孵化直後の濡れ濡れ羽毛から無事
ふかふかのフワフワに変貌を遂げた
ガチョウのヒナはその後
ストーブ前の特等席で
一夜を過ごすことになりました。

私は睡眠には意地汚いことで
悪名高い人間なのですが、
ヒナに快適な温度を与えるため
目覚まし時計の力も借りずに
深夜3時にむっくりと起き上がり
ストーブに新しい薪をくべ
湯たんぽのお湯を取り換えまして
・・・なんと私は爪を隠した
能ある鷹であったのか・・・!

さて、翌朝のヒナは
適切な室温管理の甲斐あってか
箱の中で夜明け直後から
ピープピープと元気にご挨拶。

ピントの合わないフワフワさ


まだ足は弱いのか箱の外に出してやると
ちょこんと尻餅をついてしまうのが
たまらなく可愛らしいのですが、
そんな様子を見てわが夫(英国人)は
「これはやはり僕がこの子の入っていた
たまごの殻を剥くときに何か
間違ったことをしてしまったせいでしょうか?」

「大丈夫だ、妹姫(ガチョウ母の名前)が
面倒を見ているヒナたちも
孵化当日は小屋から出てこず、
翌日から外歩きを開始していただろ?
歩けるようになるのはたぶん
殻から出て24時間後くらいなのでは」

・・・自画自賛もほどほどに、とは思うのですが、
ことガチョウのヒナに関して私の勘と理論は
非常な冴えを見せている気がする・・・!

何かしら、私は本当に能ある鷹で
そしてその能とは
『ガチョウ育成能力』だったのか・・・?

さてところで我々は
この子をこれからどうすべきなのか。

「この子がちゃんと歩けるようになったら
親ガチョウの元に戻してあげましょう」

「いや、そのことだがな・・・
救命中から懸念はあったのだがな・・・
この子、もしかして我々人間が親だと
『刷り込み』が完了してしまっていないか?
その場合、我々のところにこの子は
戻ろうとしてしまうのではないか?」

「もしも戻ってきてしまったら
その時はその時。
他の手立てを考えましょう」

「あとな、この子のことを我々ったら
ついうっかり触りまくってしまったろう?
もうこの子からは『人間の臭い』が
しまくっているのではないか?
その場合、親ガチョウが
この子の受け入れを拒否する
可能性もあるのではないだろうか」

触るどころの話では


「大丈夫です、ガチョウというのは
案外臭いには鈍感な生き物なんです」

しかし万が一ということもあるし・・・

もうさ、そもそも熟慮もせずに
うっかりヒナの救命という選択をした
我々に非があることではあるんだけどさ、
この場合はこの子が完全に自立するまで
我々が面倒を見るのが筋なのでは?

頭が重いのバランス的に


「ヒナ用の特別照明灯を買えば
この子が頑丈になるまで
室内飼いをすることも可能だよな」

「可能は可能ですけども、
我々には仕事も外出予定もあり
今後8週間ずっとこの子の
そばにいることは不可能です。
そしてお忘れかもしれませんが
わが家には狩りを特技とする紳士が
約2名住み込んでいるんですよ」

ええ・・・

このフワフワ騒動の間、
黒猫紳士は妙に冷めた目で
我々とヒナのことを
静かに見詰めていたのでした・・・

ふうーん・・・で?


この目は危険な目だ・・・

というわけで、我々はフワフワを
親元に戻す決意をしたのであった!

続く。


孵化前のたまごが
『水底の石のように冷たい』状態だった時
我々はそれを私の腹巻に入れることで
一時保温しようとしていたのですが
その時ふと横を見ると
猫が丸くなって眠っており
「夫よ、私にいい考えがある、
このたまごを眠っている猫の
足とお腹の間に押し込んでみてはどうか。
温度および湿度的に
理想的な場所だと思うぞ!」

「僕の『いい考え』も大概ですが
君の『いい考え』も相当です!
それが冗談だとしたら
君のセンスは歪んでいますよ!」

・・・私は本気だったのですが、
そうね、冷静に考えてアレは
『いい考え』では
まったくなかったわね・・・

やはり私にガチョウ育成の才は
ないような気がしてきたわ・・・

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