんなにきれいさっぱり
忘れることができたんだ?

冬の社交場


猫としてこれは本当に
許される範囲内の粗忽なのでしょうか。

飼い主として不安です。


しかしこれで怪我をしないんですから
猫というのは頑丈ですね

ところでここに
『ちゃんと閉まっていない』ドアがあるとして
黒猫サイドスワイプ氏はそういう時
そっと鼻と前足でドアを押してみるのですが
白黒猫サンストリーカー氏は
躊躇することなく
全力で頭突きを決めるのです

すごい音がするのだ、これがまた

・・・頑丈なのはいいことですね

猫話、明日も続く!
の1クリックを

人気ブログランキングへ